事例のポイント
■ キャンペーンは168ヵ国の総計43百万人にリーチ
■ 取り込めていなかったターゲット層への的確なアプローチ戦略「既存のコアファンの盛り上がりの派生で新規ファンを取り込む」
■ リアルとデジタルを結び付けた画期的なキャンペーンのソーシャルメディア上の反応を的確に把握するためのBrandwatchの活用事例
Sky(Sky Ltd)のご紹介
Skyはニュージーランドにおいて卓越した有料テレビ放送サービスです。Skyの主要事業は流通であり、ローカルおよびデジタル衛星ネットワークを介して国際的なプログラムコンテンツ提供しています。
約160万世帯のニュージーランドにおいて、2012年6月30日現在、Skyの有料テレビサービス住宅世帯の浸透率は約49.4%、オーディエンスの市場シェアは約29.8%です。
また、Skyにはニュージーランドにて「ゲーム・オブ・スローンズ」を放送する独占的権利もあります。
今回この「ゲーム・オブ・スローンズ」を盛り上げるためにSky社が選んだ代理店パートナーはDDBです。
DDBニュージーランドは国内で最も影響力のある広告会社です。ブランド、デジタル、PR、エクスペリエンス、デザイン、インストアソリューションをすべて提供可能です。
DDBは、マクドナルド、キャドバリーなどのクライアントと連携していて、彼らは以下を含む数々の賞を受賞しています。
・2012年の最も効果的なエージェンシーオブザイヤー賞
・2013年はニュージーランドエフィーアワード
Sky(Sky Ltd)が抱えていた課題
世界で最も人気があり、TV番組でもよく取り上げられている「ゲーム・オブ・スローンズ」を特定層にも浸透させたい
「ゲーム・オブ・スローンズ(GoT)」シーズン4の開始とともに、Skyは新規顧客を獲得するための宣伝機会を有料チャンネルSoHoにおいて見出しました。
そこで、Skyはニュージーランドにおける広告を比較的少ない予算で戦略的に進める協力依頼をDDBにしました。
「ゲーム・オブ・スローンズ」は高い認知度を誇っていますが、Skyがリーチすべき層には「(自分たちに)好む番組ではない。」と敬遠されてきました。
この特定層は、従来の広告チャネルにおいてGoT関連の広告を無視している可能性が高いことをDDBは把握しており、かつ、その層は友人からの推薦が関心を高めるのに効果的であることも理解していました。そこで、代理店としてGoTをめぐる会話が途方もないオンラインコミュニティで見られるように、次に何が起こるかを見たいという熱意を、この特定層にも浸透させる方法を見出すことが課題でした。
課題解決のために行った施策
Brandwatchを活用した行った施策
既存のファンに訴求することが第一の目的ではないことは明らかですが、既存をターゲットにするにはそれなりの理由があります。
新シーズンの幕開けに向けたファンの興奮の勢いは、まだリーチできていない人々(友人の推奨が効果的な層)の注目を集めるのに最適だったのです。
ニュージーランドの視聴者に関連性を持たせるために、DDBはデジタルスクリーンとリアルな現実世界の両方で「ゲーム・オブ・スローンズ」への情熱を拡散させる必要がありました。
Brandwatchを活用することで、ニュージーランドで放送されるテレビ番組関連の投稿を分析し、DDBは最も影響力のあるテーマを特定することができました。
傲慢なほど嫌われるテレビキャラクターは他にいない、ということなのか、最も活発なオンラインディスカッションは、「ゲーム・オブ・スローンズ」の残虐な少年王であるジョフリー王を中心に行われていました。そしてDDBは、ジョフリー王に対する共通の憎悪をめぐってオンラインコミュニティを結集することで、「ゲーム・オブ・スローンズ」への情熱をニュージーランド全土で感じられるようにできることに気づきました。
Brandwatch上でのルール、カテゴリ、トピック、タグ付けプロセスを活用することで、DDBは「ゲーム・オブ・スローンズ」の側面をさまざまな角度で投稿量や投稿傾向を比較できました。ジョフリー王は最も人気のある議論の主題であっただけでなく、非常に嫌われているキャラクターとしてもっとも視聴者の感情を掻き立てることができる仮説がセンチメント分析の結果から生成されました。
ポイント①:オーストララシア史上最大のライブストリーム配信
ポイント②:世界規模の挑戦
ポイント③:世界的な露出
ポイント①:リアルとデジタルを結び付けた仕掛け!オーストララシア史上最大のライブストリーム配信
代理店であるDDBは、今回のキャンペーンを使用して、従来のメディアやデジタルメディアの領域を超えた何かを行うことで、配信コンテンツに対するSkyの情熱を市場に伝えたいと考えていました。
その印象的なコンセプトとして、DDBは世界の独裁者像における悪名高き人物像のパラレル性にフォーカスを当てることにしました。そうするために、私たちが歴史の中で見てきた独裁者像を彷彿させる、ウィンチ※付きのロープを有するジョフリー王の7メートル銅像を制作しました。
独裁者は歴史的にその銅像を破壊されてきました。今回も、その歴史に見習い、残虐な少年王の銅像を建築し、参加者の応援により、銅像を引きずり下ろす企画をしました。
その銅像は主要な場所であるアオテアスクエアに配置されました。ここは、公共エリアであり、野外コンサート、市場、そして政治集会などの場としてよく活用されています。
その後、DDBはその広場からオーストララシア(オーストラリア大陸・ニュージーランド北島・ニュージーランド南島・ニューギニア島およびその近海の諸島(インドネシアの領域を含む)を指す地域区分)において史上最大となるライブストリームを配信しました。
※ウインチ:ワーク(重量物)を昇降もしくは牽引する工具
ポイント②:世界規模の挑戦
この企画では、ハッシュタグ#bringdownthekingのと投稿数に連動しウィンチを回りロープをきつく像を引っ張ります(ここがリアルとデジタルが結びついている仕掛けです)。そして、最終的には数多くの投稿の応援のもと、邪悪な王の銅像を倒します。
先ず、視聴者がジョフリー王の重要性を認識すると、多くの人が写真を撮り、それを世界中のソーシャルコミュニティと共有し始めました。そしてソーシャルメディア上での投稿が瞬時に急上昇しました。最終的に、王の銅像は倒されました。
このキャンペーンの実施中、Brandwatchはキャンペーンをより盛り上げるためにこのハッシュタグの使用状況確認や追跡を実施し、より多くのオーディエンスの巻き込みを図りました。
「Brandwatchは、フォロワー数が最も多い参加者を追跡するのに役立ちました。そして、彼らに特別な称号を与えることで、さらなる関与を促します」
マイケル コックス氏(Digital Planner, DDB.)
DDBは、各地域での取り組みを調査するために、国ごとにグループ化された1時間あたりの投稿量をグラフ化しました。他の国に遅れをとっている国が特定されると、DDBは母国語で地元の「ゲーム・オブ・スローンズ」コミュニティに連絡を取りました。
これは、これまでDDBが当初大きな関心を生み出すのに苦労していたブラジルとフランスの市場ではるかに高いエンゲージメント率を引き起こす結果へとつながりました。
ポイント③:世界的な露出
このキャンペーンの早い段階で、DDBはメディアの注目を集めようと模索していました。つまり、Redditなどのソーシャル共有プラットフォームにプッシュできるコンテンツを制作するという考えです。
DDBがキャンペーンに関するニュースやフォーラムサイト上の報道の追跡やフィルタリングをするうえで、Brandwatchは強力な役割を果たしました。ニュージーランド最大のニュースWebサイト、さまざまなラジオ局、人気のある地元のソーシャルメディアチャネルで繰り返し報道され、ニュージーランドの重要な視聴者に行き届かせることができました。
「Brandwatchは、キャンペーンがグローバルメディアで受けた露出、キャンペーンの累積リーチ、Instagramで撮影および共有された写真を通じて見られたローカルな影響を解明する上で非常に貴重でした」
マイケル コックス氏(Digital Planner, DDB.)
まとめ
Brandwatchを活用して、ターゲット層を分析することにより、効果的なリーチ方法を見出すことができました。また、オンラインと現実世界が繋がるキャンペーンを企画し実施し、世界全体でムーブメントを発生させることができました。結果的に、DDBはキャンペーンに関連する約875,000件の個別の投稿を記録することができました。
「Brandwatchは、大規模なデータセットのサブセクションを表示する強力なフィルターを備えているだけでなく、高速かつ高い応答性を有するインターフェースを備えている点でも優れています。特に便利なのは、さまざまなFacebookページを追跡し、それらをより幅広いクエリでグループ化する機能です。」
マイケル コックス氏(Digital Planner, DDB.)