昨今企業アカウントが、こぞってエイプリルフールの話題を投稿しています。エイプリルフールの話題について、X(旧Twitter)のユーザーにどのように受け止められているのかBrandwatchで分析し掘り下げてみました。
※本記事は、自社ツール「Brandwatch」を用いたソーシャルメディア分析の結果や傾向をまとめたものです。
目次
- 4月1日は本当にエイプリルフールの投稿が多いのか
- 企業アカウントはエイプリルフールにどのような投稿をしているのか
- 「#エイプリルフール」投稿はどのような受け止め方をされているのか
- まとめ
4月1日は本当にエイプリルフールの投稿が多いのか
2011年から2024年の4月1日の投稿をワードクラウドで調査してみました。この分析から下記の3点が分かりました。
- ピンクの枠で囲っているワード「エイプリルフール」「本当」「ネタ」「信じ」などエイプリルフールに関連するワードが多く、エイプリルフールが盛り上がっています。
- ブルーの枠で囲っているワード「キャンペーン」「チャレンジ」など企業アカウントの投稿に関連するワードが見られます。
- 4月1日は年度始めですが「年度」「新学期」などのワードは見られず、SNS上ではエイプリルフールのほうが盛り上がっている事が分かります。
また、「#エイプリルフール」について2010年から2024年の投稿量推移を調査しました。「#エイプリルフール」の投稿は、コロナ禍の影響も見られますが増加傾向であることが読み取れます。特に2023年、2024年は大幅に投稿量が多くなっており、「#エイプリルフール」の投稿は来年も盛り上がることが予想できます。
※日本語のハッシュタグは2011年7月から利用が開始されたため、2012年から投稿を取得しています。
企業アカウントはエイプリルフールにどのような投稿をしているのか
各年4月1日の「#エイプリルフール」投稿についてのリポストランキングを調査しました。投稿アカウントと投稿内容別でまとめると下記のような結果になりました。
※リポスト数の取得ができる2014年以降について調査しています。
「#エイプリルフール」投稿を活用している業種に変化
業種別に色分けをしたところ、近年はアニメ・ゲームや飲食・食品に関わる企業が多く投稿されています。
- 飲食・食品に関わる企業→オレンジ
- 販売を行う企業→緑
- 食品以外の製造・開発に関わる企業→紫
- アニメ・ゲームに関わる企業→青
※エイプリルフールにまつわる投稿のみ色付けしており、本当の発表などは無色にしています。
「#エイプリルフール」投稿内容にも変化
投稿内容はエイプリルフールにちなんだ嘘の内容が多いのが特徴でした。内容別に色分けしたところ、近年は「嘘の新商品・新サービスを発表する投稿」や、「嘘と見せかけて本当の新商品やイベントを発表する投稿」が多い傾向が見られました。
- 「嘘の新商品・新サービスを発表する投稿」は、2023年、2024年ともに最も多くリポストされており、話題になりやすいことが考えられます。
- 近年は多くのアニメ・ゲーム企業から、普段のキャラクターからは信じられないような衣装やセリフを使った「動画やゲーム内イベント」が発表されています。
- 「他社・他商品とのコラボ投稿」では、競合や企業名称が似ていて間違われやすい企業同士がSNS上でコラボする投稿が2014年〜2016年に流行しましたが、近年はあまり見られなくなりました。
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- 他社・他商品とのコラボ投稿(他企業のフリをする)→オレンジ
- 嘘の新商品・新サービスを発表する投稿→緑
- 新商品・新サービス以外の企業ならではの嘘→紫
- 嘘と見せかけて本当の新商品やイベントを発表する投稿→青
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「#エイプリルフール」投稿はどのような受け止め方をされているのか
2024年の「#エイプリルフール」投稿で最も多くリポストされた日本マクドナルドの投稿についての反応を調査しました。引用リポストではないリポスト投稿については除外して調査しています。
最高のおひる「マックの内弁当」販売決定!#エイプリルフール pic.twitter.com/CQRtjaHTSZ
— マクドナルド (@McDonaldsJapan) March 31, 2024
※マクドナルド公式の投稿を表示しています。
「マックの内弁当」投稿に対するリプライや引用リポストの内容を調査
- ピンクの枠で囲っているワード「商品化」「欲し」「あったら」というワードがよく見られ、実現化を求める肯定的な意見が多くありました。
- オレンジの枠で囲っているワード「再現」「買っ」というワードでは「マックの内弁当」を実際に再現した人の投稿が注目を集めました。再現のしやすさも人気の要因と言えるでしょう。
- ブルーの枠で囲っているワード「企業」というワードも頻出しており、企業のエイプリルフール投稿を楽しんでいる人が多い事がわかります。
「マックの内弁当」投稿に対するリプライや引用リポストの推移を調査
午前7:00に「マックの内弁当」が投稿され盛り上がった後、一時は少し落ち着きますが、12:00のお昼時になると投稿量が増え、ピークは12:00台となりました。反応の内容を見ると、最初は「マックの内弁当」に対する感想で盛り上がり、10:00台から弁当を再現する投稿が出現し、お昼時に再現投稿が続出してもう一度盛り上がる結果となりました。
今回の「マックの内弁当」が注目を集めた理由
- 「実際にあったらいいな」と思わせるアイデア。
- 顧客が簡単に再現でき、エイプリルフールに参加できたこと。
以上の2点が、今回の投稿が盛り上がった理由と分析から読み取れました。
まとめ
今回はエイプリルフールについて、X(旧Twitter)上の投稿を調査しました。エイプリルフール投稿は、近年投稿量が増えており、企業からの投稿は毎年人気が高いことがわかりました。特に、嘘の新商品発表でありながら「実際に欲しい!」と思ったり、自分で商品を買って参加できたりする投稿が、顧客に人気だとわかりました。
BrandwatchではX(旧Twitter)の投稿データを最大2010年7月まで遡る事が可能です。
また、特定の投稿に対する反応をデータとして収集し、分析することができます。
SNS上で企業アカウントが投稿する上では、トレンドを把握することや、投稿に対する反応を分析することが重要です。
Brandwatchはこれらの分析を強化し、投稿の方向性を決める手段を提供します。
少しでもご関心をお持ちいただけたようであれば、ぜひお気軽にお問い合わせください。