株式会社スタイリングライフ・ホールディングス BCLカンパニー

  • 卸売・小売・流通業
  • 商品開発
  • ブランド調査
  • マーケティング
  • 消費者の動向検知

株式会社スタイリングライフ・ホールディングス
BCLカンパニー

商品開発本部企画2部 部長 兼 ブランド戦略部
ブランドマネージャー 齊藤 久美子 氏
商品開発本部企画2部 課長 西村 都美 氏

株式会社ブレインパッド
DXオファリング推進 副リード 小堺 秀真
カスタマーエンゲージメントグループ
グループリーダー 新谷 照信

スタイリングライフ・ホールディングス BCLカンパニー

事例のポイント

  • 「Brandwatch」を活用した高度分析への挑戦の背景と決断、社内の活用浸透について
  • 「サボリーノ」商品のリニューアルにおいて、利用シーンと消費者心理に基づく意思決定のポイント
  • 「クレンジングリサーチ」の商品改良において、低迷していたシリーズをソーシャルデータを駆使して復活に至る過程の詳細
  • 成功と失敗の原因を振り返ることで次の成長につなげる、レベルアップしていくためのWhyの導き方

株式会社スタイリングライフ・ホールディングス BCLカンパニーのご紹介

株式会社ブレインパッド・小堺秀真(以下、小堺):最初にBCLカンパニー(以下BCL)様の概要を教えてください。

株式会社スタイリングライフ・ホールディングス BCLカンパニー・齊藤久美子氏(以下、齊藤氏):化粧品の製造販売を行っている会社です。「サボリーノ」「クレンジングリサーチ」をはじめとしたドラッグストアやバラエティショップ向けの多数のセルフコスメブランドと、直営店で販売している「ROAliv」等、合わせて約50のブランドを展開しています。販売経路は国内だけでなく、台湾や東南アジアを中心に海外にもあります。

BCLカンパニーがソーシャルデータを活用する背景

簡単なツールからソーシャルデータ分析を始めない

小堺:ソーシャルデータの活用に至った背景を教えてください。

齊藤氏:商品開発のアイデアの元が少しでも多く見つかるほうが絶対にいい、ということがまずあります。そして自分が思いつたことが、今世の中のどこにいるのかを把握しないといけません。企画した商品をリリースするタイミングが早すぎても遅すぎても良くないです。経験と勘に頼ってタイミングを外してきた過去があるから根拠が欲しかったということがあります。あるいはもう少し続くトレンドだったのに途中でやめてしまったこともあります。そういった“もったいなさ”をなくしたい気持ちもありました。

 

 

小堺:会社としても企画開発した商品のヒット率を上げたいという意思があり、トレンドをどうやって読むのかということが御社の経営課題になっていたかとおもいます。そこでトレンドをデータとして見られるソーシャルデータ活用ツールのニーズがあったということですね。

世に出すのが早すぎたとか止めるのが早すぎたというお話がありました。その「早すぎた」という判断はどうやってくだしていたのでしょうか。

齊藤氏:その辺は実際の市場のトレンドを見て、出すのが早すぎたとか遅すぎた、あるいは止めるのが早かったという反省をしてきました。Brandwatchを導入してからは、たとえば「成分に関する投稿」をSNS上で把握できるようになったので、リリースや撤退のタイミングを間違えることが少なくなりました。

 

BCLカンパニーがソーシャルリスニングツール「Brandwatch」を採用した理由

小堺:ソーシャルデータ活用のツールはBrandwatch以外にも数多くあります。その中でBrandwatchを選んだ比較基準は何だったのでしょうか。

齊藤氏生の情報(データ)をそのまま活用できること、さらに分析が細かくできるところが良いと感じました。自分たちで生データからダッシュボードを作るような使い方になるので習得は難しかったです。しかし、使いこなしているメンバーが成果を上げているのを見ていると、導入したかいがあったと思うし、メンバーが急速に成長している実感もあります。

小堺:そのような難しいツールを導入する意思決定は、覚悟が必要だったと思うのですが。

齊藤氏:本当に難しくて誰も活用できず、根付かなかったらそのときはやめたらいいという気持ちもありました。簡便なツールもあったのですが、そういうところからスタートしてそれに慣れてしまうと、高度な分析に進むのが大変だと考えました。

小堺:齊藤様からBrandwatchの活用を言われたとき、西村様はどう思いましたか。

西村氏:導入前のブレインパッド様のオリエンテーションで旅行会社様での事例を拝見し、こんな風に新発見ができたらすごいなと思いました。ですからけっこう良いツールを導入してもらえたと思ったのですが、実際に活用するとなると半年ぐらいはかなり難しいと感じ、苦戦することもありました。

でも、活用に離脱しかけた人も自分の仕事に役立つ発見があると、またやろうという気持ちになって結局活用し続けるようになりました。ブレインパッドの新谷様がオフラインで月2回程来てくださったので、行き詰ったときにすぐ質問・解決して次に進んでいける環境を作ってくださったのも良かったです。実務に活かせる程度に使いこなせるようになるまで1年近くかかりましたが、部内でBrandwatchを活用する習慣ができました。

小堺:活用しているうちに慣れてきたという感覚ですか。

齊藤氏:そうですね。若いメンバーが多く、感性や見方が鋭いことと、気づきが周りの社員と共有できたことなどが大きかったです。

西村氏知りたいことが尽きないという探求心もみんなに共通しているのでしょう。POSデータを見てもなんでこの商品が売れるのか、売れないのかよくわからないけれど、Brandwatchで分析すればお客様の気持ちがもっとわかるかもしれないという感じで活用しています。

小堺:なぜ知りたいことが尽きないのでしょうか。

齊藤氏:自分の担当する商品をもっと売れるものにしたいからです。例えば、これまでは競合の状況を掴むのが困難でした。しかしBrandwatchを活用すると他社のもっと売れていている商品がSNS上でどんな施策をやっているかがわかるため、自社でもこんなやり方をしてみようといった仮説が立てられるようになったのです。

SNSで見かけた情報を単に見ているだけだと全体像がわからず、結局何をしていいのかもわからなくなるのですが、Brandwatchで分析すると「この施策の結果、これだけ伸びている。ではこの媒体でもう少しお金をかけてみようか」となります。仕掛けたことに対して、どういう反応があったかが見えるので、業績を向上させることにつながるわけです。自分の仮説やアイデアの根拠を探求するにはどうしても高度な分析が必要になります。仮説の検証を繰り返すことで自分の担当するブランドが成長するキッカケを探求することが楽しいということですね。

小堺:その結果、自分の評価も上がるわけですから、多少難しくても面倒でもやってみようとなるわけですね。

齊藤氏:特に販促系は施策と成果の関係がクリアにわかりますから、なおさらです。

ロングセラー商品のリニューアルにBrandwatchをフル活用

伝え方も成分もソーシャルデータ分析を元にリニューアル

小堺:具体的なブランド・商品でどんな分析をしたかを教えていただけますか。

齊藤氏:サボリーノのブランドマネージャーをしており、リニューアルに向けて自分たちで分析もしましたし、コンサルティング会社様に協力してもらって市場分析や競合分析もしました。

商品開発の初期段階では、SNSでサボリーノがどのように語られているかをまずざっくり把握しました。「朝用」「時短」「手軽」など想定していたキーワードが頻繁に投稿されていたことは予想どおりでした。意外だったのは、サボリーノに関する投稿量の多さです。競合する大きなブランドがいくつかあるのですが、それらに数で劣ることなく、またキャンペーン等とは無関係のお客様の自発的な投稿も多かったのです。シートマスクの売上ランキングではそれほど上位ではないのですが、いわゆる「ロイヤル顧客」の比率が極めて高いブランドだとわかりました。

サボリーノという名前からやはり忙しい朝や疲れた夜の時短効果を期待して購入いただいている方がほとんどだったのですが、ロイヤルティーが高まるタイミングについての言及(投稿)で「美容のモチベーションが上がっている」というのがあったのです。美容に対するモチベーションが高まっているから、朝にサボリーノでマスクする、そうすると自己肯定感も高まると言うのですね。これまでの時短効果を後押しするだけではなく「美容のモチベーションが上がっているタイミングでの使用」という新たなニーズの発見を取り込んで商品のリニューアルを企画しました。

小堺:新たなニーズの発見以外に商品リニューアルに際してソーシャルデータ分析から得られた改善ポイントを具体的に教えていただけますか。

齊藤氏:パッケージに「1分でスキンケア完了」「洗顔いらず」などとありますが、その「1分」や「洗顔いらず」を大きな文字にして強調しているところですね。そもそも「サボリーノ」と命名したわけですから、「1分でいい」とか「洗顔いらず」ということは、我々開発者にとっては「あたりまえのことだ」という認識があったのです。ところがソーシャルデータを分析するとお客様は意外とそのことを知りませんでした。

※ソーシャルデータ分析の結果から「サボリーノ」パッケージ内の1分、洗顔いらずの文言を強調

 

小堺:開発者の思い込みがあったとしても、普段からお客様の心理の動きをソーシャルデータでキャッチしようとしているから、気づいたらすぐに改めようとなるわけですね。商品そのものはあまり変わっていなかったとしても、伝え方を変えることで十分リニューアルになる――そういう新しい伝え方を導き出すためにソーシャルデータ分析が役に立ったということですね。

商品そのものについてもソーシャルデータ分析で大きく変わったことはありますか。

齊藤氏:「保湿力が物足りない」という意見(投稿)が多く見られたので、しっかりとアップしました。ロングセラー商品のリニューアルでは、中身(使用感)は大きく変えないというセオリーがあるのですが、Brandwatchの分析結果を踏まえてあえてそのセオリーには今回従わない意思決定をしました。

なぜなら、サボリーノは「ロイヤル顧客」の比率が極めて高いブランドという分析結果もあり10年もご使用いただいている商品であれば、お客様の平均年齢もそれに伴って上がっていきますので、パワーアップも必要かと考えました。

企画の社内決済をスムーズにしプロモーション・営業連携強化にBrandwatchを活用

小堺:サボリーノは御社の主力ブランドの1つであり、SNSでの投稿も多いということですが、西村様の担当されているブランドではどうだったのでしょうか。

西村氏:私の担当するクレンジングリサーチは20年以上売れている洗顔料シリーズですが、サボリーノとは相反してSNSにほとんど投稿されていない状況でした。緑の容器にリンゴの絵とAHAという大きなロゴがアイコンの商品で、全国のドラッグストアで展開されているので見たことある人は多いけど、話題にならない…。Brandwatchを導入する前の時期ですが、コロナの影響もあって売上が落ちているタイミングで発売したのがこちらの黄色の容器に大きくCと書かれた洗顔です。

 

ちょうどコロナ禍でビタミンCのサプリメントが流行っており、スキンケアでもビタミンC配合の商品が増えてきたタイミングでしたので、新商品にビタミンCを配合し、シトラスの香りにしました。SNSで話題になっているビタミンCを取り入れることで、ブランドに鮮度とSNSでの話題性を作る狙いでした。それまでのブランドイメージにはないカラーですが、一目でビタミンCを連想できるレモンのような鮮やかな黄色いパッケージにしたのもポイントです。ビタミンCを出すタイミングとしては少し遅いかなとも思ったのですが、出して見たらこの黄色が売り場でよく目立ち、とても売れました。期間限定で発売したのですが、売れ行きがよかったのですぐに定番化が決まりました。

商品は売れましたが、私も会社としても「今後もビタミンCブームは続くのか?」という疑問があったので、Brandwatchで分析したところ、投稿量の推移や投稿内容からまだまだ続きそうだという予想を立てられたので、その後もビタミンC配合の新商品をいくつか開発しました。営業からの「これいつまで売れるの?」にも答えやすくなりました。

齊藤氏:ロングセラーではありましたが低迷していたシリーズで、ジリジリと衰退期に入りかけていたところから復活の糸口をみつけられたのはよかったです。

小堺:Brandwatchを導入して、やりやすくなったことはありますか。

西村氏:クレンジングリサーチについては、トレンド性のある成分を取り入れる手法が成功したので、その後もレチノール配合の洗顔や炭・泥配合の黒い洗顔をローンチし、今は洗顔だけで7アイテムが出ています。他社がすでに同じ成分の商品を上市していると開発会議で「周回遅れでそれをやるの?」といった批判を受けることもありましたが、私の頭の中にはBrandwatchから導きだしたトレンドの流れみたいなものがあったので、売れる自信が多少なりともありましたし、結局は売れました。その後の開発会議では、先んじてBrandwatchの分析結果を出すようにしています。

小堺:なるほど。社内プレゼンの武器になっているわけですね。世の中に出す前に社内を通さないといけないわけで、根拠を出せと言われたときにBrandwatchでの分析データを見せることで、今まで通らなかったことが通るようなったということでしょうか。

齊藤氏:Brandwatchを導入してからは、数多くのデータを提示しながらプレゼンをするようになったので、企画に対して「本当に大丈夫なのか?」と言う経営陣がほぼいなくなりました。経営陣も独自の感性をもっています。これまではその感覚に合致しないと決裁が通らないことも多かったです。それが良い悪いということではなく、私たちも議論できるだけのデータ(根拠)を持っていなかったので、結局は感性と感性の戦いになっていました。

今はブランド全体のあり方については意見を出してくれますが、商品が本当に売れるのか問われるようなことはほとんどなくなりましたね。

小堺:マーケットの声、お客様の声の威力は絶大ということですね。

齊藤氏:以前は自分の企画を補強するために自己に都合のよいデータを活用することも少しありましたが、根拠としては弱いわけです。その点ソーシャルデータはお客様の声なので根拠として非常に強力です。

Brandwatch の評価と今後の展望

企画にデータを活かすことを日常化するには?

齊藤氏:たとえば事前調査ではこれはけっこう売れると思っていた商品が、市場に出してみたら思ったよりも奮わないということが最近ありました。その際には競合が実施している施策に対する投稿量と施策内容を見て、私たちはそれに対してどこまでやっているのかを比較したのです。以前は、「何か売れてないね。ダメだ」で終わりだったのが、しっかり振り返りできるようになり、次につなげられるようになった――これはとても重要なことだと思います。

小堺:データを見る感覚と声を拾う感覚が日常に根付き始めているわけですね。

齊藤氏企画書には必ず分析データを入れるというルールを作り、人事評価の項目にも入れました。仕組み化したわけです。本人が絶対おもしろいと思った企画でも、バックボーンになる数字を出すために調べたら「ちょっと違うな」と気づくこともあり、もう1度考え直すといったことが定着しています。

小堺:Brandwatchを商品開発に活かすプロセスが改めて理解できました。

ところで商品企画での定性調査と言うと、デプスインタビューが定番と思います。Brandwatchを導入したことによってデプスインタビューのあり方が変わった、あるいは不要になったといったことはありましたか。

齊藤氏:そもそもデプスインタビューとソーシャルデータ分析では顧客サンプルの取り方も違うので、お互い補完するものになると思います。

小堺:なるほど。武器が1つ増えたということですね。

失敗した商品を振り返るのは嫌だが、それが成長の糧になる

小堺:今後齊藤様や西村様の後継者を育成していくことも必要なのではと思います。そのためにどのようなことを考えておられますか。

西村氏過去にヒットした商品とそうではなかった商品を比較してみると、どんなに新規性や差別化ポイントがあっても、お客様のニーズとしっかり向き合えていなかったことが失敗の要因であることがほとんどです。要するに売れなかったものはニーズがなかったのです。こんなことはどのマーケティングの教科書にも書いてあるようなことですが、Brandwatchでソーシャルデータ活用し始めたこの1年半は、ニーズと向き合うことの大切さを今まで以上に強く実感しています。

私よりも若いメンバーは今からそれができるので、ソーシャルデータの活用を続けていればもっともっとニーズに寄り添った良い商品を自分のキャリアの中で生み出せるだろうなと思っています。ですからお客様のニーズと向き合うことを続けてほしいです。

齊藤氏:先ほど質問にあったデプスインタビューも含めて調査全般を経験することがまず大事だと思います。Brandwatchだけに頼ると、これも調べたほうがいいということを見落とすし、全体を見失うこともあると思います。ただBrandwatchを活用することで、メンバー全体が成長してきています。ソーシャルデータ分析自体の新しさもありますが、自分たちのやってきたことをしっかり振り返れることが大きいです。

当社は次々と商品を出せるところがあるので、そのぶん失敗も多いのです。その失敗の原因を「営業が売ってくれなかった」とか「販促費がかけられなかった」とか周りの要因のせいにしてしまうこともありますが、それを続けるだけでは自分ごととして振り返ることができません。売れなかった自分の商品をBrandwatchを活用して振り返ることで、成長につなげなければなりません。

新しい成分や新しい技術も大事ですが、それに溺れてしまうとお客様はなぜ欲しいのか、なぜ使いたいかが忘れがちになります。「なぜ」と合致しない商品は絶対売れないです。

小堺:やはりWhyが大切ですね。なぜお客様はそれを求めているのかが重要で、その素材を使いたいから買うわけではないということです。

齊藤氏:そうですね。Whyを分析できるのがBrandwatchの良いところです。

小堺:Whyをしっかり分析して、企画力を上げつつ、しっかり振り返りをして仮説の正しさを検証し、反省を繰り返すことでレベルアップしていく――そのことにBrandwatchは活用できるということでしょうか。

齊藤氏:そうですね。そもそも売れなかった商品を振り返るのは誰しも嫌です。だから誰かのせいにしたくなってしまいますが、それを止めてうまくいかなかった原因に向き合うことがやはり成長の糧になるのですね。

小堺:失敗したときに一度立ち止まって、「実はこういう間違いをしていた。それを繰り返さないように次回からはこうしよう」という成長につなげるための確認ツールにBrandwatchはなり得るということですね。

今日は良いお話をたくさん聞くことができました。お忙しい中、お二人とも本当にありがとうございました。

*文中に掲載されている会社名・商品名は、各社の商標または登録商標です。
*文中に掲載されている情報は、発表日現在の情報です。情報は予告なく変更される可能性がございます。

ライオン株式会社

  • 製造業
  • 商品開発
  • ブランド調査
  • マーケティング
  • 消費者の動向検知

ライオン株式会社

写真右から
ビジネス開発センター コンシューマーナレッジ マネジャー 米谷 紘 様
ビジネス開発センター コンシューマーナレッジ 松本 拓子 様
ビジネス開発センター コンシューマーナレッジ 清水 まりん 様
ビジネス開発センター コンシューマーナレッジ 黄 裕香 様

株式会社ブレインパッド
プロダクトビジネス本部 SNSインテリジェンス・ソリューション部 飯塚 有菜
ビジネス統括本部 マーケティングソリューション営業部 2グループ 楠 龍平

ライオン

事例のポイント

  •  日用品メーカーの ライオンが「お客様が次に何を求めているのか」先行情報を幅広く収集し、変化を敏感に感じとっていくために、Brandwatchを採用。
  •  「お客様の解決したい問題、実現したいコト」をより深く、速く理解するために、捉えられていないお客様の声を発見し、その背後にある真実を読み解くことで提案価値の仮説を導出し、発信。
  •  ソーシャルリスニング(SNS)では洗濯、掃除などの一般的なカテゴリの枠を超え、お客様の求めているコトを掴むために、Brandwatchの強みを活かした複数の分析軸の掛け合わせにより、お客様の真実に迫るアプローチ方法を導出。
  •  「(1)Brandwatchのプロであるブレインパッド様から分析の型を学ぶ」「(2)その後自分なりの工夫をそこに積み重ねて発展させる」「(3)自ら新しいアプローチ方法を生み出す」という3ステップで分析のナレッジを蓄積し、社内での活用を浸透化。

ライオン株式会社のご紹介

米谷氏:ビジネス開発センター コンシューマーナレッジの私たちのグループでは、お客様の生の声を広く集めることで日々の生活の理解を深め、お客様の解決したい問題、実現したいコトを発見し、新しい提案価値に繋げることをミッションとしています。デジタル化の進展により、日々の生活から生み出されるデータを有機的に活用し、関連部門のメンバーともディスカッションしながら、データの背後にある真実を読み解くことでお客様の理解を深めることが、我々の重要な役割と考えています。また、マーケティングに活用されるデータは、これまでリサーチ部門が扱ってきたデータと比較しても、データ量が格段に多くなってきています。そのため、人手の作業では難しいデータ間の関係性、構造を探索的に掴むことにAI(機械学習)も活用し、アナリスト×AIのハイブリッドな分析アプローチにも取り組んでいます。

ソーシャルリスニング(SNS)を実践する背景

米谷氏:お客様の変化が速い時代には、過去のデータだけではなく、お客様が次に何を求めているのか、先行情報を幅広く収集し、変化を敏感に感じとっていくことが大切ではないかと考えていました。社会の動きや生活のトレンドなどを自分の目で直に見ることや 、なるべく生の一次情報に触れ、そこから「仮説」を導き出すことが大事だと考えています。ソーシャルメディア(SNS)上でのお客様の声もそのなかの一つの大切な声(情報)と捉えています。

ソーシャルメディアには、自社の製品・サービスとは直接的には関わらない社会、生活などの多面的なお客様の声も多く集まります。「家事」「衛生・清潔」など、製品・サービス軸だけでなく、より広く新鮮な情報を多面的に収集し、傾聴(リスニング)することでお客様の解決したい問題、実現したいコトをより速く捉えていくことが課題でした。

 

ライオンがソーシャルリスニングツール「Brandwatch」を採用した理由

お客様の解決したい問題、実現したいコトを捉える分析

清水氏:製品軸でお客様の声や反応を捉えていく分析では、カテゴリや製品についてどのようなことを投稿しているお客様が多いのかを把握し、気になる個々の文脈を理解するというアプローチ方法で問題ありませんでした。しかし、例えば「洗濯」というキーワードで投稿を見ていくと、製品軸とは比較にならない情報量のお客様の声が抽出されます。そこから、気になる文脈を探索し、個々の文脈を確認していくには多くの時間と手間もかかります。そこで、事前の仮説を切り口に、コト軸の文脈を分析する軸(例:洗濯×雨など)をスピーディに作ることができ、お客様の悩みに深く切り込むことができる機能を有するツールが必要であると考えていました。

 

米谷氏:製品軸でお客様の声や反応を捉えていくことに加え、お客様の解決したい問題、実現したいコトをより速く捉えていく課題を抱えていたとき、2019年にマーケティング領域の展示会でブレインパッド様のブースに立ち寄り、Brandwatchを紹介いただきました。試用期間経て、Brandwatchを本導入することとなり、清水がBrandwatchの活用を主導することで、社内に浸透していくようになりました。

ソーシャルリスニングの分析スピードと質を高められる

新しいツールが浸透するきっかけと取組み

清水氏:私は入社後にコンシューマーナレッジの現在所属するグループに配属となり、今回の「お客様の解決したい問題、実現したいコトを発見するアプローチ手法の開発」が、自分が主担当となる初めてのプロジェクトでした。そのため「失敗を恐れずに、お客様が今何を求めているのかを理解するために、新しいツールをマスターして、これを自分の強みにしよう」と考え、プロジェクトに取り組んでいきました。Brandwatchを活用したリサーチやアナリティクスについて何も知らなかったので、Brandwatchのイロハを飯塚さん(ブレインパッド カスタマーサクセス部)に徹底的に教えてもらいながら、ツールの習熟度を高めていきました。

Brandwatchは、SNSデータ全体を俯瞰的に見て、そこから初期仮説を基に複数の軸をつくって、生活文脈を絞り込んでいくことがスピーディにできます。気になる文脈を個別に確認することで、データの裏にある深層心理を読み解き、お客様の理解をより深めることができると感じています。個々の生活文脈における問題や、お客様があきらめている課題を把握し、全体の定量的な傾向とも比較しながら分析をすることができる高いユーザビリティを備えているので、私たちのグループのミッションを実現していくためにとてもフィットしていました。

Brandwatchを活用した分析ナレッジの蓄積と活用浸透化

ステップを分けて活用をすすめ、ノウハウを蓄積

米谷氏:「お客様の解決したい問題、実現したいコトを発見するアプローチ手法の開発と展開」をするツールとしてのBrandwatchを定着化させるアプローチ方法として、大きく3ステップで進めていきました。

 

(1)Brandwatchのプロであるブレインパッド様から分析の基礎や型として普遍となるものを学ぶ (2)その後自分なりの工夫をそこに積み重ねて発展させる (3)自ら新しいアプローチ方法を生み出すという3つのステップです。現在は、担当する分野ごとにBrandwatchを活用して分析レポートを作成し、ブレインパッド様とのレビューとディスカッションをさせていただきながら、ツール活用の習熟度と分析の質を高めるための取組を行っています。これにより、ツール活用と分析のナレッジを組織的に蓄積していくようにしています。

Brandwatchを活用し生活文脈理解の解像度を上げる

清水氏:全体俯瞰と具体的な生活文脈を行き来しながら、お客様のいま抱える問題を見つけるための分析の型をブレインパッド様と協働的に考え、つくっていきました。

 

実は、ブレインパッド様から「週に何時間くらい分析する時間が取れますか?」と質問をいただき、「その時の状況にもよるが、少ないと週に1時間程度」と答えました。このようなユーザ企業の状況やニーズを真摯に聞いていただき、ブレインパッド様側で、事前に分析のためのデータクレンジング、アラートの設定、カテゴリの追加などをおこない、分析の時間が週に1時間であっても、分析レポートまでアウトプットすることが可能か、事前に緻密に試行、テストいただき、提供してくださっていることを知り、感銘を受けました。

例えば、「毎日の洗濯について今どんなお困りごとがあるかな」という情報を収集すると、家事としての洗濯ではない「心の洗濯」などのデータなども含まれてしまいます。家事としての洗濯という行為に関する投稿だけに絞るために、100個以上のカテゴリを作っています。その後、洗濯機の話題なのか、洗濯物の乾燥の話題なのか、洗濯物の取り込みの話題なのかなど、洗濯ひとつとっても、どのようなシーンでの悩みなのかを柔軟かつスピーディに分類することがブレインパッド様のご支援で可能になり、分析の質だけでなく、効率もより高めることができていると感じています。

米谷氏:我々のチームは、課題の設定⇒分析設計⇒データ加工・集計⇒分析⇒レポーティングと、カバーする業務範囲が広く、特にSNSのデータは分析する前のデータ加工・集計の負荷が大きいと感じています。しかし、そこを疎かにするとお客様の深層心理にも近づけない。必ずしも目に見えない工程かもしれませんが、このようなデータクレンジングについてもブレインパッド様には真摯にノウハウを提供いただき、分析のためのデータの精度を上げていただけました。

清水氏:Brandwatchの活用は、既存事業領域だけでなく、新規事業の種の探索へも活用を広げています。特に新規事業はリサーチに多くのコストをかけられず、かつ決まった分析の型がありません。そのため、多様なデータへの切り口を作ることができ分析の柔軟性が高く、内製での分析ができるBrandwatchは適していました。生活のなかで実現したいコト、深い悩みを捉え、単に「○○という悩みがあります」だけではなく、「その悩みはこのようなセグメントに同様に感じられていそうだ」というところまで、定量的に伝えることができてきています。このような分析結果を関連部門へレポーティングしていくなかで、「担当する市場・カテゴリにかかわる領域でお客様がいま抱えている悩みなどをより理解し ていきたい」という会話 が社内でも増えていると実感しています。

Brandwatchの具体的活用方法

一般的なカテゴリの枠を超え、お客様の求めているコトを掴む

黄氏:私が担当しているのは「掃除」のカテゴリです。私はよく「掃除」以外の他のカテゴリも見るのですが、どのような切り口、軸で生活文脈のデータを深掘りしていくのが有効かはカテゴリごとに違います。その中から自分なりに分析軸を組み合わせ、今は自己流の型がつくれてきていると感じています。自分なりの使い方ができるのがBrandwatchの面白いところだと思います。

例えば、「カビ」「臭い」などは掃除カテゴリで一般的なワードです。そこにライフステージを組み合わせてみると、生活シーンのなかでのそれぞれの悩みが見えてきます。同年代女性でも妊婦と子あり女性では悩みが違うことがありますし、他にも、そのときの分析の目的や事前に持つ仮説をもとに、季節性や情緒を掛け合わせることで、お客様がいま家事や掃除のシーンで抱えるインサイトや、未解決になっている問題を捉え、社内に発信・共有していくことに取り組んでいます。

まだ社内で捉えられていない、気がついていない「お客様が次に何を求めているのか」を発信できるのが私たちの価値だと思うので、お客様視点になりきりお客様の求めている真実を掴むことを常に意識して分析に取り組んでいます。

まだ捉えられていないお客様の声を発見し、データの背後にある真実を読み解く

松本氏:私が担当しているのは「衛生・清潔」のカテゴリです。分析を始めた当初はお客様が真に抱えている悩みや問題を発見していくことに苦労していました。しかしある時、「衛生・清潔領域の多くの生活文脈があるが、これをくまなく見続けた先に、新たな発見が本当にあるのだろうか」と疑問を持ちました。
そのときに、担当のブレインパッド楠さんに「本当に捉えるべきお客様の悩みが埋もれないように、すでに捉えている文脈をキーワードで特定し、分類しながら分析おこなう手法がある」と教えていただき、実践していきました。
相関性が低そうな言葉を一括で特定して、それ以外の文脈をさまざまな軸で分析することで、お客様の深層心理、本当に悩んでいそうなコトに近づけている 実感を持つようになりました。

「条件を工夫して必要なものを取り出す」のではなく、「グルーピングして既知のものを除外する」という発想はなかったので、教えていただいて頭の中も、自分自身がやるべきこともクリアになりました。

キーワード分析

松本氏:最近面白かったのは、普段身につけるものをキーワードにした分析です。身につけるものの衛生に対する感覚が変わってきていると感じたためです。例えば、「衛生」×「スマホ」「めがね」などのキーワードで分析をしたところ、意外にも「外出先から帰宅したときの新たな顧客体験」の仮説が見えてきました。キーワードの掛け合わせからこれまで捉えられていなかった生活導線の仮説を見つけることができ、とても興味深かったです。

実は半年くらい前にも「手指消毒疲れ」という感覚が生まれているのではないかという仮説が社内であがり、分析をしたことがあります。その結果、確かに手指消毒を行うことにお客様は疲れていそうだということは分かったのですが、それ以上深く仮説を検証することは出来ませんでした。
しかしBrandwatch導入後の分析のなかでは、「手指消毒には確かに疲れているが、物の消毒の意識が高まっている」という仮説の深堀をすることができ、データの背後にある真実を深く読み解くことに近づけていると実感しています。

Brandwatch の評価と今後の展望

松本氏:私も以前、 事業部門でマーケティング実務を担当していましたが、業務内容は多岐にわたるため、お客様が普段どのようなことを考えているかデータをじっくり見て考える時間を十分に持つことはそう簡単ではないと感じていました。そのため、私たちが報告する生活者のリアルな声のレポートは社内でも有用だという声をいただけています。

清水氏:現在は生活者の今の悩みや、解決したいコトをメインで分析していますが、少し先の「未来の生活者の悩み」を捉えるにはどうしたら良いのかを考えています。
定量、定性の両アプローチを掛け合わせ、少し先の未来を捉えるような分析アプローチができたらと思っています。

黄氏:事業部門とも連携して、本取り組みと連動した成功事例を一つでも多く作っていきたいと考えています。捉えたお客様の悩みを実際に製品、サービスを通じて解決していくことにつなげていくことができて、初めて本当の意味での成果だと思うので、ここは拘って今後も取り組んでいきたいと考えています。

松本氏:今後社内のより多くの部門にお客様が今、そして次に何を求めているのかを発信、共有していきたいと考えています。製品に関する反応だけを見ていても見えてこないものがBrandwatchを活用した本取組みで発見できてきていると感じています。これが起点になってお客様への新しい価値提案に繋がり、それがお客様の生活にこのように寄与した、という成果が見えるよう、取組みを拡大していきたいです。

米谷氏:ライオンのパーパスである「より良い習慣づくりで、人々の毎日に貢献する(ReDesign)」を実践していくために、変化する社会課題に対応しながら、「お客様が次に何を求めているのか」を深く理解し、楽しく、前向きなより良い習慣を提案していくことに、本取組を通じて貢献していきたいと考えています。

掲載日:2023年3月3日
*文中に掲載されている会社名・商品名は、各社の商標または登録商標です。
*文中に掲載されている情報は、発表日現在の情報です。情報は予告なく変更される可能性がございます。

株式会社CyberZ

  • 情報通信業
  • ブランド調査
  • コンテンツ戦略
  • マーケティング
  • 消費者の動向検知




CyberZ AC事業部 戦略プランニング室


写真右から
マネージャー:高山 拓也氏
プランナー:和田夢菜氏

CyberZ

事例のポイント

  • スマートフォン向けの広告代理事業を展開するCyberZが、SNS分析(ソーシャルリスニングツール)にBrandwatchを採用。
  • 「受注・提案活動」「マーケティング・プロモーション効果測定」「ターゲット分析」「競合分析」など、クライアントワークの全般にBrandwatchをフル活用。
  • Brandwatchを活用したSNS分析(ソーシャルリスニング)は、コンペティションでの勝利や、クライアントとの信頼感の醸成、継続契約の受注など、CyberZの事業展開に大きく貢献している。
  • Twitterの全量データを対象に、様々な軸で調査や分析ができるBrandwatchは、CyberZのクライアントワークに欠かすことができないツールと高山拓也氏・和田夢菜氏は高く評価する。

株式会社CyberZのご紹介

高山氏:CyberZは、スマートフォンに特化した広告マーケティング会社として2009年に設立されました。
スマートフォン広告における企画立案・運用・効果検証を主な業務としていますが、これにテレビCMや交通広告、Webサイト制作、オフラインのイベント企画など各種施策を絡めることで、クライアントのニーズに応える幅広いマーケティング活動を展開しています。

このスマートフォン広告代理事業のほかに、国内最大級のeスポーツ大会「RAGE」を運営するeスポーツ事業、動画配信プラットフォーム「OPENREC.tv」を運営するメディア事業を展開しています。
ミッションである「スマートフォン市場の新しい価値を創り出し、可能性を広げていく。」を実現するため、様々な事業展開を行っています。

 

CyberZ社が抱えていた課題

高山氏: 以前に活用していたSNS分析(ソーシャルリスニングツール)は「ツイートの全量が収集できない」「調査対象期間が数週間に限定される」など仕様上の制限があり、正確な調査ができませんでした。今やデジタル広告の世界では、獲得効率、クリック単価などは正確な数値を算出することが当たり前になっています。
Twitter上の施策でも同じレベルの振り返りが求められますが、以前はその要望に応えることができませんでした。こうした背景から、新たなSNS分析(ソーシャルリスニングツール)の導入を検討することになりました。

CyberZがBrandwatchを採用した理由

和田氏:国内企業が開発する2つのツールと、Brandwatchの3つが候補にあがりましたが、最終的に以下の理由でBrandwatchの採用を決めました。

 

 

 

 

 

Brandwatchを採用した理由(1):Twitterの全量データにアクセスできる

和田氏:選定当時、BrandwatchだけがTwitterの全量データにアクセスすることができました。
先ほど高山が申し上げたように、クライアントの要望は年々高くなってきていて、効果検証は全量データを対象にするのが当たり前になっています。Brandwatchだけが私たちのニーズに応えることができました。

Brandwatchを採用した理由(2):Twitterのオフィシャルパートナー

和田氏:業務を通じてBrandwatchが、Twitterのオフィシャルパートナープログラムのメンバーであること知りました。
このメンバーであれば、Twitterの過去データとリアルタイムの両方で、すべてのデータ製品に無制限にアクセスすることができます。年々高くなるクライアントの要望に応える為に信頼できるソーシャルインサイトが得られると確信することができました。
 

 

 

Brandwatch導入のために行った社内調整

和田氏: Brandwatchの導入予算を確保するため、社内の決裁者向けにBrandwatchの必要性を訴えるプレゼンテーション資料を作成しました。

内容は「競合の広告代理店はすでにSNS分析(ソーシャルリスニングツール)を導入している」、「クライアントは詳細な成果報告に加えて正確な数値を伴った振り返りを求めている」、「社内からもソーシャルデータを深く掘り下げられるSNS分析(ソーシャルリスニングツール)を求める声が上がっている」といった状況を報告するものでした。結論として「SNS分析を行わないことによるリスク・機会損失」を強く訴えるものになりました。

Brandwatchで具体的にどのような分析ができるかについては、ブレインパッドから提供していただいたサンプルデータと手厚いサポートが非常に役に立ちました。この資料が決め手となり、「ここまでの分析ができるのなら、投資費用はすぐに回収できる」とBrandwatchの価値が理解され、正式な導入が決まりました。

Brandwatchの具体的活用方法

高山氏:スマートフォン広告代理事業における、クライアントワークのほぼ全般──「1:受注・提案活動」「2:マーケティング・プロモーション効果測定」「3:ターゲット分析」「4:競合分析」──でBrandwatchを活用しています。具体的な活用方法をご紹介します。

活用方法(1):受注・提案活動

高山氏:Brandwatchはマーケティング・プロモーションやキャンペーンの振り返りのために導入しましたが、利用するにつれて、受注に向けた提案活動にも有効であることがわかりました。

ある自動車関連サービス会社の広告企画コンペに参加した時のことです。クライアントから「自動車所有者が毎年支払う“自動車税”を顧客獲得のフックにしたい」との要望が寄せられました。

そこで私たちは、過去5年分の自動車税に関するツイートをBrandwatchで収集し分析しました。自動車税に関するツイートが盛り上がるタイミングや、ツイートの中身を分析したところ、毎年一定の傾向が見られました。
そこで、「“自動車税”に紐付いて市場が動くタイミングを利用する企画を実施することで、非常に高い効果が期待できる」という提案を、分析データを示しながら行いました。
提案内容だけではなく、Brandwatchによる分析が評価され、見事コンペを勝ち抜くことができました。

クライアントの専門領域・テーマであっても、ソーシャルリスニングで定量的に深い考察を加えたデータを提示すると、新たな気づきや発見が得られるようです。「この人たちは私たち業界のことをよくわかっている」という信頼の醸成に繋がりますし、私たちの提案内容にも説得力がプラスされます。受注に向けた提案活動において、ソーシャルリスニングは欠かすことができないプロセスと言えます。

活用方法(2):マーケティング・プロモーション効果測定

和田氏:あるゲームアプリを提供するクライアントの案件では、約1年にわたりTwitter、Webサイト、アプリ内キャンペーンなどで様々な施策を行いました。これらプロモーション施策の振り返りをBrandwatchで行いクライアントにレポートしました。(図1)

Twitter公式アカウントのインプレッションとフォロワー数の推移を可視化しました。(図2)

振り返りを行った結果、キャンペーンによって、インプレッションが伸びるもの、フォロワー数が伸びるもの、関連ワードを含むツイートが伸びるものなど、表れる効果が全然違うことがわかりました。

「意外に反響が良かった」となんとなく感覚で理解していたキャンペーンも、どのような効果がどれぐらい得られたのか、正確な定量データで成果を把握すると発見が得られます。効果的な振り返りを行ったことで、取り組みの成果や課題をクライアントと共有することができ、次の提案が受け入れられる下地を作ることができました。

活用方法(3):ターゲット分析

和田氏:別の案件では、クライアントの公式アカウントをフォローしているユーザーの分析も行いました。このゲームアプリを支持する人はどんな人なのか、ゲーム以外にはどんなことに興味があるのか、こういった情報を次のキャンペーン企画に活かそうと考えたのです。

具体的には、公式アカウントのフォロワーのBIO(自己紹介欄)情報をBrandwatchで抜き出し、そこに頻出する単語をワードクラウドにまとめて報告しました。私のクライアントワーク業務においてお客様も知りえていない情報を提供する事はとても重要です。その為にターゲット分析にも利用しています。

SNSデータからターゲット分析を行うことで、自社のサービス・商品を利用しているユーザーの姿や、サービス・商品の何が顧客に支持されているのかをより正確に把握することができます。場合によっては、想定と大きくずれていることもあると思います。その際にユーザーの生の声を頼りにマーケティングの軌道修正がスピーディーにできるのはSNS分析のメリットだと思います。

活用方法(4):競合分析

和田氏:Brandwatchは、競合他社のTwitterアカウントや、そのアカウントをフォローするユーザーのツイートも全量データから分析できるので、競合分析に非常に有効です。「競合A社が好調な理由を知りたい」「競合B社の顧客を自社に転換させたい」という理由で競合調査を当社に依頼されるケースもあります。

ある調査案件では、新規フォロワー獲得に悩むクライアントから、ベンチマークする競合他社がどのような方法でフォロワーを増やしているかを調査してほしいと依頼を受けました。

競合他社のTwitterアカウントを調査した結果、競合他社が実施するキャンペーン関連の会話量(ツイート量)の増加にともない、競合他社アカウントの新規インプレッションも明確に増加していることがわかりました。その後さらに分析を進め、「競合他社の成功要因は、会話量が1万以上に到達しているTwitter上のキャンペーンにある」という仮説を立てました。

分析したデータや仮説を基に、クライアントには「新規ユーザー獲得に向けて、“会話量=1万以上”をKPIとするTwitterキャンペーンを実施しましょう」という提案を行いました。競合他社のデータ分析に基づくこの提案は驚きを持って受け入れられ、新たな契約をいただけることになりました。

 

Brandwatchへの評価

高山氏:Brandwatchに関してとても驚いたのは処理の「速さ」です。私は大学時代にデータベースの研究を行っていたので、「Twitterの全量データにクエリ検索をかけて対象データを呼び出す」と聞いただけで、処理が返ってくるまでにある程度時間を要するだろうな、と考えていました。しかし実際に処理を実行してみると、思わず「速っ!」と声が出るほどのスピードで結果が返ってきました。

処理スピードだけでなく、各機能のレベルも非常に高いので、「こんな調査がしたい」と思うことはほぼ全て実現できるとツールだと思います。

和田氏:Brandwatchをひと言で評価すると「楽しい!」ですね。Twitterの全量データを対象にいろいろな軸で調査や分析ができて、しかもその結果がもの凄いスピードで出力されるので、マーケターにとっては扱っていて楽しいツールと言えます。

ユーザーの生の声が膨大に詰まっているTwitterを含むソーシャルデータはまさに宝の山だと思います。せっかくのデータを活用しないままマーケティングを行うことは本当にもったいないですし、危険と言ってもいいと思います。使えば使うほど、いろいろな活用アイデアが出てくるツールなので、データを扱うマーケターにはとてもお薦めできるツールだと思います。

掲載日:2021年4月1日
*文中に掲載されている会社名・商品名は、各社の商標または登録商標です。
*文中に掲載されている情報は、発表日現在の情報です。情報は予告なく変更される可能性がございます。
 
 

 

 

ManpowerGroup

  • 総合人材サービス
  • ブランド調査
  • コンテンツ戦略
  • マーケティング

ManpowerGroup

1948年に創業し、米国に本拠を置く世界大手の人材派遣会社です。世界80ヵ国に2,900のオフィスを持ち、ワールドワイドに展開しています。
人材サービス世界3強の一角であり、ニューヨーク証券取引所にも上場しています。

事例のポイント

■デジタル・ソーシャルメディア担当グローバルディレクターは、ソーシャルメディアを使用し革新的な会社にすることを目標としていた

■ブランド認知度を高めるために、ソーシャルメディアの価値を教育することが必要だと考えていた

■ステークホルダー間で競争を煽り、ManpowerGroupの認知度を高めるよう促した

ManpowerGroup社が抱えていた課題

Radi Jaarsma氏がManpowerGroupのデジタル・ソーシャルメディア担当グローバルディレクターに就任して以来、彼の目標は1つでした。それは、デジタルに精通し、ソーシャルメディアの使用において革新的な会社にすることでした。

そのためには、シニア・リーダーシップを活用し、ビジネスの性質上、ブランド認知度を高めるためにソーシャルメディアの価値を教育することが一つの方法であると考えていました。
 

 

 

課題解決のために行った施策

Brandwatchを使用して、グローバルソーシャルチームは、ソーシャルプレゼンスリーダーボードを作成しました。

リーダーボードの目的は、ManpowerGroupの認知度を高めることにあります。
四半期ごとに送られ、会社の主要なステークホルダーの間で競争を煽り、彼らが自身のソーシャルネットワークに投稿し、関与し、盛り上げることが目的でした。

結果

ManpowerGroupの知名度とブランド認知度が向上しました。

ソーシャルメディアの重要性やリーダーシップの支持を構築することができました。

 

まとめ

■Brandwatchを活用し、会社の主要なステークホルダーのSNS投稿における影響力を数値化し、リーダーボードを作成した

■ステークホルダー間で競争を煽ることで彼らのSNS投稿を促し、ManpowerGroupの知名度とブランド認知度向上を促進させた

■ステークホルダーも巻き込むことで、ソーシャルメディアの重要性やリーダーシップを構築することができた
 
 

 

 

Bimbo

  • 総合人材サービス
  • ブランド調査
  • マーケティング
  • 消費者の動向検知

Bimbo

Grupo Bimboは1945年にメキシコで設立され、今日では世界で最も愛されているベーカリー製品会社の一つであり、最高レベルのブランド認知度と生産量を誇っています。メキシコ、ラテンアメリカ、アメリカでは、誰もが認める業界のリーダーです。
アメリカ、アジア、ヨーロッパの22カ国で事業を展開しており、10,000種類以上の製品と100以上のブランドを有しています。


事例のポイント

■50年以上愛されてきた主力製品のケーキに関する投稿をBrandwatchで追跡。
その結果、投稿数が減少していたことがわかった
■1957年以来オリジナルレシピを変えずに愛されてきたケーキだったため、
メキシコでは新フレーバーの特別版ケーキは受け入れられないと思っていた
■ソーシャルメディアで消費者の声を分析したところ、メキシコでも新フレーバーの販売を要求していることがわかり、
メキシコでも展開することを決定。キャンペーンを実施し、売上・ネガティブトレンド共に回復

Bimbo社が抱えていた課題

BimboとVector B

Vector Bは、Bimbo社の専属広告代理店です。

Vector Bは、Bimbo社のマーケティングマネージャーであり、このエージェンシーの採用を担当したRicardo Ibarra氏の言葉を借りれば、「使い古された伝統的なモデル」を打破し、現代のブランドのニーズに応えることを目的として誕生しました。

Vector Bのエージェンシーは、プランニング、クリエイティブ、メディアなど、ビジネスにおける複数の分野にまたがって活動しています。チーム内の専門家は、さまざまなキャンペーンで協力し合い、全体的なアプローチを提供しています。彼らの成功の鍵は、デジタルがキャンペーンの一分野にとどまらず、すべての業務の基礎となっていることです。

Brandwatch AnalyticsとViziaプラットフォームは、エージェンシーのパフォーマンスにおいて重要な役割を果たしています。ソーシャルデータは、以下の分野をカバーするチーム全体で利用・共有されています。

The Lab

Viziaプラットフォームで消費者の声を聞き、視覚化することで、戦略をひらめき、キャンペーンを監視し、ブランドのデジタルレピュテーションを管理します。

  • プランニング:ブランド、デジタル、オフラインのコミュニケーション戦略を立案します。その後、ラボで収集したデータをもとに、チームが企画、統合、提言や洞察を行います。
  • ソーシャルメディア:12名からなるこのチームは、プランニングチームからの戦略とインサイトに基づいてコンテンツを作成します。
  • クリエイティブ:ソーシャルメディアチームと協力して、クリエイティブなアイデアを生み出します。
  • アカウント:クライアントからの情報を収集し、分析し、洗練させて、何が関連しているかを抽出し、どのようにクリエイティブな戦略やキャンペーンを展開するかを考えます。


 

“Viziaプラットフォームが取り組むべき課題の一つは、複雑な情報を消化しやすいものに変えて、ブランドコミュニケーションとビジネスの両方に影響を与えることです。”

PATRICIA MEDINA. HEAD OF STRATEGIC PLANNING, VECTOR B

 

ネガティブトレンド

Gansitoはメキシコで人気のあるケーキで、Bimbo社の消費者に50年以上も愛されています。最近のIPSOS調査では、「Gansito」の認知度は90%*となっており、メキシコ国民の90%がこの商品を知り、親しんでいることがわかります。( *Tracking IPSOS, Q4 2015 )

 

Gansitoの人気が高いため、Gansitoの商業的パフォーマンスが低下すると、Bimboが所有するMarinelaのケーキのカテゴリー全体に大きな影響を与えるインパクトがあります。

Vector Bは、Brandwatch AnalyticsとViziaプラットフォームを使って、Bimboとそのブランドに関するすべてのオンライン・メンションを追跡しました。2015年5月、チームはGansitoのメンションがボリュームの減少を示し始めたことを確認しました。

様々なチームの努力にもかかわらず、このネガティブの傾向を大きく覆すことはできず、5ヶ月後の2015年10月には、Gansito製品の投稿は通常の月平均を下回っていました。


 

 

 

課題解決のために行った施策

投稿をオポチュニティへ

Brandwatchのソーシャルインテリジェンスのおかげで、2015年10月、Vector BはBrandwatch Viziaプラットフォームを通じて、ますます魅力的なソーシャルメディア上の会話を発見しました。

米国では、Marinela(Bimboブランド)が「Gansito Red Velvet」という、レッドベルベット風味のケーキの特別版を発売していました。1957年の誕生以来、オリジナルのレシピを変えずに愛されてきたケーキだけに、マリネラはメキシコで同様のことをしようとは考えませんでした。

Marinelaは、メキシコ市場ではGansitoの変更は受け入れられないと考えていたが、それは間違いでした。

Gansitoのレッドベルベットケーキ発売のニュースがメキシコに伝わると、激怒した消費者がソーシャルメディアで新フレーバーの販売を要求しました。あまりの反響の大きさに、メキシコでは「Gansito Red Velvet」がトレンドになるほどでした。

Vector Bのチームは、このブランドにビジネスチャンスを見出し、Bimbo社にこのケーキをメキシコに持ち込むことを提案しました。

 

キャンペーンの課題と目的

Gansito Red Velvetのケースは、ソーシャルメディアから得られたインサイトと貴重なデータに基づいて、ソーシャルインテリジェンスがビジネス上の意思決定に影響を与えた完璧な例です。

メキシコにGansito Red Velvetを導入することが決定した後、Bimbo社の課題は、この需要を予測していなかった新製品を、いかに低予算で市場に投入するかでした。

最初のステップは、後にBimbo社がキャンペーンのROIを正確に測定できるようにするためのKPIを定義することでした。

 

ビジネス目標:

  • Red Velvetの発売により、Gansitoの売上を7%増加させる。
  • テスト市場で12週間以内に製品の80%以上を販売すること 

 

コミュニケーション目標: :

  • 「Gansito Red Velvet」の購買意欲を喚起すること。設定された目標が達成されれば、ここ数ヶ月のネガティブトレンドが逆転し、「Gansito」ブランドが回復することになります。

 

キャンペーンのポイント

メキシコでケーキを発売するためのマーケティングキャンペーンは、3つの柱で構成されていました。

  • プロモーションティーザー 
  • FacebookとTwitterのコンテンツ 
  • 主要なインフルエンサーとのコラボレーション 

新製品の発売は3つのフェーズに分けて行われました。これは、「Gansito Red Velvet cake」が生産されてメキシコに運ばれるまでの間、Bimbo社に余裕を持たせるためです。

 

  1. ティザーコンテンツ-「近日発売」。2015年10月~2016年1月)。新製品の需要を喚起するために、プロモーション用のティーザーを使用しました。この段階では、Brandwatch・Analyticsが特定した、フォロワーの間で大きな関連性と影響力を持つブランドのキーユーザーであるインフルエンサーと協力しました。
  2. ローンチ – 「look out for」。2016年2月と2016年3月)。当初、新製品「Gansito」は厳選されたテスト市場でのみ販売されました。製品が販売されていないこれらの場所で、ジオローカリゼーションとアクティベーションが使用されました。
  3. アドボカシー – “share it”: 2016年2月、3月、4月)。ソーシャルメディア上で、「Gansito Red Velvet」を試して興奮している消費者によるオーガニックな会話を利用して、コンテンツを生成し、視聴者の間で会話を広げました。

 

Gansito Red Velvetの発売によるビジネスの成果

レッドベルベットの発売によりGansitoの売上を7%増加させることに成功しました。 

メキシコシティとグアダラハラの2カ所のみで販売し、コミュニケーションへの投資も限定的だったが、12%の増量を達成し、ネガティブトレンドを逆転して、合計58万ドル以上の売上を達成しました*。(*出典:Bimbo MX Bimbo MX) 

テストマーケットで定められている12週間で80%以上を販売しました。

想定より4週間早く、わずか8週間で完売しました。

Gansito Red Velvetの購入意思の発動

キャンペーン期間中、「Gansito Red Velvet」は口コミの目標を2倍にすることができました。Brandwatchが収集した11,146件の投稿は、「Gansito」ブランドに関する会話全体の18.4%に相当します。

*出典:ブランドウォッチ ブランドウォッチ。2016年10月~2月

この数字は、同じカテゴリーで発売された別の製品と比較すると、さらに大きな意味を持ちます。Gansito Red Velvetは、その他の製品の方により多くの資金を投じたにもかかわらず、オンラインでのメンション数が競合他社の製品に比べて約10倍に達しました。また、Bimbo社のポートフォリオの中でも特に定評のあるブランドと比較しても、その会話量は顕著です。

結論

マーケティングキャンペーン、製品発表、イベントの測定では、到達した人数、エンゲージメント、生成されたリード、キャンペーンの収益への影響などを報告します。しかし、キャンペーンの測定で最も重要なのは、収集した知識を使ってマーケティング活動を反復し、最適化することです。Brandwatch Viziaプラットフォームを使えば、チーム全体でインサイトを把握し、作成したオポチュニティにリアルタイムで対応することができます。

“Bimbo社では、ビジネスレベルとコミュニケーションレベルの両方で、Brandwatchをイノベーションパートナーとして引き続き協力していきます。””
RICARDO IBARRA. MARKETING MANAGER,

まとめ

■Brandwatchを活用し消費者の声を分析したところ、当初の想定とは違い新フレーバーのケーキを求めていることがわかった

■戦略的にキャンペーンのKPIを定め、インフルエンサーとも協力することで売上改善。想定より4週間早いわずか8週間で完売した

■ソーシャルメディア上のネガティブトレンドも回復し、ケーキに関するSNS投稿量も目標の2倍を達成
 
 

 

 

Comic Relief

  • 募金・援助団体
  • コンテンツ戦略
  • マーケティング
  • 消費者の動向検知

Comic Relief

事例のポイント

■募金キャンペーンを行っていたが、ソーシャルメディア上のエンゲージメントを高めるためのデータを十分に持っていなかった
■ソーシャルメディア上で何人のユーザーがキャンペーンに直接参加しているかを把握するため、Brandwatchを活用
■キャンペーン中にソーシャルデータを活用し、募金活動のインパクトを最大限に高めるためデータを収集。鍵となるインフルエンサーも特定

Comic Relief様のご紹介

Comic Relief(コミックリリーフ)は、1985年にエチオピアの基金を救うために設立された英国の慈善事業団体です。
3月にレッド・ノーズ・デイ(赤鼻の日)と呼ばれるイベントがあり、参加者・募金車がピエロのような赤い付け鼻を身に着けます。
また、2年に1回「Sport Relief」という姉妹プロジェクトをレッド・ノーズ・デイと交互に開催しています。
アメリカ、オーストラリア、ドイツ、ロシア、フィンランド、アイスランド、ベルギーなど他国でも同様の慈善キャンペーンが行われています。
comicrelief.com

Comic Relief社の背景

1985年に設立されたComic Reliefは、英国の主要な募金・助成団体で、エンターテイメントの力を利用して長期的な変化をもたらす活動を行っています。Comic Reliefのビジョンは「貧困のない公正な世界」です。
このビジョンを実現するために、英国および世界の最貧地域の貧しい人々、不利な立場にある人々、弱い立場にある人々が、自らの生活をより良いものに変えられるよう支援しています。

英国のウェブサイトから米国のウェブサイトへの適切なユーザー・ジャーニーを実現するために、米国を拠点とするオーディエンスに関するインサイトを引き出しました。

  • 30年前に設立された組織にソーシャル・インテリジェンスを導入
  • Comic Reliefの23の異なるキャンペーンを総合的にソーシャル分析することが可能になった。

2ヶ月間で200万件のソーシャルメディア・メンションを分析しました。

Comic Relief社の目標

Comic Relief は、英国に拠点を置く主要な慈善団体です。エンターテインメントの力でポジティブな変化をもたらすことを使命としています。
1985年にComic Reliefを立ち上げて以来、この英国の慈善団体は3つの主要な目標を掲げてきました。

  • 主に2つの大きな募金キャンペーンを通じて、何百万ポンドもの資金を集める。レッド・ノーズ・デイ」と「スポーツ・リリーフ」という2つの大きな募金キャンペーンで数百万ポンドを集める
  • 集められた資金を、英国および世界の貧困や社会的不公正の根本原因に対処するために使う。
  • ブランドの力と影響力を利用して、最大の効果が期待できる問題への関心を高める。

レッドノーズデイは、英国の風物詩となっています。2年に1度開催されるこのイベントは、BBCで英国全土の800万人以上が視聴するテレビの夜で最高潮に達し、コメディーやエンターテイメントで国民に寛大な寄付を促すものです。

2015年のレッド・ノーズ・デイでは、同団体が30年前に開始して以来、募金活動で集めた総額が10億ポンドを突破しました。
同団体は、キャンペーンに参加した影響力のある著名人がリーチやセンチメントに与える影響や、それらの指標が様々なキャンペーンを通してどのように異なるのかを理解したいと考えていました。

Comic Relief社が抱えていた課題

「レッド・ノーズ・デイ2015」のキャンペーン戦略を立案するにあたり、Comic Reliefは、さまざまな活動を行っていることは認識していましたが、ソーシャルメディアの視聴者に積極的な募金活動を促したり、ソーシャルメディアでのキャンペーンへのエンゲージメントを全体的に高めたりするための戦術を開発するのに役立つデータの種類については、限られた見解しか持っていませんでした。
Comic Reliefは、ソーシャルメディアでの存在感を高めたいと考えていましたが、各キャンペーンのインパクトとリーチの測定を容易にするプラットフォームを必要としていました。

しかし、ソーシャルメディアの視聴者に積極的な募金活動を促したり、キャンペーンへの全体的な関与を高めたりするための戦術を開発するのに役立つデータの種類については、限定的な見解しか持っていませんでした。
Comic Reliefが抱えていた課題は、ソーシャルメディア上で何人のユーザーがキャンペーンに直接参加しているかを把握できないことでした。
つまり、ソーシャル・エンゲージメントが募金活動につながっているかどうかを判断する信頼できる方法がなかったのです。

ソリューション

Brandwatch Analyticsを導入する前、Comic Reliefは、ソーシャル・チャンネルに投稿したコンテンツのパフォーマンスを測定するために、TwitterとFacebookのネイティブ分析に依存していました。
Brandwatchは、最もエンゲージメントを獲得したコンテンツを理解する機会をComic Reliefに与え、さらに重要なこととして、エンゲージメントを獲得したオーディエンスが自分のチャンネルでネットワークとどのような会話をしているかを理解する機会を与えました。

“我々が最も関心を持っている測定基準に合わせてレポートを作成することができました。”
Krystle Lampshire, Digital Marketing, Comic Relief.

 

 

 

課題解決のために行った施策

ソーシャルデータをキャンペーン企画の最前線に

キャンペーンの前、中、後にソーシャルデータを利用することで、Comic Reliefは活動のインパクトを最大限に高めるための貴重な指標を得ることができました。

大西洋を渡ったRed Nose Day

2015年に初めて米国でレッド・ノーズ・デイを開催したComic Reliefにとって、米国の熱心な視聴者を特定することは非常に重要でした。
Brandwatchの人口統計学的洞察は、Comic Reliefがどの視聴者が米国を拠点としているかを明らかにし、オンライン・ユーザー・ジャーニーを再構築して、米国の視聴者をRed Nose Day USAのウェブサイトに誘導するのに役立ちました。

“キャンペーンの成功により、Brandwatchは今後も使い続けることができる貴重なツールとなりました。このプラットフォームから得られる価値の種類は、まだ表面を削ったに過ぎないと感じています。”
Krystle Lampshire, Digital Marketing, Comic Relief.

“歴史的にもリアルタイムにも豊富なデータが得られるので、分析の深さに限界はありませんでした。キャンペーンのパフォーマンスをこれほどまでに把握できたのは初めてです。
Krystle Lampshire, Digital Marketing, Comic Relief.

キーとなるインフルエンサーの活動を特定する

Red Nose Dayの準備期間中、Brandwatch Analyticsのオーサー機能は、特定のインフルエンサーが国際的な会話の膨大なスパイクを引き起こしていることを明確に示していました。

このインフルエンサーは、ポップバンド「ワン・ダイレクション」として知られており、Comic Reliefが米国から大量の会話を生み出すのに貢献しました。
Comic Reliefは、この活動を利用して、米国のオーディエンスを英国のウェブサイトからRed Nose Day USAのウェブサイトに誘導し、関連する地域での資金調達とエンゲージメントの可能性を最適化する機会を得ました。

キャンペーンの中心となるソーシャル

Brandwatch Analyticsで得られた実証データは、キャンペーン期間中、日次、週次、アドホックのレポートに注入されました。
これらの貴重な指標は、意思決定の最前線で活用され、主要なステークホルダーがプロジェクトやサブキャンペーンのソーシャルメディアに関連する特定のデータにアクセスできるようになりました。
最終的にComic Reliefは、ソーシャルメディアを活用したキャンペーンを計画する上で、より統一されたアプローチをとることができるようになりました。

未来

Brandwatch Analyticsで得られたデータにより、Comic Reliefはソーシャルシフトをより深く理解し、短いキャンペーン期間中にペースの速いチャネルでの機会を最大限に活用することができました。
Comic Reliefは、オンラインオーディエンスをよりよく理解し、キャンペーンからのコンバージョンを促進するために、より効果的なメッセージングを開発し、オーディエンスが最も情熱を持っている会話をすべてリアルタイムで促進することができるようになりました。

まとめ

■Brandwatchを導入し、最もエンゲージメントを獲得したコンテンツが何か、ユーザーがどのように話題にしているかが理解できるようになった
■Brandwatchの機能を活用したところ、特定のインフルエンサーがキャンペーンに大きく貢献していることがわかり、米国での資金調達とエンゲージメントを最適化するチャンスを得ることができた。
■ソーシャルデータのオーディエンスを理解したことで、キャンペーンからの募金活動を促進するためにどう伝えればよいかがわかり、より効果的に拡散させることができるようになった
 
 

 

 

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VICE

  • コンテンツ制作・配信
  • コンテンツ戦略
  • マーケティング
  • 消費者の動向検知

VICE

事例のポイント

■米国で成功しているTVチャンネル、「VICELAND」を英国でも提供開始するにあたり、文化も傾向も異なるため調査を必要としていた
■Brandwatchを使ってTwitterのデータを利用し、ユーザーがどのようにテレビを見ているのかを調査・把握
■VICE視聴者もミレニアル世代も好むコンテンツがわかり、特定の時間に放送される番組に話題を集めるという戦略を決定することができた

 

VICEのご紹介

VICEは、世界有数の若者向けメディア企業であり、コンテンツ制作スタジオです。
1994年に設立されたVICEは、現在30カ国以上で事業を展開し、デジタル、リニア、モバイル、映画、ソーシャルで視聴者に番組を配信しています。VICEは、デジタルチャンネルの国際的なネットワーク、HBOとの週刊および日刊のニュース番組の提携、テレビおよび長編映画の制作スタジオ、雑誌、レコードレーベル、社内のクリエイティブサービスエージェンシー、そして新たに立ち上げたテレビネットワーク「VICELAND」などの事業を展開しています。

VICELANDについて

VICELANDは、世界的な若者向けブランドであるVICE Mediaが所有・運営する国際的なテレビネットワークです。
アカデミー賞を受賞した脚本家/監督のスパイク・ジョーンズの指揮のもと、2016年2月に米国とカナダでスタートしたこのチャンネルは、その後、2016年から2017年にかけて新たに51の地域で放送を開始する予定であることが確認されています。

現在までに、VICELANDチャンネルは、米国、カナダ、英国、アイルランド、フランス、オーストラリア、ニュージーランド、インドネシアで放送されています。VICELANDのネットワークは、リニアとデジタルの両方のプラットフォームに広がっており、自社で制作した高品質のオリジナル番組に加えて、世界各地で委託制作した番組も制作しています。

VICELANDでは、すべてのものに存在理由があり、強い視点があります。エミー賞にノミネートされたこともあるVICELANDは、音楽、食べ物、ニュース、テクノロジー、性、ファッションなど、国際的な視点から若者向けの文化的に適切なコンテンツを提供することで高い評価を得ています。VICELANDの現在の番組には、「Gaycation with Ellen Page」、「Black Market with Michael K. Williams」、「Fuck That’s Delicious with Action Bronson」、「Woman with Gloria Steinem」、「Eddie Huang’s Huang’s World」などがあります。

VICEが抱えていた課題

VICEとBrandwatch

2016年3月に米国で開始した「VICELAND TV」の成功を受けて、VICEは英国とアイルランドでSkyと提携して「VICELAND TV」チャンネルを開始することを発表しました。
2016年9月のローンチに先立ち、VICEは、ミレニアル世代のコアオーディエンスがどのようにテレビを視聴し、テレビ番組のコンテンツに関わっているのかをより深く理解しようとしていました。

VICEはBrandwatchと協力し、ソーシャルデータを活用して、年初めに米国で開始したチャンネルに対する反応を調査・評価しました。この調査結果は、英国での放送開始に向けたマーケティングプランのトーンやコンテンツに反映され、編集戦略に影響を与える可能性があり、コマーシャルチームが広告主との会話に活用することもできます。

VICEには確立された編集戦略がありますが、新しいテレビチャンネルを立ち上げることは、常に異なった提案になります。現在の視聴者はどのようにテレビに接しているのか?生放送を見るのか、それともVOD(ビデオ・オン・デマンド)を見るのか?VICEのオーディエンスはデュアルスクリーン(複数の画面を表示)の習慣があるのか?どのような番組を見ているのか?これらは、VICEが抱いている質問のほんの一部です。

VICEの主な目的のひとつは、視聴者がテレビを見ているときにオンラインでどのように交流しているかを知ることでした。特定の時間帯に最も反響のある番組はあるのか?VICEは、視聴者の声を聞くことで、スケジューリングに影響を与えるようなデータを得ることができるだろうか?これらの全ての調査結果は、チャンネルの立ち上げ全体に影響を与える可能性がありました。

VICEはTwitterのデータを利用することで、ユーザーがどのようにテレビを見ているのか、まずはライブで見ているのか、それともVODサービスを利用しているのかを把握することができます。VICEにとってTwitterは、テレビと一緒に機能するプラットフォームであるため、最初のデータソースとなりました。VICEは、この調査プロジェクトをTwitterで行うためには、強力なソーシャルインテリジェンスプラットフォームの支援が必要だと考えました。VICEは、この調査のためにBrandwatchに依頼しました。
 

 

 

課題解決のために行った施策

リサーチの方法論

Brandwatchは、ソーシャルデータにアクセスして分析するための非常に強力なプラットフォームを持っているだけでなく、専門のアナリストチームがオーダーメイドのリサーチを行い、洞察に満ちたレポートを提供しています。Brandwatchのリサーチサービスチームは、VICEと協力して、主要な目的を満たす概要を作成しました。このアプローチにより、VICEは最も合理的で実用的なレポートを得ることができました。レポートに必要なデータは以下の通りです。

調査期間
2016年6月1日~5月31日

市場/言語
イギリスとアメリカでの投稿とエンゲージメントを比較。

Brandwatch Audiencesを使用してオーサーパネルを作成し、クエリも作成してセグメント化しました。

  • ミレニアル世代を自認する英国の投稿者(例:「as a millennial I feel…」)、年齢に言及する投稿者(例:「It’s my 19 birthday」)、またはミレニアル世代の個人に共通するライフイベントを記述する投稿者(例:「Studying at university….」)。
  • 分析期間中にVICEのコンテンツや記事を共有した英国と米国のオーサーのリスト。
  • VICELANDとそのプログラムに関わる米国のオーサー 
  • 比較のための一般的な英国のオーサー。

既存のオーディエンスとミレニアル世代のターゲットの会話の類似点や相違点があれば、マーケティングやコンテンツ戦略の策定に役立つ実用的なインサイトとなり、編集されるコンテンツの一部となる可能性があります。

結果

VICE UKの読者のプロファイリング

レポートの結果、VICE UKの読者には以下のような特徴があることがわかりました。

  • 男性で、ミレニアル世代(25-34歳)の上の方の層に属している。
  • 時事問題や、本、美術、テクノロジーなどの文化的な趣味に興味がある。
  • ミレニアル世代に比べて、ソフトウェアやジャーナリズムの分野で働く傾向が強い。
  • 「ミレニアル世代の中でも男性である可能性が高い」というプロフィールは、VICE独自の社内ペルソナと比較しても非常に正確なものだった。

この調査は、私たちの社内のインサイトやトラフィックデータと効果的に正確に一致し、レポートのトーンを決定づけました。

VICELANDの潜在的な視聴者像

レポートの結果、VICELANDの視聴者には以下のような特徴があることがわかりました

  • 男性の比率が高い。
  • クリエイティブな仕事をしている人が多い。
  • VICEのコア読者と比較して、知的と思われる趣味への関心が低く、音楽、スポーツ、健康、フィットネス、ゲームなどのトピックに関心がある。
  • 英国のVICELANDの読者は、米国のVICELANDの読者よりも学生である可能性が高い。

VICEにとって、オーサー・デモグラフィック(一般人口、ミレニアル世代、VICE読者)がどのようにテレビ視聴を選択しているかを理解することは重要でした。
しかし、VICEの読者は、ミレニアル世代や一般人口に比べて、リアリティ番組について語ることが少なく、ドラマ番組について語ることが多いという結果になりました。
これにより、VICEは、特定の時間に放送される特定の番組を中心に話題を集めることに重点を置いた戦略をとることができました。

VICEが確立されたオーディエンスを探索できる主要チャンネルを特定

VICEは、3つの視聴者グループの中で、最も頻繁に議論されているテレビ番組とチャンネルをBrandwatchで特定することができました。
例えば、チャンネル4の「Gogglebox」は、ミレニアル世代とVICE読者の両方において、一般人口よりも高い指数を示しており、これらの視聴者が「VICELAND」の潜在的かつ将来的な視聴者である可能性を示唆しています。
チャンネル別では、VICEの読者はComedy CentralとDaveに最も関心を持っていることが明らかになりました。

この2つのグラフは、3つの視聴者グループで最も話題になったテレビ番組とチャンネルの内訳を示しています。全体の会話数が少ない番組は、それぞれの図でグレーになっています。
全体的に、テレビ番組やチャンネルに対する声の割合は、ミレニアル世代が一般視聴者とVICE読者の中間に位置する傾向にあります。

記憶に残るハッシュタグ

ハッシュタグは、オンラインでの会話を促進する上で、最も重要な要素の一つです。VICEのレポートでは、テレビ番組の会話の中で自然に発生する最大のトピックを特定することができました。
例えば、CBB(Celebrity Big Brother)やMOTD(Match of the Day)のように、短くて覚えやすいハッシュタグをつけることで、会話がまとまり、視聴者同士の交流が促進されることが、3つのグループで明らかになりました。
このレポート以降、VICEは、「King of the Road」や「#KOTR」など、番組に同様のハッシュタグを導入しています。

上記のトピッククラウドは、テレビ番組の会話のリツイートの中で、一般の人々、ミレニアル世代、VICEの読者にとって自然に発生する最大のトピックを反映しています。

Share of Voice

VICELANDは、イギリスでのチャンネル開設前に、アメリカで6ヶ月以上放送していました。
VICEはBrandwatchを使用することで、すでに確立された視聴者から、特に英国内で放送される番組についてユーザーがどのように言及し、議論しているかを知ることができました。
その結果、Ellen Pageが出演する「Gaycation」が最も議論されている番組であることが明らかになり、VICEはこの番組に編集の焦点を当てることができました。

上の図は、VICELANDの番組に関する会話の内訳を、チャンネル開設の前後で示したものです。VICELANDの話題のうち、チャンネルの番組に関する話題が含まれている割合は約57%でした。

人気ホストの活用

アメリカでのVICELANDの会話を分析したところ、番組ホストが膨大な量の投稿に影響を与えていることがわかりました。
また、全体的な量のピークは番組の後に来ることがわかりました。エレン・ペイジ、マイケル・K・ウィリアムズ、アクション・ブロンソンは、重要なインフルエンサーの一人です。

上の図は、最も話題になっている番組ホストに関する会話が、調査期間中にどのようにピークを迎えたかを示しています。

結果と反響

リサーチレポートでは、全体的にVICEの視聴者分析が洞察されています。VICELANDの潜在的な視聴者に対する主な調査結果と全体的なターゲティング戦略の概要は以下の通りです。

  • VICELAND USではホストのTwitterが会話の重要な原動力となっていたため、Twitterを活用し、ホストとコラボレーションを行う。
  • VICELANDの潜在的な視聴者がより関心を持つ分野は、音楽、スポーツ、ゲーム、フィットネス。
  • 英国のVICE読者を、米国での発売時よりもさらにターゲットにして、高い関心を持つオーディエンスのより高い割合を獲得する。このチャンネルのコンテンツを、より知的で文化的な番組に限定することで、VICEのコアな視聴者を遠ざけないようにする。軽快な番組のコンテンツを共有する場合は、「guilty pleasure (やめられない楽しみ)」などのフレーズを使用することを検討する
  • アメリカよりもイギリスの方が潜在的な視聴者が多いので、あまり知的ではない、シリアスな番組については、ツイッターでVICEに興味のある学生をターゲットにすることを検討する。

ソーシャルリスニングは伝統的にVICEのマーケティング部門で使用されてきましたが、今回のレポートで得られた知見はVICEとVICELANDの編集チームと上級管理職の間で共有されました。
これは、ソーシャルデータがいかに関連性を持ち、促進され、組織全体で共有される価値があるかを示しています。

まとめ

■Brandwatchで一般大衆・ミレニアル世代・VICE視聴者の3グループを分析し、好まれるコンテンツが何かがわかった

■番組ホストのTwitterが重要な原動力となっていたことがわかり、人気ホストとコラボレーションすることを決定した

■英国のターゲットがより高い関心を持つチャンネルが何かを分析し、より知的で文化的な番組に限定することでVICEのコアな視聴者も囲い込むようにした
 
 

 

 

ROYAL CANIN

  • 製造業
  • 卸売・小売・流通業
  • マーケティング
  • 消費者の動向検知

ROYAL CANIN

事例のポイント

■Royal Caninのマーケティングチームは、飼い主はペットの品種それぞれに合う栄養と健康を意識して商品を購入していると想定していた
■品種によって購入するフードを変えている、という仮説が正しいかを調査して解明する必要があると感じていた
■Brandwatchを使って投稿を分析したところ、購入決定に関する仮説は再考する必要があるとわかった

 

ROYAL CANINのご紹介

Royal Canin(ロイヤルカナン)はフランス南部・エマルグに本社があり、世界中でドッグフードとキャットフードを製造し販売しています。また、犬や猫の品種や症状に対する栄養素に関する研究も行っています。
1968年にフランスの獣医師ジャン・カタリーによって創業されました。犬用の食品「イエロースープ」を誕生させ、これがロイヤルカナンの始まりとされています。2001年にマースが本社を買収し、現在はマースの完全子会社となっています。

ROYAL CANINが抱えていた課題

目的

Royal Caninのマーケティングおよび広告戦略は、飼い主はペットの品種に合う栄養と健康を意識し購入していると想定していました。 Royal Caninのデジタル推進部は、この購入決定に関する仮説について調査し解明する必要があると感じていました。
 

 

 

課題解決のために行った施策

解決策

まず、犬/猫の固有品種に対しての栄養と健康についての投稿を分析しました。
※Royal CaninとBrandwatchの契約には、四半期ごとのSpotlightレポートが含まれています。

結果

固有品種に対する栄養についての投稿が4%しかなかったことから、ペットの飼い主が固有品種の必要栄養素に基づいて購入決定を下すという仮説は再度考える必要がありそうです。
また、この分析では消費者は、固有品種の必要栄養素に特化した商品だけではなく、より安価な普通の製品を試したいと考えていることもわかりました。この結果は、Royal Caninは認識していなかったため、非常に実用的なデータでした。
これらの分析結果や他の分析結果から、Royal Caninは顧客に寄り添ったマーケティングおよび広告を打ち出すことを可能にしました。

 

まとめ

■Brandwatchを活用することで、デジタル推進部が立てていた仮説と飼い主が求めているものが違うことがわかった

■固有品種に必要な栄養についての投稿は4%と少なく、それよりもより安価な製品を試したいという新しいニーズを発見することができた

■Royal Caninが認識していなかったニーズを発掘できたことで、顧客に寄り添ったマーケティングを展開することができた
 
 

 

 

Argos(Argos Ltd )

  • 卸売・小売・流通業
  • マーケティング
  • 消費者の動向検知

Argos(Argos Ltd )

事例のポイント

■定量分析はしていたが、ソーシャルデータを使った定性分析については積極的に活用していなかった
■バレンタインデー前後の投稿を分析したところ、「自分へのご褒美」需要があることがBrandwatchによって発掘
■ギフトページへ「自分へのご褒美」カテゴリを新設したところ売上が増加し、ROIを達成

 

Argosのご紹介

Argos Ltd は1972年11月に設立されたカタログ小売業者です。ギリシャの都市Argosにちなんで名付けられました。
イギリス国内で最大の店舗型リテイラーの1つで、イギリスやアイルランドを中心に店舗とオンラインでカタログ販売をしています。 中国にもフランチャイズしています。
取り扱う製品も、電化製品、子供用品、美容用品、ジュエリー、スポーツ用品、家具と多種類に渡り販売しています。

Argosが抱えていた課題

キャンペーンを実施した背景

Argosは定量的分析方法は確立していましたが、新しいデータソースの定性分析についてはまだ積極的に活用していませんでした。
しかし、ArgosのInsightsチームではBrandwatchアカウントを所有しており、ツールを監視として利用するだけでなくソーシャル分析の暫定的な活用を行っていました。
BrandwatchのCSMと定期的なミーティングを設けていましたが、分析データ利用したアクション実行が出来ずに悩んでいました。
 

 

 

課題解決のために行った施策

バレンタインデーのランディングページ最適化

Brandwatchを活用し、新しいアプローチを組み込んだプロジェクトを開始しました。
バレンタインデーの前後に小売業に関連した投稿を分析したところ、シングルの方が「自分へのご褒美」としてイベントをお祝いしたいと投稿していることがわかりました。

このことから、Argosは「自分を祝う日としてのバレンタインデー需要」を認識し、アクションをとることにしました。 バレンタインデーのサイトページに‘treat yourself’(自分へのご褒美) のカテゴリーを追加したのです。

プロジェクト実施結果

追加から数日以内に6番目にクリックされるページになり、 £2500 の売り上げになりました。
Argosのチームは、このプロジェクトによりソーシャルリスニングを用いた初めてのROIを達成することが出来ました。

まとめ

■Brandwatchを活用することにより、バレンタインデーにおける「自分へのご褒美需要」を発見できた

■ランディングページを改修し、導線を作ることで新たな顧客層の売上を作ることができた

■ソーシャルリスニングを用いて分析からアクション、効果検証を行うことでROIを達成することができた
 
 

 

 

Betfred

  • サービス業
  • ブランド調査
  • マーケティング
  • 消費者の動向検知

Betfred

事例のポイント

■ブランディング向上のためSNSキャンペーンに多額の投資をしているが、費用対効果を測定できていないという課題があった。
■ユーザーの不満が「ブッキング(賭け)をしたいのに商品がない」ことだったため、ハッシュタグをつけてツイートすることでブッキングできるキャンペーンを実施
リアルとデジタルを結び付けた画期的なキャンペーンのソーシャルメディア上の反応を的確に把握するためのBrandwatchの活用事例

 

Betfredのご紹介

Betfredは1967に設立されたイギリスに拠点を置くブックメーカーです。 2004年の売上高は35億ポンドを超え、2003年の5億5000万ポンドから増加しました。競馬、ラグビーリーグ、ビリヤード等を支援しています。 Betfredでは幅広いジャンルでブッキングをすることができますが、主に、競馬、サッカー、ロト、その他スポーツにブッキング出来ます。

※ブックメーカーとは?
英国では既に文化となっており、上場企業も多数あります。
ブックメーカーでは世界中のテニスやサッカー、バスケットボールなどのスポーツ、政治、経済を始めとした多くの人が関心を持つ話題だけでなく、イギリス王室に次に誕生するのは男の子か女の子か、名前は何になるのかといったことまで対象に賭けを行っています。参加者は自分が興味のあるトピックを選んで投票するだけ、予想した結果が当たっていれば勝ちで賞金を手にすることができます。

Betfredが抱えていた課題

キャンペーンを実施した背景

Betfredは、数あるブランドの中でもユーザーに愛されるブランドを目指しています。
より観客に愛されるよう、今シーズンでは特に「企業価値や便利性が際立つブランド」として認識されるようにキャンペーンを実施しました。
多額の投資を行いキャンペーンを実施したので、その達成度を測定し費用対効果を可視化する必要がありました。

Brandwatchを活用した理由

Betfredはプレミアリーグシーズンに向けて、広告、ラジオ、印刷物、テレビ、ソーシャルなどの広告に多額の投資を行いました。8月と9月にかけて40,000ポンドがソーシャルメディア広告に投資されました。
ユーザーが一番不便に思っていることは、ブッキングをしたくてもその商品の選択肢が無い事です。そこで投資の大部分を使って、#PICKYOURPUNT というキャンペーンを実施しました。

このキャンペーンでは、新規・既存両方のユーザーを対象としました。
利用者は、予想している試合結果の内容とその希望価格を記載してTwitterの@Betfred宛てに#PickYourPunt のハッシュタグをつけてツイートします。 その後、そのブッキング上には、利用者がツイートした結果とその確率が記載された選択項目が追加されます。
そのため、利用者は自身が思い描く結果にブッキングすることが出来るのです。

しかしながら、William Hill & Sky Bet等の主要なブランドも同じキャンペーンを実施していました。そのため、第三者のサポートが必要でした。Betfredはこのキャンペーンの効果を向上するためにインフルエンサー発掘をBrandwatchで分析しました。
 

 

 

課題解決のために行った施策

投稿数の競合比較

Brandwatchを利用してキャンペーンに対する投稿数の競合比較を実施しました。
投稿数だけではなく、投稿内容、チャネル毎の分析、リーチ数、シェア数、いいね数、最も影響のある投稿等も確認しました。結果がこちらのグラフです。
紫色のラインがBetfredのキャンペーン#を含む投稿です。競合ブランドと比較すると投稿量が少ないことがわかります。このことから、現時点では多額を投資したキャンペーンは成功していないことがわかりました。

インフルエンサー発掘

Betfredは、Brandwatchを用いてキャンペーン効果測定を行いました。分析結果より、増進させるにはチャネル毎で影響力の高いユーザーの拡散力が必要なことがわかり、分析後からキャンペーン終了までインフルエンサー分析も併せて実施しました。

キャンペーン実施チームのBrandwatch活用

Betfredは、ソーシャルメディア上の投資額やそのプラン・実施内容を検討するマーケティングチームに、決定要素としてBrandwatchの分析結果を活用できるようにしました。
実施中はキャンペーンのモニタリングも行っており、自社や競合のキャンペーンで盛り上がった投稿を分析しています。

Brandwatchの分析データはキャンペーン効果測定や、Betfred未利用ユーザー・競合他社のユーザーがBetfredのキャンペーンに接触したかを把握するために使用されています。

まとめ

■Brandwatchを活用することにより、キャンペーン実施中でも効果測定がリアルタイムにでき、早期に手を打つことができた

■Brandwatchのインフルエンサー分析で影響力の高いユーザーを発掘

■ソーシャルメディアキャンペーンを実施するチームでは、様々な施策を行うための決定要素としてBrandwatchを活用している
 
 

 

 

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