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【後編】「Ploom X」で実装した機械学習のマーケティング活用事例~BrainPad DX Conference 2022~実践セミナー_対談

公開日
2022.04.11
更新日
2024.10.15
本記事の登場人物
  • YUKI YASUDA
    データサイエンティスト
    安田 佑喜
    YUKI YASUDA
    会社
    株式会社ブレインパッド
    所属
    アナリティクスコンサルティングユニット
    役職
    マネジャー
    鉄道・航空、アパレル業界などでは需要予測案件を担当。 またWEB、エンタメ業界などではマーケティング施策策定のためのデータ分析業務なども実施。 現在はデータ分析組織においてデータ利活用推進のための伴走支援を行っている。

Ploom Xにおける変革のその先

兵藤 今作った仕組み自体を「今後どう変えていきたいか」「こういうこともやりたい」といった点をお聞かせください。

阪口氏 仕組みの高度化という意味では、Ploom Xという商品が7月にローンチされた後、「Ploom X CLUB」と名付けた新しいロイヤリティプログラムを開設しました。溜まってきているデータを新しく投入していき、モデルの精度を高めていく必要があります。ここは、ブレインパッドにやっていただいている点ですね。

また、モデルではじき出された結果とその過程の分析から得られる「パターンの違い」を増やしていきたいと思っています。モデルから得られた違いについては、担当者で閉じずに、「フィードバックをどのようにマーケティング部全体にしていくのか」といった仕組み作りも行い、進化させていく予定です。

新たな仕組みの面では、これまではユーザーの状態を定義したような形式になっていました。しかし、今後は「離脱の状態や顧客の興味・趣味趣向」といった点にフォーカスしていきます。

これまでよりもう一歩進め、お客様のカスタマージャーニー全体から「どのタイミングで何をどういった形で伝えるのが良いのか」といったところに機械学習を使い、より高度に分析していきたいと思います。

その部分がつながれば、デジタル上での最高の体験を届けられるため、なるべく「コミュニケーション自体を科学できる」ようなことを行いたいと考えております。

兵藤 おっしゃる通りで、現在は「顧客の離脱やファンになるという話にフォーカス」している部分はありますよね。全体的に見て、「そもそもお客様がどうやって訪れるのか」といった認知の部分と「どのようにして会員になるのか」という部分はもっとデータを活用できるかと思っています。

例えば、お客様の心理からすれば、「まずは1回試してみる」といったコミュニケーションのポイントは複数ありますよね。そこに対して「こういうふうにやったらいいよ」といった話は、まだ今は道半ばであるため、これからご支援させていただきたいです。

阪口氏 今回作成いただいたモデルの活用に関しては、もっと幅広いアプローチをモデルから作ることができると思っています。幅広いアプローチや特定の方法に関しては、これから改善していく必要がありますね。

兵藤 今回作ったモデルは、「確率を示す」という意図だけではなく、「結果に対する原因の考察ができる」といった話をぜひディスカッションしたいと思っています。

今の仕組みに関しては、「違和感がある」「もっとこういう風に改善できる」といった意見を吸い上げられるといいかなと考えています。


ブレインパッドへの期待

兵藤 最後の質問になりますが、ブレインパッドとの今後のパートナーシップについて、お話を伺いたいと思います。

一緒に長くプロジェクトに取り組んでいることに加え、今回の新商品の取り組みにもご一緒させていただきました。日本たばこ産業から見てブレインパッドの存在について、今どのように思っていらっしゃるのか、今後こういうことが行いたいといった話もあれば、教えていただけないでしょうか?

阪口氏 今、注目が高まっているデータサイエンスの領域は、日本たばこ産業で全てを賄うのは難しいものでした。私も今後より勉強していく必要があると考えており、ブレインパッドはデータサイエンスを使った取り組みを進めていける心強いパートナーだと思っています。

そして、サポートいただくことで、アプローチの幅や深さも拡張していきたいですね。今回ご支援いただいたモデルだけでなく、今後ともデータサイエンスの専門的な知見を基にアドバイスやご提案をいただきたいです。

兵藤 日本たばこ産業は使っているデータや保有しているデータなど、分析する環境が整っている印象がある企業です。そのため、分析側としても腕を振るいやすい環境だと思っています。

実際に、「データが整っていない状態でマーケティングに機械学習を使っていくのは難しい」といえます。また、分析はしたものの、1回だけ使って終わってしまうケースは正直少なくありません。逆にいえば、しっかりとした機械学習を継続的に行える企業はあまり多くないといえます。

しかし、日本たばこ産業とは環境の面も含めて、今後もプロジェクトを一緒に行いたいと思っています。

安田 私も今回のモデル作りをご支援させていただいた中で、データが揃っているという点や多くのデータがある点は感じました。また、ブレインパッドの質問に対してもいろいろとご回答をいただき、わかりやすかったというだけでなく、モデルを良くするといった面にも役立ちました。コミュニケーションを取りやすかったことも印象に残っています。

阪口氏 私としてもプロジェクト全体が進行しやすかったです。データ自体も「どれを使っていくのかわからない」という課題も正直なところあったため、そういった観点でも今後とも支援をお願いいたします。

兵藤 日本たばこ産業の事業をブレインパッドとして、長くご支援させていただいているといったお話をいたしました。タバコ業界は企業によっては、分析することがなくなってしまい「もう正直ネタ切れだよ」「分析することないよ」といったケースも少なくありません。

しかし、日本たばこ産業は社内でもめまぐるしく動いており、紙巻きから非加熱への変化や非加熱におけるシェア争いなどもあるため、分析することがなくならないと感じています。

今回の新商品の話のみではなく、別の新商品や新しいチャレンジをしていく際には、今日の話もふまえて、今後の新商品や市場が変わった際に対応した分析結果、お客様の見方などぜひご提案させていただければと考えています。

安田 全国・世界的にも有名な企業が最も力を入れている新商品を、リリース時から使用するモデルは経験できる機会はなかなかないため、刺激になりました。

私からは、日本たばこ産業にとっての「最高の新商品」に対し、最良の分析やモデルを作成できたことで、貢献できていたなら良かったと感じています。しかし、今後まだまだ改善の余地があるとも考えています。

阪口氏 デジタル上での体験がより求められるようになってきているため、モデルの改善も含めて、パートナーとして頼りにしております。

※DXの定義や意味をより深く知りたい方はこちらもご覧下さい
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株式会社ブレインパッドについて

2004年の創業以来、「データ活用の促進を通じて持続可能な未来をつくる」をミッションに掲げ、データの可能性をまっすぐに信じてきたブレインパッドは、データ活用を核としたDX実践経験により、あらゆる社会課題や業界、企業の課題解決に貢献してきました。 そのため、「DXの核心はデータ活用」にあり、日々蓄積されるデータをうまく活用し、データドリブン経営に舵を切ることであると私達は考えています。

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