SNS(ソーシャルメディア)での情報発信や検索は、当たり前になりつつあります。企業がビジネスを進めるうえでも、SNSを解析して消費者の行動や感情を把握することは重要です。
しかし、ソーシャルリスニングは企業活動におけるSNS活用手法の一部だということをご存じでしょうか。ソーシャルリスニングを本当に活用するためには「ソーシャルアナリティクス」も同時に検討する必要があります。
この記事では、ソーシャルアナリティクスの概要やソーシャルリスニングとの関係性を中心に、メリットやよくある失敗例についても解説します。
目次
ソーシャルアナリティクスとは
部門別ソーシャルアナリティクスの利用シーン
ソーシャルアナリティクスを導入する際によくある失敗例
おすすめのソーシャルアナリティクスツール
まとめ:ソーシャルアナリティクスは様々な部門で活用できる手法
ソーシャルアナリティクスとは
ソーシャルアナリティクスとは、Twitter、Instagram、Facebookなど代表的なソーシャルメディアに加えて、ブログ、掲示板、レビューサイトなどに発信された消費者データを収集・分析し、企業や製品の戦略を決定するためのマーケットリサーチ、ペルソナ分析、トレンド分析などをおこなう手法です。ソーシャルアナリティクスでは、企業の課題や問題点を洗い出し、解決するためにはどのようなことをすればいいかという基本方針を決めていきます。
ソーシャルリスニングとの違い
ソーシャルリスニングとはSNS、掲示板、ブログ、レビューサイトなどに投稿されたデータを集めて分析する手法のことです。ソーシャルアナリティクスと分析対象は同様ですが、ソーシャルリスニングは、業務改善やマーケティングの具体的な戦術を決定するために整理・可視化する手法です。
ソーシャルアナリティクスはビジネスの方向性を決定するうえで必要な「戦略」をたてるために実施するのに対し、ソーシャルリスニングは、具体的な「戦術」を練るための手法です。ソーシャルリスニングを実施するには、事前にソーシャルアナリティクスを活用して戦略を立てたうえで、どんな内容を調査するか決めてから取り組む必要があります。
部門別ソーシャルアナリティクスの利用シーン
ここでは、ソーシャルアナリティクスが役立つシーンを部門別に解説します。
広報
広報でソーシャルアナリティクスを活用すれば、自社のブランディング戦略の立案に役立てられます。自社のブランドに対して現時点で消費者が抱いているイメージを把握できるため、どのようにブランディングを進めればいいか検討するための材料を得られます。たとえば、新しい商品やサービスを発売した際にどのような反応が多かったか確認することも可能です。また、自社ブランドに対する口コミを探す方法もあります。
人事
ソーシャルアナリティクスを活用すると、よりスムーズに採用活動を進めやすくなります。ソーシャルアナリティクスで、自社のブランドに対する世の中のイメージを把握し、候補者が自社に対してどのようなイメージを抱いているかチェックすれば、ギャップを埋めやすくなるでしょう。場合によっては、人事担当者が想定していない部分を候補者が気にしている可能性もあります。ソーシャルアナリティクスでそのような意識を抽出できれば、安心感を与えるための対策ができます。
営業
営業では、市場調査のためにソーシャルアナリティクスが活用できます。競合と自社の比較など、ソーシャルアナリティクスを活用して市場調査を実施すれば、顧客にプレゼンする際も根拠として提示できます。消費者の生の声がもとになるため、説得力のある提案につながるでしょう。
マーケティング
ソーシャルアナリティクスでSNS上の投稿を分析すれば、消費者のニーズを理解してマーケティングに活かせます。自社の消費やサービスのターゲットをフィルタリングして情報を集めると、有用なデータを得やすくなるでしょう。分析の結果は、新しくマーケティング施策を立案するために活用できます。また、実施したマーケティングの効果測定にもソーシャルアナリティクスが役立ちます。
製品開発
ソーシャルアナリティクスで得られるデータは、製品開発にも役立てられます。SNSからリアルな消費者の声を集めると、新しいアイディアを見つけられます。潜在的なニーズや自社にはない柔軟な発想が投稿されている場合も多いです。自社のブランドに対する客観的なイメージも把握できます。ソーシャルアナリティクスを活用して市場調査を実施すれば、消費者のニーズに即したまったく新しい価値を提供できる可能性があるでしょう。
ソーシャルアナリティクスを導入する際によくある失敗例
ソーシャルアナリティクスの導入にあたっては、さまざまな失敗も聞かれます。ここでは、よくある失敗例を紹介します。
SNSの選定を誤る
ソーシャルアナリティクスを利用する場合、分析の対象となるSNSの選定を誤ると求めているような効果は得られません。SNSの選定を誤れば余計な情報が多くなり、本当に必要な情報を集めにくくなります。SNSを選定するときは、分析のターゲット像を明確にすることが大切です。たとえば、性別や年齢層によっても、よく利用されているSNSは異なります。また、自社の目的を考慮し、必要な情報を収集しやすいSNSを選定しましょう。
収集する情報量が多い
SNS上には膨大なデータがあるため、条件を設けないと収集される情報量が多くなりすぎます。不要な情報が多いと正確な結果を得にくくなります。ソーシャルアナリティクスで分析を進めるうえでは、クエリを具体的に設定することが大切です。クエリは検索の条件を表しています。たとえば、地域、年齢、趣味などについてのクエリを設定すれば、本当に必要な情報のみを抽出しやすくなります。
集めた情報を放置する
ソーシャルアナリティクスで情報を収集するだけでは、業務改善やマーケティングは推進できません。集めたデータを分析し、実際に役立つように加工することが大切です。たとえば、データから得られた傾向の要因、物事の相関関係、環境などを分析すると、ビジネスのヒントになる情報を得られる可能性があります。さまざまな角度から分析すれば新しい事実が明らかになり、有効活用できるようになるでしょう。
目的・戦略を検討せずに解析を進める
ソーシャルアナリティクスを活用する際は、あらかじめ目的や戦略を決めておく必要があります。目的や戦略がない場合、ソーシャルアナリティクスを十分に活用できません。
ソーシャルアナリティクスを導入するときの目的や戦略は、企業によってもさまざまです。たとえば、資料請求や商品の購入を促すために、ソーシャルアナリティクスで分析を進めるケースもあるでしょう。まずは自社の状況を考慮し、どのような目的でどのようにソーシャルアナリティクスを活用するか検討する必要があります。
データがサイロ化する
ソーシャルアナリティクスを活用する場合、データのサイロ化にも注意が必要です。サイロ化とは、データが孤立してほかのデータと共有できていない状態を表しています。社内にはメールのデータや通話履歴などもありますが、SNSのデータをこれらとわけて活用しようとするとサイロ化につながります。
データがサイロ化しているなら、分析するツールを統合したり結果をまとめて管理したりする対策が必要です。別々に分析や管理をするとしても、それぞれをあわせて活用できる仕組みを作る必要があります。
おすすめのソーシャルアナリティクスツール
SNSには消費者の声が多数集まっているため、ソーシャルアナリティクスツールを活用して分析すると幅広い情報を得られます。
たとえば、Twitter公式パートナーのBrandwatchを活用すると、SNS上の膨大な情報もスピーディーに収集や分析が可能です。リアルタイムで効果的に分析を進められるため、自社が必要としている情報を簡単に取得できます。
また、ターゲットをフィルタリングできるため、口コミの分析も容易です。投稿内容を構造化して可視化できるため、SNS上のさまざまな情報を定量的に分析できるようになります。
まとめ:ソーシャルアナリティクスは様々な部門で活用できる手法
ソーシャルアナリティクスはSNSやWeb上の様々なデータから企業戦略を策定するために欠かせない手法です。マーケティングはもちろん、営業、広報、人事、製品開発などでも活用可能です。
Brandwatchは、1.4兆件以上のリアルタイムで信頼性の高いデータをスピーディーに分析できるツールです。属性ごとに分析できるため、自社のターゲットを絞り込んで分析できます。テキストだけでなく、ロゴや写真などの分析も可能です。SNSのデータを有効活用、ソーシャルアナリティクスをおこなうために、ぜひ導入してください。
マーケティングリサーチツールBrandwatchについて
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