こんにちは。ブレインパッドBrandwatchチームの飯塚です。
2022年に某大手キャリアの通信障害が発生しました。
大規模な通信障害であったものの、大手キャリアに向けた擁護・応援の声が多く、かつ対応に関して賞賛されていたことがとても印象的でした。
本件について「なぜ擁護・応援だけでなく、賞賛まで受けることができたのか?」を、Brandwatch Consumer Researchを用いて分析を行ってみました。どのようなタイミングで何をしたことがポジティブなユーザー反応に繋がったのか、その傾向を分析していこうと思います。
※本記事は大手キャリアと直接的な関わりがあるものではなく、あくまでも自社ツールを用いたソーシャルメディア分析の結果や傾向をまとめたものとなります。ご承知おきください。
通信障害発生後のSNS投稿推移と内容分析
通信障害が発生したタイミングから1カ月間の投稿量推移(Twitter)を調査しました。
グラフ右端のA地点は返金対応についての投稿がスパイクしています。最も投稿量が多い障害発生当日には、一般アカウントからの注意喚起投稿が最もRTされていました。拡散されているいずれの投稿も大手キャリアを批判している投稿ではないことがわかります。
次にポジネガとMention Typeの割合を調査してみました。
調査前の想定では、大規模な通信障害という事象への反応なのでネガティブ投稿が多いと想定していましたが、実際はポジティブ投稿との差がほとんどありませんでした。
これは、分析期間が通信障害発生タイミングから1カ月間を対象にしていること、「対応している技術者の人頑張って」といったような応援系投稿が多かったためだと考えられます。Mention Typeを見ると36%がOriginal Postのため、人々が大手キャリアの通信障害について個人で発言していることがわかります。
頻出単語を使って、全体的に投稿されているキーワードを確認しました。
個人で発言しているユーザーは通信障害によって困ったこと、対処方法、復旧作業をしている人への応援投稿と、内容はさまざまでした。他キャリアユーザーからの投稿もあったり、Twitterを使って関係者に自身への連絡手段について周知している投稿もありました。
大手キャリアの各対応におけるSNS反応について
大手キャリアの対応には、障害発生から復旧までの間に、記者会見、返金対応といったいくつかのポイントがありました。それぞれのポイントに対するSNS投稿にはどのような特徴があるのか確認した結果、「記者会見」に対する投稿量が最も多いことがわかりました。
その他対応に対する投稿
ショップ店員や大手キャリア社員を擁護・応援・感謝している投稿が多数みられました。
記者会見に対する投稿
社長の記者会見時の質疑や説明を見ての感想投稿が多くなっています。社長自らが質疑応答を行ったことに対して、ユーザーは好感を抱いているようでした。
返金対応に対する投稿
返金額については「少ない・安い」と発言している投稿が目立ちました。中には「現金ではなくポイントが欲しい」という意見もあり、対応に関する示唆にもなりそうです。
どのような対応が評価されたのか?
SNS投稿内容から、次の点が評価されていたことが分かります。
- 社長の迅速かつ丁寧な記者会見
- 障害の原因説明、対応状況、再発防止策、謝罪と、ユーザーに対して過不足ない説明をしていた。
- 返金対応
- 返金額自体は少ないと感じている投稿はあるが、逆に金額に対して納得しているユーザーも多く、再発防止への資金に充てて欲しいと大手キャリアを応援する投稿がみられた。
本事例から学ぶユーザー向け対応について
以上のSNS投稿の分析結果から、今回の通信障害に際してポジティブな反応が多くなったポイントは、以下のようにまとめられるのではないでしょうか。
- 企業の上層部を含めて事象・状況の把握を行う
- ユーザーへの迅速かつ丁寧な(過不足がない)説明
- 素早い返金対応などのスピーディかつ適切な対応
企業のトップ自らがスピード感を持ち事実に即した丁寧な説明を行うこと、ユーザーの損害に対する保証を明確に打ち出すことなどが、重要なポイントだったと言えそうです。
最後に:トラブル発生時に役立つ「アラート機能」
本事例から、トラブル時の対応には「スピード感ある対応」が大事な要素のひとつであることが分かりました。今回のSNS分析でも活用したBrandwatch Consumer Researchのアラート機能は、検知したいキーワードが含まれるユーザー投稿がなされた時に、予め指定したメールアドレスにアラートメールを送信することができます。
これにより、サービスや商品に関する投稿が大幅に増えていないか、すぐに検知したいキーワードが含まれる投稿がされていないかを、迅速に検知・監視することが可能です。
Brandwatch Consumer Researchの機能を活用することで、トラブル発生時の検知をスピーディにし、そこからの対応策検討および実行までの短縮化に役立てることができます。
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