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Brandwatch 2024 Digital Marketing Trends 2/3

※ブレインパッドはBrandwatchの国内正規パートナーであり、本記事はBrandwatch(英国)の許可を得て翻訳転載しています。

※翻訳元:Brandwatch 2024 Digital Marketing Trends

今のデジタルマーケティングの最大のトレンドを発見し、マーケティング戦略を向上させるための貴重な洞察と実用的なヒントをどのように発見していくかを紹介します。

私たちが直面しているデジタルの時代では消費者が主導権を握る世界を容易に想像できます。CEOや一部の経営トップが独りで舵を取る時代は終わり、昨今のデジタルマーケティングは消費者が舵を握り、ブランドをパーソナルに、最速で、魅力的な体験へと導いています。

2024年は、マーケティングのあり方を形作るトレンドの渦が巻き起こることが予想されます。私たちは、各分野の専門家に話を聞き、データを深く掘り下げ、あらゆる洞察をお伝えします。
今年もマーケティングを定義するトップ10のトレンドを明らかにしています。

本レポートは3つの要点をお話しします:

  • なぜこれらのトレンドが重要なのか(現在と将来)についてのデータに基づく洞察
  • すでにトレンドに取り組んでいるブランドによる、成功したキャンペーンの刺激的なストーリー
  • 戦略をレベルアップするための実践的なヒント

今回のデジタルマーケティングトレンドは3回に分けて紹介いたします。

目次

Trend #4:ソーシャルリスニングはマーケティング戦略を強化する
Trend #5:コンテンツマーケティングの担当者は、消費者の注目を集めるために創造性を高めるでしょう
Trend #6:ソーシャルメディアが検索エンジンになる
Trend #7:インフルエンサーマーケティングはさらに成長する

Trend #4:ソーシャルリスニングはマーケティング戦略を強化する

~リアルタイムに消費者インサイトを把握することは、マーケティング戦略を向上させ、顧客体験を向上させる~

Statistaの予測によると、2024年に世界のソーシャルメディアユーザー数は51.7億人に達し、ソーシャルメディアは消費者の意見やインサイトの最大の情報源となっています。

企業のブランドはこれらのプラットフォームに積極的に関与しているにもかかわらず、自社の製品やサービスに関するディスカッションのわずか1.5%を把握しているにすぎないません。

これは、顧客中心の戦略を構築しようとするマーケティング担当者にとって、ソーシャルメディア・データの重要性を強調しています。正直な気持ちをインセンティブがあるわけでもなく、だれかに促されていない消費者の意見にアクセスできることほど素晴らしいことはないでしょう。

適切なマーケティングテクノロジーを使えば、すべてのインサイトを一箇所に集め、組織全体の誰もがアクセスできるようにすることができます。当社の調査によると、マーケティング担当者の76%が、ソーシャルリスニングツールの利用が来年のマーケティング戦略に反映されることに同意しています。

ソーシャルリスニングにおいては、インサイトと定性調査が定量調査よりも優位を保ち、手作業による補強と組み合わせた方法論がより頻繁に見られるようになると私は予測しています。そして、ソーシャルリスニングを一次調査に活用するブランドはすでに増えています。

– ソーシャル・スタディーズ・グループのマネージング・パートナー ウェンディ・ゴールドマン・シェラー氏(出典:Brandwatch Digital Marketing Trends Survey, 2023.)

リアルタイムの消費者インサイトには力がある

リアルタイムの消費者インサイトは、マーケティング担当者に具体的な機会をもたらします。

企業が収益性をより強く追求する中、購買に関する話題からリアルタイムで消費者の好みを特定して、その傾向を理解し、学ぶことが最も重要になっています。

私たちは、マーケティングと戦略に関連する6ヶ月分(2023年4月1日から10月1日の間)のオンラインに投稿されている内容を分析しました。

私たちの分析では、苦情、製品やサービスに対する否定的・肯定的な経験、マーケティング戦略や戦術に対する批評、一般的な顧客フィードバックに関する言及が浮かび上がりました。このような洞察は、顧客調査の指針となり、意思決定に役立ちます。

優れたCXとは、消費者の直接的なニーズを予測し、シームレスかつ迅速に対応することです。

マーケティング予算が逼迫している中、ソーシャルインテリジェンスの力を活用することは、マーケティング施策の測定とROIの向上を目指すマーケティング担当者にとって救いの道になるかもしれません。

測定は、ブランドにとって長年急成長してきた観点であり、今やかつてないほど重要になっている。ROIの要求がこれを後押しし、キャンペーンがどのように行われたかを、ポストまたはクロスプラットフォームレベルで、目に見える形で測定する。ソーシャルインテリジェンスは、ソーシャルリスニングとオウンドアナリティクスの両面で、大きな役割を果たしている。

– Haleon社のダニー・ガードナー氏(出典:Brandwatch Digital Marketing Trends Survey, 2023.)

Brand inspiration

  • クレムソン大学、ソーシャルリスニングをソーシャルメディアキャンペーンに活用
    クレムソン大学の学生がソーシャルリスニングを活用し、Dollywood Parks and Resortsのソーシャルメディアマーケティング施策の強化を支援しました。
                                              

     

  • SupernaturalとKAYAK、消費者のオンラインディスカッションから旅行インサイトを発見
    クリエイティブエージェンシーのSupernaturalは、ソーシャルリスニングを活用して消費者の旅行行動や嗜好について詳しく知り、KAYAKとのデータ主導のキャンペーンを成功させました。
                 
  • L’Orealの社内チームが新しいビューティ・トレンドを素早く見極める
    カルチャーのスピードに合わせて動くことで知られる美容大手のL’Orealは、NYXのようなポートフォリオ内のブランドにマッチする適切な新しいトレンドをソーシャルメディアでモニターしています。                                                

     

     
     
     
     
     
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  • 『Call of Duty』(Microsoft)はソーシャルリスニングを利用してコミュニティの好き嫌いを分析
    Call of Dutyのソーシャル分析を監督するマネージャーは、同社がソーシャルリスニングを活用していることを強調しています。このアプローチによって、コミュニティを積極的に監視し、彼らの嗜好や感情に関する貴重な洞察を得ることが可能です。                                                              

マーケティング担当者のためのヒント

  1. オンラインレピュテーションをプロアクティブに管理する。
    リアルタイム・モニタリングの利点は、ネガティブな感情を迅速に特定し、対処できることです。消費者からのフィードバックにタイムリーに対応することで潜在的な危機を未然に防ぎ、社会的認知をポジティブに形成することができます。問題が発生した場合は、専用の危機管理戦略を導入して対処することで、ブランドが世間からの好意的なイメージを維持できるようにします。
         
  2. 戦略的洞察を活用して競争優位を獲得する。
    進化するAIのトレンドを先取りし、AIを注意深く監視し、AIからのフィードバックに基づいて戦略を調整します。2024年にマーケティング担当者にとって重要なことはキャンペーンにおいてAIが影響する潜在的なマーケティング上の見落としを事前に予測し、対処することです。
         
  3. データ主導の戦略で、ブランドの意思決定を最適化する。
    ソーシャルデータをマーケティング戦略の土台とすることを考えてみる。消費者インサイトを活用して、コンテンツマーケティングに磨きをかけ、顧客エンゲージメントと満足度を高めましょう。アナリティクスとデータツールに投資して、データはリアルタイムの消費者のフィードバックに基づいて情報に基づいた意思決定を行うのに役立ち、急速に進化する市場環境で競争力を発揮します。     

Trend #5:コンテンツマーケティングの担当者は、消費者の注目を集めるために創造性を高めるでしょう

~今日の世界では、ブランドは消費者の注目を集めるために創造的な工夫を必要としている~

私たちは情報過多の世界に生きています。平均的なアメリカ人は毎日4,000から10,000の広告にさらされています。同時に、人間の注意持続時間はわずか8.25秒にまで縮んでいると言われています。これは金魚よりも短い注意力です。

ブランドにとって、最初の数秒で消費者の注意を引き、コンテンツを短く鋭く保つことは非常に重要です。Metaによると、短編動画は長編動画よりも76%インプレッション効果が高く、インスタグラム・リールを使ったキャンペーンは、他の動画フォーマットを使ったキャンペーンよりも20%効果が高いとされています。

動画コンテンツは、人々が最も共有したがるタイプのコンテンツでもあります。

今の時代、消費者は長い動画を見たり、フィードを何時間もスクロールしたりすることに多くの時間を費やすことはない。消費者は手っ取り早くコンテンツを消費することを求めており、10秒のストーリーに勝るものはない…
– SWM Communicationsのデジタルメディア部門責任者、チャールズ・ポールター氏(出典:Brandwatch Digital Marketing Trends Survey, 2023.)

Brandwatch Consumer Researchによると、短編動画に関するオンライン上の会話は、2023年1月から10月にかけて前期比で9%増加し、9月には約390万件の言及でピークに達しています。ソーシャルデータによると、動画コンテンツの人気が高まっているのは明らかです。

 

2023年9月に516人のマーケティング専門家を対象に実施した調査では、80%が2024年も動画マーケティングが成長し続けることに同意しています。また、72%が来年は体験型マーケティングとエンターテイメント・マーケティングが急増すると予想しています。

マーケティング担当者は、消費者の注目を集め、つながりを促進する方法を模索しており、2024年には、短編動画が引き続き成長し、インタラクティブで体験的なコンテンツが試されることになるでしょう。

Brand inspiration

  • PhotoshopがReelsを使ってインスピレーションと教育を提供
    PhotoshopはInstagramのReelsを活用し、消費者のコミュニティを刺激し、消費者を育成しています。短いビデオでは、Photoshopを使ってどのように写真を編集し、特定の効果を生み出すかを紹介しています。要点が端的に示されており、有益でわかりやすい動画になっています。                                                                  

     
  • HBOがTikTokで短く簡潔に
    TikTokは短い動画を投稿するのに最適な場所であり、HBOはその使い方を熟知しています。HBOは、現在放送中の番組やこれから放送される番組の20秒以下の短いクリップを使い、ストリーミング・サービスのプロモーションをしています。                                                

    @hbo

    If you’re seeing this, you’re TeamBlack… Or watch the #TeamGreen Trailer on @streamonmax to decide. #HOTDS2 premieres June 16 on Max. #HouseoftheDragon

    ♬ original sound – HBO – HBO

マーケティング担当者のためのヒント

  1. 短編動画がカギとなる。
    Reelsであれ、TikTok動画であれ、YouTubeの短編動画であれ、ソーシャルメディア戦略の一環として短編動画を使いましょう。短く、シンプルに、要点を押さえて。既存の長編コンテンツを小さなスニペットに再利用することで、コンテンツをさらに後押しすることができます。
                          
  2. コンテンツを顧客ニーズに合わせる。
    Brandwatchのようなソーシャルメディア分析ツールを使って、消費者がどのようなタイプのコンテンツやフォーマットを最も好むかを見極めましょう。娯楽的なコンテンツを求めているのか、教育的なコンテンツを求めているのか、舞台裏のビデオやユーザー生成コンテンツが好きなのか、どんな音楽が好きなのか、これらの情報があれば、消費者に本当に響くコンテンツを作成することができます。
                          
  3. 実験をたくさんしてみる事が非常に大事である。
    多くのブランドの中で目立つことは容易ではありません。新しい方法で視聴者を惹きつける方法を探しましょう。インタラクティブで体験型のキャンペーンは、目立って新しい顧客を引き付けるのに役立ちます。                                                                                 

Trend #6:ソーシャルメディアが検索エンジンになる

~ソーシャルメディアはニュース、レコメンド、各種研究における主要な情報源に急速になりつつある~

HubSpotの2023年グローバルソーシャルメディアトレンドレポートによると、ソーシャルメディアマーケターの87%が、消費者は検索よりもソーシャルメディア経由で自社ブランドを見つけると考えています。

ソーシャルメディアはGoogleよりも偏っていないと見ており、若い方たちは、SNSでの検索にすでに多くの時間を費やしています。実際、 New York Timesの報道によると、TikTokはZ世代の主要な情報源としてGoogleを上回っています。

Rise at Sevenが、Google、YouTube、TikTokで競合する5つの業界キーワードを小規模に調査したところ、TikTokの100のキーワードとYouTubeの100のキーワードが、Googleよりも多く検索されていることがわかりました。ソーシャルメディアは今やそれ自体が検索エンジンであり、76%の消費者が新製品やブランドの検索や発見に利用しています。

オーディエンスは、地域のアクティビティを探したり、ブランドを発見したり、お勧めのレストランを探したり、さらには世界のニュースを知るために利用している。TiktokTaughtMeのハッシュタグだけで140億ビューを超えています。

また、オンライン上では、リサーチのためのソーシャルメディアへのシフトが盛んに議論されています:

TikTokのようなプラットフォームは、この需要を満たすために検索体験の開発に投資しています。一方で、マーケターによって長年「ゲーム化」されてきた従来の検索エンジンは見捨てられつつあります。

そこでユニークな情報を見つけることができないオーディエンスはソーシャルを利用するようになり、そこではリアルタイムのトレンドコンテンツが彼らが求める斬新さをもたらしています。会話とニュース速報に後押しされるソーシャル・プラットフォームは、Googleに欠けているフィルタリングされていない情報と信憑性を提供しています。

オーガニックなソーシャル・メディア・マーケティングがさらに増え、SEOとソーシャル・メディアはさらに結びついていくだろう。

– Synlighet社ソーシャルメディア責任者、カティンカ・スレッテン氏(出典:Brandwatch Digital Marketing Trends Survey, 2023.)

ソーシャルコンテンツの力を認めているのは消費者だけではない。

Google自身もソーシャルUGCを検索上位に表示させる傾向を強めています。2022年12月のE-E-A-Tアップデートに続き、「体験」に焦点を当てたコンテンツを優先し、UGCにこれまで以上の可視性を与えています。

 

マーケティング担当者は、TikTok、Reddit、LinkedInのようなソーシャルメディアプラットフォームからの自然検索(SERP/SERPs)回答が急増していることに気がついています。

グーグルの検索アルゴリズムの継続的な変更は、特にAIがグーグルがウェブコンテンツを解釈する方法に統合されるにつれて、静的な検索キーワードよりも人間中心のコンテンツ頻度をますます好むようになるだろう。

– Jackson Spaldingのデジタル&アナリティクス・プラクティス・リーダー、ジャスティン・ウィリアムズ氏(出典:Brandwatch Digital Marketing Trends Survey, 2023.)

Brand inspiration

  • Essie、TikTokの検索トレンドを活用
    メイクアップブランドのEssie (エッシー)は、#TikTokTaughtMeのハッシュタグを活用し、その結果、ネイルチュートリアルのコンテンツで数百万ビューを獲得しています。                                   

 

Essieはさらに、インフルエンサーと協力してユーザー生成のチュートリアルを投稿し、常に数百万ビューを動員しています。

 

マーケティング担当者のためのヒント

  1. 検索の質問に答えるソーシャルコンテンツを作成する。
    顧客がカートを放棄した場合でも、過去に購入した顧客と再度エンゲージしたい場合でも、広告やEメールを通じてシームレスで魅力的な体験を提供し、セールス・ジャーニーへの再参加を促しましょう。

  2. ユーザー生成コンテンツを優先する。
    顧客、従業員、インフルエンサーのコラボレーションを開発し、検索とソーシャルの両方で上位にランクされる、経験を優先した本物のコンテンツを作成しましょう。

  3. 実用的で役に立つソーシャルコンテンツの作成に注力する。
    「ハック」、「レビュー」、「ハウツー」、「チュートリアル」、「代替案」のコンテンツを作成し、マルチチャネルでの知名度を獲得する。特に顧客との信頼関係を築くことなく、パーソナライゼーションに傾倒しすぎるのは避けましょう。

  4. マルチプラットフォーム検索戦略を構築する。
    検索におけるキーワードトレンドを調査し(Google Trendsを使用するなど)、ソーシャルメディアにおけるブレイクアウトトレンドを見つけ(TikTokのCreative Centerを使用するなど)、ソーシャルメディアコンテンツを強化します。

  5. ソーシャルコンテンツを複数のチャンネルで再利用する。
    Googleは依然としてTikTokよりもYouTubeのコンテンツを優先しているので、検索とソーシャルの領域を勝ち取る最高のチャンスを得るために、両方のチャンネルに動画をアップロードしましょう。

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