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分析実運用の成否を分ける「データパイプライン」とは?

公開日
2020.10.30
更新日
2024.03.07

※本記事は、ブレインパッドが運営する人工知能ブログ「+AI」に掲載されている記事の転載版になります。

ビッグデータの分析やAI活用を進めるにあたり、どの企業も必ず直面するのが「データ統合」にまつわる課題です。

保有するデータが膨大な企業ほど、異なるデータソースが各部門に点在する傾向にあり、データ分析・活用を始めるまでに各社は多大な時間と労力を要しています。
そこで注目されているのが、データ収集から統合に至るまでの一連の流れを一本化する「データパイプライン」という構想です。

本記事では、データ利活用を促す新たな概念について解説していきます。

データパイプラインとは?

「データパイプライン」を端的に述べると、『①データエンジニアリング(統合/整備) ②データ準備 ③データ分析、といった一連の流れを最適化し、データ活用の反復プロセスを標準化するためのアプローチ』 と表現できます。

この概念を実現することで、”手作業でデータの整形を行う”といった手間や非効率さを減らすことができ、データの利活用を促すことが可能になります。

前述の 「①データエンジニアリング」とは、社内外に点在、各部門にサイロ化したデータを、統一された形式に変換・統合するプロセスを指します。
データエンジニアリングを行うことで、分析・活用に必要なあらゆるデータソースへ容易にアクセスを目指します。

続いて、「②データ準備」の工程では、既存のデータを抽出・ブレンドし、分析用のデータを容易に生成できるようにします。
上記①・②のプロセスを具現化できて初めて、「③データ分析」のプロセスが実践可能となります。

そもそも、データ活用や分析がうまくいかないケースを見てみると、上記でいうところの「①データエンジニアリング」「②データ準備」という段階で行き詰っている状況が数多く見受けられます。
すなわち、様々なデータの所在を把握できていなかったり、それらを集めることはできても、適切に統合・整備できていなかったりする部分に最大の問題点を抱えています。
そして、データパイプラインと併せて注目されているのが、環境整備・組織文化の改善に着目した
「DataOps」という取り組みです。


AI・機会学習モデルに欠かせない「DataOps」

「DataOps(データオプス)」とは、データの利用者が必要なデータや分析結果を「容易に入手・活用」できるようにするための取り組みを指します。
この背景にあるのが、企業各社におけるデジタル変革やデータ活用の急速な進展です。
そして、AI活用を始めとするデータ利用の高度化に伴い、あらゆる事業部門においてより手軽にデータを扱えるようにすることが求められています。

「DataOps」の語源をたどると、そのルーツとなる考え方は、アプリケーション開発における「DevOps(デブオプス)」に基づくことがわかります。

「DevOps」とは、開発手法やツールを利用して開発者・運用者がより柔軟、かつ密接なコミュニケーションをとれるようにすることを意味します。

そして、今回取り上げた「DataOps」もまた、データ利用者・管理者のコミュニケーションを円滑化するための取り組みと言えます。
言葉を返せば、アプリケーション開発とデータ活用、どちらの領域においても「データを扱うプロセス」に何らかの課題が発生する傾向にあるといえるでしょう。
そして、いま改めて、その環境整備や下準備が重要視されているのです。


データ分析を前提とする「データパイプライン設計」

話の流れを「データパイプライン」に戻し、この構想の重要テーマである「反復プロセスの標準化」について触れていきます。

データを活用し、そこから価値を見出すためには、常に最新の(可能な限りリアルタイムに近い)データを扱うことが求められます。
つまり、分析対象のデータは常に入れ替わり、最新化する必要があります。
あくまでも「一度実施すれば終了」というわけではなく、「繰り返し行うこと」が大前提とされているのです。

だからこそ、分析の目的や導きたい観点が変わり、分析軸が変わりゆく中でも、一連のプロセスの中に「手作業が発生しない」ということが重要なポイントになります。
そして、これらの特性を念頭に置いた上で「データパイプライン設計」を行う必要があるのです。

データ分析会社だから可能なデータパイプライン設計・提案

「データパイプライン」という考え方自体は、何かのノウハウを形にしたものではなく、あくまでも「データ分析・活用を円滑化するための概念」といえます。
そのため、データパイプラインの考えに基づいた業務設計や提案内容も、三者三様となる可能性は高いでしょう。

ここで重要なポイントは、最終的なゴールとされる次の2点にあると言えます。
①データ利用者が、いかに簡単にデータ分析・活用を行うことができるか
②ビジネスや事業環境に変化が生じる中でも、反復して活用し続けることができるか

弊社ブレインパッドでは、データ分析をコアビジネスとしており、上記の点を踏まえた業務支援実績も多数あるため、データパイプライン設計における最適なご提案が可能です。
もし、全社横断したデータ活用の仕組み作りでお悩みでしたら、是非お気軽にご相談ください。
貴社にとって最適な解決策・プロセスを一緒に考案させていただきます。


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株式会社ブレインパッドについて

2004年の創業以来、「データ活用の促進を通じて持続可能な未来をつくる」をミッションに掲げ、データの可能性をまっすぐに信じてきたブレインパッドは、データ活用を核としたDX実践経験により、あらゆる社会課題や業界、企業の課題解決に貢献してきました。 そのため、「DXの核心はデータ活用」にあり、日々蓄積されるデータをうまく活用し、データドリブン経営に舵を切ることであると私達は考えています。

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