本記事は、弊社のCrimson Hexagonサイト上に掲載している、2018年07月01日付ブログ記事の転載となります。
※ブレインパッドは、2013年より「Crimson Hexagon」と日本国内唯一の販売代理店契約を締結し、ブランド企業を中心に数多くのクライアントにソーシャルメディアアナリティクスツールの導入と活用支援を行ってまいりました。その豊富な実績を評価され、このたび「Brandwatch」からも公式ディストリビューションパートナーに認定されました。
「ソーシャルリスニングは重要」
このことは、多くのマーケティング担当者、経営者の方が知っていることだと思います。
しかしSNS上に存在する膨大な情報を、実際にどのように分析し、活用していくのか、その方法を把握している方は少ないのではないでしょうか。
「ソーシャルリスニングツールを導入したけど、どう分析していいか分からない」
「分析のイメージがわかないからどのツールを選んでいいか分からない」
今回はそんな方に向けて、ソーシャルリスニングツールを活用する際の分析方法について解説していきます。
目次
分析を行う前に
1.数値分析で「ユーザーの全体的な流れ」を把握する
2.投稿・アカウント分析でより詳細に分析する
3.セグメントに分けて分析する
ソーシャルリスニングの分析結果をマーケティングに活かそう
まとめ:ソーシャル分析はマーケティングやリスク対策に大切
ソーシャル分析を行う前に
ソーシャルリスニングに限らず、マーケティングにおいて情報の収集・分析を行う上では、何を目的とするのかを明確にすることが大切です。
目的がはっきりしなければ、どのようなツールを利用したとしても、本来欲しかったデータや参考にするべきではないデータを収集してしまう可能性もあるからです。
まずは売上向上、商品の改善、リスク対策など、明確な目的を定めましょう。
その後「何を知りたいのか」ということを考えていきます。
ツールを活用して情報を抽出することは簡単です。
ただ、抽出するキーワードやデータのなかで注目する部分が間違っていれば、その時間は無駄になってしまうでしょう。
「ソーシャルリスニングをする目的」
「何を知りたいのか」
この2点を明確にしてから分析を始めることで、ソーシャルリスニングはより意味のあるものになっていきます。
それらが固まったら実際の分析に入っていくのですが、SNS上のデータを分析する方法の例として、
- 数値分析で「ユーザーの全体的な流れ」を把握する
- 投稿・アカウント分析でより詳細に分析する
- セグメントに分けて分析する
これらの3つが挙げられます。
ここからはこの3つの分析方法について、それぞれ解説していきます。
1.数値分析で「ユーザーの全体的な流れ」を把握する
まずは抽出した投稿の数をはじめとする数値的な点を見ていきます。
数値分析の段階では基本的に、
- 投稿数
- リーチ数
- ポジティブ・ネガティブ分析
これらを見ていくことで、SNSユーザーのサービスに対する大まかな動向を知ることができます。
投稿数
指定のキーワードを含む投稿の件数を見ていきましょう。
ソーシャルリスニングツールを活用して抽出したデータをグラフ化し、「日別や月別など時系列での比較」「自社と競合他社の比較」などから投稿数の推移を確認します。
例えば自社のサービス名を含む投稿が極端に増えるタイミングがあったとすると、「広告施策への反応」「繁忙期などの時期的なニーズ」など、何らかの要因が見えてくる可能性があります。
リーチ数
投稿数の推移がつかめたら、次に「それらの投稿がどれほどの人に見られているか」を確認していきます。
Twitter、Instagram、FacebookなどのSNSにおいては、投稿の件数がそのまま市場への影響力になるとは限りません。
投稿数だけでなく、その投稿を行ったアカウントのフォロワー数を見ていきましょう。それにより、実際に指定のキーワードを含む投稿がどれだけの人にリーチしているのかが分かります。
投稿数が少なくとも、そのなかにフォロワー数が多いアカウントがあれば、その投稿が多くの人の目に触れている可能性も考えられます。
ポジティブ・ネガティブ分析
ソーシャルリスニングツールを活用すればほとんどの場合、指定のキーワードを含む膨大なデータが「ポジティブな発言」なのか「ネガティブな発言」なのかを分類することができます。
例えば自社サービスを含む投稿のポジティブとネガティブの割合を見れば、ブランドイメージを知る手がかりになるでしょう。
また、投稿全体のポジティブ・ネガティブ割合を見るだけでなく、ここでも日別や月別の推移や競合サービス名との比較をしていくことで、より詳細に分析をしていくことが可能です。
2.投稿・アカウント分析でより詳細に分析する
数値分析でSNSユーザーの大まかな動向が分かったら、それをさらに深堀りしていきましょう。
投稿数やリーチ数などの数値的な部分だけでなく、「頻出キーワードの抽出」や「影響力のある投稿・アカウントの抽出」を行っていくことで、定性的な視点からも傾向をつかむことが可能です。
頻出キーワードの抽出
ソーシャルリスニングツールによっては、「その投稿に含まれる頻出キーワード」を洗い出すことが可能です。
例えば自社サービス名を含んだ投稿に対する頻出ワードが「口コミ」だった場合、レビューや口コミを確認して購入している人が多いことが考えられます。
また、この洗い出しにおいても自社サービス名についてだけでなく、「ポジティブな投稿の頻出キーワード」「ネガティブな投稿の頻出キーワード」「競合サービスの頻出キーワード」などさまざまな角度から分析していくことが重要です。
影響力のある投稿・アカウントの抽出
抽出したデータのなかから、反応(Twitterでのリツイート、Facebookでのシェアなど)の多い投稿や、フォロワーの多いアカウントを洗い出し、それらの傾向を見ていきます。
反応の多い投稿が分かれば、その内容を見ていくことで、拡散しやすいキャンペーンや広告施策など、次の打ち手を考えるきっかけになるでしょう。
また、フォロワーの多いアカウントの傾向を分析することで、より影響力のあるターゲットに絞った施策を考える手助けにもなります。
3.セグメントに分けて分析する
1や2で細かく分析していったデータを、さらにセグメントに分けて分析を行ってみましょう。
「投稿者の関心度合」や「何を見て投稿したか」などに分けて分析していくことで、消費者の動きがより具体的にイメージできるはずです。
例えば、ユーザーの関心度合を「興味」「関心」「購入」に分け、それをさらにポジティブとネガティブに分けて考えたとします。
購入を増やす目的の広告施策を行ったあとの投稿に「購入」に分類されるポジティブな投稿が多ければその広告施策は成功しているとも言えますし、「関心」に分類される投稿が多いだけではその施策は失敗しているかもしれません。
ソーシャルリスニングの分析結果をマーケティングに活かそう
ソーシャルリスニングの分析結果をマーケティングに活かそう
ソーシャルリスニングをマーケティングに活かすポイントは、スピードです。
SNSでは常に新しい投稿が生み出されています。
消費者のニーズをよりリアルタイムに知ることができるソーシャルリスニングをマーケティングでより効果的に活かすためには、データで分析した内容をできる限り早く施策に反映し、再度SNSでの反応を確認する、など、スピーディーな対応が求められます。
また、広告施策への反応などを見る際に確認しておきたいのは、ポジティブな反応ばかりではありません。ネガティブな反応のなかから、炎上や風評被害などにつながるものがないか確認するようにしましょう。
Web広告やテレビCMなどに注力し露出を増やした場合、そのことが要因となり、企業イメージに対するリスクにつながる可能性は常に考えられるのです。
リスク対策を日ごろから意識しておくことによって、「消費者がどんなことに対してネガティブな反応をするのか」ということを知っておくことができれば、それはマーケティングだけでなく、リスク対策にもつながります。
まとめ:ソーシャル分析はマーケティングやリスク対策に大切
SNS上の情報は、いま注目される「ビッグデータ」のなかでも、もっとも豊富で、価値のあるもの、だとも言えるでしょう。
分析の方法を知り、それをマーケティングやリスク対策に活かすことは現代におけるマーケティングでは非常に重要なことでしょう。
今では数多くのソーシャルリスニングツールが登場しており、それぞれ強みや特徴も異なります。
丁寧な分析を行いたくてもツールによっては、「データ抽出のスピードが遅い」「元となるデータ量が少ない」などが要因で満足に分析を行えないことも考えられます。
この記事を参考にしていただき、自社に合った分析方法、自社に合ったツール、をいま一度考えるきっかけになればと思います。
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