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ブレインパッドでは、多種多様な業界・業種のお客様を支援してきました。AIやデータ活用、あるいはDXといったキーワードは、決して最先端のテクノロジー企業だけに適用できるものではありません。むしろ、これまで積み重ねてきた情報資産や技術資産を可視化することで、歴史ある企業や製品に新たな光を当てることにもなるのです。
今回は、ブレインパッドによるDX支援の事例第2弾として、「AI/機械学習やデータ活用基盤の構築」がお客様のビジネス拡大にどのように貢献しているのか、見ていきたいと思います。
【第1弾はこちら】ブレインパッドが支援したDXの成功事例5選を紹介!【①】~業種・職種を超えて変革を起こすデータ活用の力~
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キユーピー様は、かねてより「食品原料の受入検査の自動化」を模索されていました。最も厳しく検査を行っているのが、乳幼児の口にするベビーフードの原料です。例えば、ダイス(角切り)ポテトの目視検査を30~40名ものスタッフで何時間もかけて実施しています。
極めて過酷な業務であることから、過去にも自動検査システムの導入を試みたことがありました。しかし、登録したパターン以外の不良品が続出するために、検査自動化システムの実用化には至りませんでした。ダイスポテト以外の原料でも検査の自動化を構想していたため、不良品パターンを登録する負担の大きさがまるで現実的ではなかったのです。
そこで浮上したのが、AIを活用する方法です。機械学習によって画像/動画解析の精度を高めていけるAIであれば、多様な原材料の検査自動化を実現できるのではないかと考えたのです。数十社のAI技術を検討した結果、GoogleのTensorFlowを選択。Google社から信頼できる開発パートナーとして紹介されたブレインパッドを、プロジェクトのパートナーとしてお選びいただきました。
当初は、良品と不良品にラベルをつけて学ばせていく「教師あり学習」を検討しました。しかし、ダイスポテトだけではなく数多くの原材料を対象とすることを考慮すると、教師あり学習は現実的ではありません。そこで、ラベルを用いない「教師なし学習」にチャレンジすることが決まりました。
ブレインパッドとしても前例のないチャレンジではありましたが、AIに良品のみを学習させ、それ以外を弾く「良品型異常検知」の発想がブレークスルーとなりました。学習負荷を減らしても精度と速度の両立が可能となり、開発が進行しました。
その後、PoCを経た5ヵ月後には実際の工場にAIを導入し、実証実験を開始させることができました。カメラへの環境光の影響や学習の安定性など、環境依存する課題が出てきているものの、日々改良を加えて精度と速度を上げています。今後は原料検査の速度を2倍に上げて生産効率の向上、そして現場で作業される方々の負担を軽減することを目指し、最終的には「食の安全・安心」を世界へ広めたいと考えています。
少子高齢化や過疎化、低金利など、地方銀行を取り巻く環境は厳しさを増しています。そのような中で、山口フィナンシャルグループ(YMFG)様は、傘下の銀行(山口銀行、もみじ銀行、北九州銀行)が保有するデータを武器に、「金融資産流通企業」から「情報資産流通企業」への脱皮を目指し、自社の金融ビジネスの成長と地方活性化を進めようとしていました。
しかし、従来はデータが汎用機の中に蓄積され、システム担当者以外が自由にアクセスできない状態となっていました。データを活用したくても、担当者にデータの抽出や分析を依頼して、その結果が出てくるのを待つまでに1~2週間は必要だったのです。
こうした課題を解決するために、データ利活用の基盤として3銀行の顧客情報などを一元的に収集・管理する統合データベースを構築することを決定されました。その結果、日本マイクロソフト社とともにブレインパッドが、6ヵ月強という短い開発期間でパブリッククラウドプラットフォーム「Microsoft Azure」上に統合データベースを構築することに成功しました。
金融機関に求められる高いセキュリティを担保するために、オンプレミス環境にある銀行の基幹システムとMicrosoft Azureの間を専用線で接続することで、インターネットからは完全に切り離す形で運用することになりました。金融機関を取り巻く急速な環境の変化にも適応できるよう、容易にシステム構成の変更やデータの追加が可能な状態も担保されています。
現在は一部の社員しかアクセスできませんが、将来的には全社員がアクセスしてデータ分析できる体制を目指しています。また、ブレインパッドが自社開発するデータビジネスプラットフォーム「Rtoaster」を導入して、顧客のWeb行動履歴などを取り込んだうえで金融商品のレコメンドを行うような一歩進んだパーソナライズ化したデジタルマーケティングを統合データベースを通じて活用しています。
そごう・西武様では、昨今のオムニチャネル化が進む中、お客様の消費行動におけるニーズが多様化する中で、顧客データを活用したOne to Oneマーケティングの実践を目指していました。POSデータや会員データに加えて、Web行動履歴を取り込んだ俯瞰した分析を行い、一人ひとりの顧客に適した情報をメールやDM、デジタルメディアに合わせた形で発信し、潜在的なニーズを発見してもらうことがOne to Oneマーケティングの目的に掲げています。
One to Oneマーケティングを実施するためには、データを一元的に収集・管理するデータ基盤が欠かせません。しかしながら、従来はさまざまな部門にデータが散在しており、One to Oneマーケティングを実現できる状態にはありませんでした。
そこで、プライベートDMPを「Microsoft Azure」を用いて構築しました。このプロジェクトも、ブレインパッドおよび日本マイクロソフトの協力のもと進められ、わずか2ヵ月で開発完了にこぎ着けました。また、マーケティング施策のターゲットとなる顧客をセグメント化する仕組みを、ブレインパッドが自社提供する「exQuick」を使って構築しています。
また、今回の開発構築の特徴は、一気にデータ統合からマーケティング施策を進めるのではなく、アジャイル型の展開方法を採用しました。まずは実店舗で顧客データを活用した実証実験を行い、その成果を根拠として他施策のプロジェクトに展開していく運用にしました。データ活用の成果を「まずは現場の販売員」に実感してもらうことで、その考え方や風土を変えていくことに繋げるためです。
その結果、現場を巻き込んだ施策に昇華し、メール配信後に来店・購買へ至った割合が5%となるなど、大きな成果が見られました。今後は、こうした成功体験を活かしてデータ活用店舗数の拡大やオムニチャネル基盤としての機能拡張等を大幅に実施し、「顧客データの活用領域」を全社に向けて広げていく方針です。
エアロセンス様は、ドローンによる空撮測量サービスを提供する会社です。新たな提供サービスとして、資材置き場や工事現場の管理・監視を行うソリューションの開発に取り組んでいました。その過程で空撮画像の処理精度を高める必要がありましたが、既存技術では限界があるため、ディープラーニングに関心を寄せていました。
エアロセンス様は、ブレインパッドの「機械学習/ディープラーニング活用サービス」を導入し、ブレインパッドが実施したワークショップを通じてディープラーニングを活用した際の効果を実感いただくことができました。ワークショップでは、導入済のGoogle Cloud Platform(GCP)やディープラーニングの学習フレームワークであるTensorFlowなどを使用します。エアロセンス様は、空撮画像をもとに自動車の台数を自動検出するワークショップを通じて、画像処理モデルの構築からチューニングまでのプロセスを体感していただきました。
この結果、ディープラーニングによる「画像処理の実用化」に成功し、提供サービスへの適用も可能となりました。今後は、ドローンによる撮影画像から広大なエリアを自動的に監視し、異変チェックや資材管理を行うサービスなどを展開していく予定です。
晃祐堂様は、広島県安芸郡熊野町の伝統工芸品「熊野筆」の生産事業者です。熊野筆は熟練した職人によって作られるため、どの製品も筆先の大きさや膨らみなどが少しずつ異なっています。そのため、完成した筆がブランド基準を満たすものとなっているか、最終段階で職人が目視による検品を実施していました。
この目視の基準が職人の経験や感覚にゆだねられているため、判断に迷うケースがありました。そこで、この業務プロセスにAIの画像認識技術を活用し、正確な検品体制を構築することを検討したのです。
ブレインパッドは、熊野筆の良品サンプル約300本を撮影し、その画像を通じてAIに「良品の判断基準」を学習させるとともに、良品/不良品を検知するアルゴリズムの作成に取り組みました。
また、晃祐堂様の工房にはITや機械に不慣れな方も多いため、誰でも簡単に取り扱えるようにしてほしいとのリクエストをいただいたことから、ボタン一つで操作できる「不良品検知プロダクト」を開発。現在運用試験を実施中で、結果をもとに改良品が開発されていく予定です。熊野筆ブランドの完成基準をデジタルを用いて確立することで、職人の眼や技術の持続可能な伝承に役立てたいと考えています。
今回も、さまざまな業種・業界でAIやデータの活用が進んでいる事例を紹介させていただきました。自社の課題解決やビジネスモデル変革のために参考になる事例があれば幸いです。
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【ブレインパッドが支援したDXの成功事例5選を紹介!③】マーケティングDXの実現事例~テーマはOne to One~
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