事例

株式会社カカクコム

  • インターネットコンテンツ事業
  • UGCの収集
  • ブランド調査
  • コンテンツ戦略
  • 消費者の動向検知




株式会社カカクコム

カスタマーサービス部 部長 友常 宏一 様
同 カスタマーサービス部 マネージャー 小坂 淳 様



業種:インターネットコンテンツ事業
利用用途:自社サービスに対するユーザーの声の収集

カカクコム

事例のポイント

  • ユーザー本位を徹底する企業風土のカカクコムが、ユーザーの声をリアルタイムかつスピーディーに社内共有するためには、Brandwatchが必要不可欠だった。
  • SNSで寄せられるユーザーの声を取りこぼす事はサービス改善への機会損失に繋がる。
  • Brandwatchを活用したカスタマーサービス部の日々の取り組みが、ユーザーが安心して利用できるサイト作りに活かされている。
  • Brandwatchのダッシュボードの操作性やカスタマイズ性により、SNSデータ分析の効率化が促進された。
  • ユーザー本位の徹底にむけて分析範囲を広げた際にも、テンプレートが用意されている。

株式会社カカクコムのご紹介

友常氏:カカクコムはWebメディアを展開している企業で、「価格.com」と「食べログ」の2つが大きな事業の柱です。ユーザー数は、価格.comが6,421万人、食べログが1億392万人(2021年6月実績)。また、求人情報の一括検索サイト「求人ボックス」や不動産住宅情報サイト「スマイティ」、ライフスタイルメディア「キナリノ」など、幅広い分野でいろいろなサイトを運営しています。

“ユーザー本位”という言葉を会社のポリシーとしていますが、言葉を掲げるだけではなく従業員全員が、ユーザー本位を意識するという企業風土が根付いています。私の所属するカスタマーサービス部はいわゆる顧客対応の部署で、お客様の声を社内にフィードバックして、ユーザー本位を実現するのがミッションです。

小坂氏:各サイトのユーザー様からのお問い合わせやご指摘を受け、担当部署で確認してもらった方がいいものは都度共有しています。フォームからのお問い合わせだけでなく、SNSで話題になっている投稿も同じように担当部署へ共有します。

カカクコム社が抱えていた課題

小坂氏:かなり前の話ですが、弊社がSNSモニタリングに取り組むきっかけとなったことがありました。

ある食材への異物混入が発覚した際、その商品が価格.comに掲載されていたので、急遽その情報を削除することになりました。

その他にも似たような例があり、それらを経て「購買支援サイトとして消費者が安心してお買い物できるように、情報収集を強化しよう」という声が社内で上がりました。

ただ、弊社は当時すでに複数のサイトを運営しており、それぞれ異なるビジネス領域の情報を提供していました。そのため、各提供分野に関わる膨大な情報をいかに効率よくキャッチするかが大きな課題となりました。ツール導入以前は、すべて人力による検索で情報をチェックしていましたが、どうしてもタイムラグが発生し、我々が把握しきれないサイトで掲載されたものは見落としがちでした。
そのため、多岐にわたる情報をなるべくリアルタイムで正しく把握したい、というのが最初の課題となったのです。当時「何か被害を受けた人はTwitterでつぶやくのでは」という気づきがあったため、2013年にあるSNSモニタリングツールを導入しました。ただこのツールは便利だった一方、見られるデータの量に制限があるという課題がありました。
 

 

 

カカクコムがBrandwatchを採用した理由

Brandwatchを採用した理由①:お客様の声を可能な限り1つも取りこぼさない

小坂氏:Brandwatchは、2018年末頃に契約し、2019年1月から使い始めました。以前のツールはTwitter社から中間企業を介してデータ供給を受けていました。契約当初は全量のデータを取れていたのですが、あるタイミングから全量データにアクセスできなくなりました。ツール提供元へは相談・交渉を続けたのですが、解決には至りませんでした。

このため、ツールのリプレイスを検討する上で「Twitterの全量データにアクセスできる」かつ「Twitter社から直接データを受け取っている」というのが重要な要件でした。全量データにこだわったのは、“ユーザー本位”のサービスを提供するためには、お客様の声(VOC)を可能な限り1つも取りこぼさないことが大事だと考えているからです。SNSもお客様の声が寄せられるひとつの経路であり、メールなどと同様に重要だと考えています。

Brandwatchを採用した理由②:チェックする業務時間が20%程度削減でき、必要な情報も素早く手に入る

小坂氏:前のツールでは、クエリを設定してデータが入ってくるまで待って、それからダッシュボードに反映させていました。このため、データ反映の待ち時間が発生していました。しかし、Brandwatchではクエリを設定すればほぼ待つことなく情報を抽出できるので、見たい情報を確認できるようになるまでの時間が20%程度削減できました。

また、我々は投稿量の変化だけでなく個別の投稿内容をすべて目視で確認しています。気になったものがあればそれを深掘りしていくのですが、Brandwatchのダッシュボードでは1画面から数クリックでオリジナルの投稿までたどり着けます。コピペも不要なので、詳細の確認もとてもスムーズです。

Brandwatchを採用した理由③:カスタマイズ可能なダッシュボードと操作性

小坂氏:限られた人員でSNS投稿のチェックを行っている為、それらを見やすくカスタマイズできるダッシュボードの機能も非常に重要となります。

Brandwatchでは確認したい項目に合わせたコンポーネント(用途別分析機能)をダッシュボード内に自由に配置できるため、用途に合わせたカスタマイズが容易です。ダッシュボードの設定をコピーしテンプレートとして複製できる点も、設定作業の手間を大幅に軽減してくれています。新しいメディアへの対応力も高く、取り組みに即したテンプレートが豊富に用意されているのはありがたかったです。

Brandwatchの具体的活用方法

Step1:見るべき指標を整える

小坂氏:ユーザーの声をリアルタイムかつ1つも取りこぼさず、社内にフィードバックするための業務フロー構築にBrandwatchは不可欠なものとなっています。
活用方法としては、まず自社サービスと関連した話題を定量的なデータ量として把握するため投稿数の量の変化をグラフ化し、自社に関連する急激なクチコミ数の増加などがないかを定期的にチェックしています。

また、先ほどご説明したとおり自社サービスに関連する投稿は全て目視で確認します。意図しないトラブルなどを素早くキャッチして、担当部署に速やかに共有するためです。確認する投稿数は一日に1,000から2,000弱になり、業務時間外の投稿も翌朝チェックしています。情報を抽出するキーワードは、サイト名やサービス名のほか、自社サイトのURLをメンションに含む投稿も抽出して、どのような話題に自社のサービスが関連付けられているかを確認しています。

少ない人数で正確に、できるだけ短時間で情報収集するにはどうすればいいか、試行錯誤を重ね、Brandwatchのダッシュボードで実現しています。

Step2:クエリ外のトレンドを適時確認

小坂氏:以前から、消費者の方は購入したいものについて他者に説明する時に、「これなんだけど……」と弊社のURLを添付して共有することが多いと気がついていました。サイト全体がデータベースのような使われ方をしているため、それらを確認するだけでも社会的に話題になっていることを拾うことが出来ます。

一例として、2020年末にとあるゲーム機器が市場で非常に品薄になり、偽物の販売や、注文を受けたのにも関わらず商品を発送しないという詐欺が多発している旨の報道がなされました。今年(2021年)の夏にも別のゲーム機器で同じ状況が発生しており、我々はこの件でゲーム機器の名称が本文に入っているツイートを日次でチェックする事で、詐欺サイトがどの程度の広がりを見せているかの情報収集に努めました。

Step3:複数メディアの一元チェック

小坂氏:投稿量が多いのはTwitterですが、他にもInstagram、ブログ、フォーラム(=掲示板)など、同じクエリで監視できるメディアはすべて横断的に確認しています。メディアごとのピーク状況を個別に把握するために全て同一のダッシュボードで管理していますが、気になった投稿は時間帯別グラフから2クリックで詳細の確認ができるため、少ない作業工数で対応できています。

また、メディア別の投稿をチェックしていると、各サイトがどのメディアと親和性が高いのかが分かるようになりました。例えば、価格.comはTwitterと親和性が高く、キナリノやicottoはInstagramが強い事が定量的に分かります。Brandwatchは、親和性の高いSNSを把握して反応を見るのにも良いツールだなと感じています。

Step4:素早く、正確に要因を特定

小坂氏:投稿数のグラフにピークが発生していたら、何が話題になっているのかを特定します。しかし、オリジナルの投稿を目視で確認していると、最後まで見終わらなければ何が話題の中心になっているのか分かりません。短時間に大量の投稿があると、どれが何件投稿されていたか覚えているのも大変です。

しかしBrandwatchのダッシュボードからワードクラウド表示に切り替えると、どのワードが最も多く言及されているか簡単に特定できます。何かトラブルが起きているのかと思い確認してみると、キャンペーンのリツイートで増えているだけだったと分かって安心できることもありますし、非常にありがたい機能です。

素早く正確に特定の情報にたどり着けるので、気になる投稿があればそのまま担当部署に共有し、確認してもらうという作業を日々行っています。また原則としてカスタマーサービス部では情報を加工することがありません。“ユーザー本位”を徹底して対応するためには、事実をそのまま伝えることが大事だからです。

情報を担当部署に共有したあとは、どのような対応を行うのか該当部署でそれぞれ判断し、必要に応じて対応を行います。例えば「この記事の内容は間違っているのでは」「このUIが使いにくい」というツイートを見つけることもあるので、そういった場合は担当部署にそのまま共有し、その部署で必要と判断したら、すみやかに修正を行えるよう対応しています。
全社員が“ユーザー本位”を念頭に業務を行っているので、各部署でもユーザーのためにできることを迷わずやるというのが、弊社の企業風土なのです。

Step5:他部署からの分析相談にも素早く対応できる

小坂氏:数は多くありませんが、日々の業務の積み重ねを通じて他の部署から「こういうデータが欲しいのだけれど、取れる?」と相談されることもあります。そういう時は、自分たちが日頃確認しているものとは違うデータの収集が必要なのでダッシュボードのアレンジが必要になりますが、それもBrandwatchであれば短時間で可能です。

友常氏:日々の業務として注目すべき投稿を各部署に即時共有していますが、それとは別にサマリーも月次レポートとして共有しています。こちらは投稿の推移やピークの要因分析が分かりやすくまとまっており、メディアとしての戦略立案に活かせる資料になっています。

Brandwatch への評価と今後の活用方法・展望

小坂氏:Brandwatch関連の業務は、基本的には朝、昼、夕方の退社前に確認します。朝は前日終業後の投稿分があるので1時間から1時間半くらいかかりますが、昼と夕方は30分くらいというのが普通です。

業務を担当するチームのメンバーは3名で全員がBrandwatchを見る事が出来るようになっていますが、通常業務としてチェックしているのは1名です。少ない人数で正しくやっていくにはどうしたらいいかと、試行錯誤する中でたどりついたのが、Brandwatchです。

クエリのチューニングなどテクニカルな部分で専門知識が不足していれば、ブレインパッドのサポート担当の方が助けてくれます。きちんとした深掘りや分析ができるように、汎用的なダッシュボードのひな形も作っていただきました。また、分析範囲を広げてユーザーの購買軸で分析したいと思った時に新規でダッシュボードを作るのは大変な作業ですが、それらも汎用のテンプレートを提供していただいたので非常に助かりました。

要望としては、Brandwatchは元々が海外ツールのため英語のヘルプサイトが存在します。ブレインパッドのサイトにも日本語化された内容が掲載されていますが、すべてではありません。英語版のヘルプを読んでいて新しい使い方に気がつくこともあるので、ヘルプの日本語化が進むと活用もさらに広がると思います。

Brandwatchを活用することで、現時点で可能な限り精緻で網羅的な情報を取得できるようになり、多様な情報がタイムリーに必要という課題の解消につながっていると感じています。

友常氏:ユーザーの声を集める上で「たった1件だけのご意見ツイートよりも、サンプル数の多い市場調査の結果の方が信用できる」という意見もあるかもしれませんが、我々は市場調査の結果もツイート1件も、本質的に同じ「ユーザーの意見」だと思っています。我々はインターネットサイトを運営していて、そのサイトを使っているユーザーさんがつぶやいた。それは、とても大切な1件です。それが全員の意見や多数の意見でないことは分かっていますが、それでも「ユーザーの声に丁寧に耳を傾ける」という事を大切にしているのです。

 

掲載日:2021年10月29日
*文中に掲載されている会社名・商品名は、各社の商標または登録商標です。
*文中に掲載されている情報は、発表日現在の情報です。情報は予告なく変更される可能性がございます。
 
 

 

 

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