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2023年7月にブレインパッドの新しい中期経営計画が始まり、これまでのミッションだった「データ活用の促進を通じて、持続可能な未来をつくる」は新たにパーパスと位置づけられ、「息を吸うようにデータが活用される社会を作る “Data-driven as Usual”」が新しいビジョンになりました。組織編成も大きく見直され、インダストリー別のアカウントユニットと職種別のソリューションユニットのマトリクス組織になりました。
今回は、主にBtoC企業を対象にした「コンシューマーインダストリーユニット」にて考える「データドリブン」について、同ユニットでコンサルタントを務める鵜飼武志から、コンシューマーインダストリーの担当執行役員である藤掛真太郎に、その概要と推進の要点を聞いてもらいました。
■登場者紹介
PaaS企業で事業を統括するゼネラルマネジャーとして従事後、2011年よりブレインパッドに参画。組織運営、マーケティング戦略実行、マーケティングアナリティクス、サービス企画、ITインフラ、ITネットワークなどのさまざまなプロジェクトを経て、現在はデジタルマーケティングを中心としたデータ分析支援、コンサルティングを業種問わず提供。2023年7月より現職。
外資系コンサルティング会社にてキャリアをスタートし、データ活用・分析を起点とした経営改革・業務変革を強みとする。2023年よりブレインパッドに参画。
データを意思決定や業務に活用し、経営効果創出に至るためのプランニングから、顧客分析結果を基に施策を企画し、データに基づくマーケティングプロセスの設計支援を主に提供。
ブレインパッド・藤掛 真太郎(以下、藤掛) コンシューマーインダストリー(以下、CON)は、BtoC企業のマーケティングを中心に、データで「人」を捉えることによってお客様のビジネスを発展させるというミッションを持つ事業ユニットです。
ブレインパッド・鵜飼 武志(以下、鵜飼) デジタル化が進む社会において多くの企業では、データで「人」を捉える事は必須となっていますが、経営とデータの間に距離があるのが実態で、その橋渡しを藤掛さんや私がやっていくことが非常に重要なことだと思っています。コンサルタントのミッションとして、抽象度の高いテーマが増えていて、課題・イシューが何なのかを読み解くのが難しくなり、コンサルタントのスキルを底上げすることが必要になっています。
藤掛 お互いのキャラクターとしては、どちらかと言うと鵜飼さんが経営寄りで、私は実際の運用といった下支えの部分に強い人間です。データセンターで99.99%以上といった「ミッションクリティカル」な運用に携わってきた経験が長いからです。経営と運用という企業の上下両エッジに強いキャラクターが一緒になって、お客様のビジネスを良くしていくことに努めているのがCONユニットの特徴だと思っています。
鵜飼 システム運用と経営コンサルの両エッジのキャラクターがタッグを組んでいるというイメージですね。
では本題に入っていきたいと思います。7月から新しい中期経営計画が始まり、体制も大きく変わりました。その中で新しいビジョンの“Data-driven as Usual”は、あまり聞きなれない言葉だと思います。ブレインパッドが考えるデータドリブンとは何なのかを、説明してもらえますか。
【関連記事】息を吸うようにデータが活用される社会をつくるには~Data-driven as Usual~
藤掛 根本にあるのは、データを使うこと自体がまだ根付いていないという課題感ではないでしょうか。だからこそ、そういう世界にしたいと。
では、なぜデータドリブンが根付いていないかと言うと、データ活用が特別なもので、難しいという先入観があるからではないでしょうか。そのような先入観を克服するための企業として我々は必要だと思います。
すでに、生活の中にデータ活用が溶け込んでいて、実際にデータで判断して制御されていることは多いと思うのです。スマートフォンのGPSはまさにデータが根付いている例だと思います。GPSのおかげで目的のレストランに簡単にたどり着けますし、今いる場所に1時間後には雨が降るといった情報も提供されて、それに従って私たちも行動することが日常になっています。
自動運転もそうです。レベル3(条件付運転自動化:特定の走行環境条件を満たす限定された領域において、自動運行装置が運転操作の全部を代替する状態)にもなると、クルマに大量に搭載されているカメラやセンサーから取得されるデータに基づいて、クルマが人間をサポートしていることになります。
こういったことが今どんどん進んでおり、知らず知らずのうちに、日常の中でデータを使っていく世界に移行しています。このような世界を実現するために、ソフトウェア開発や、技術的な支援や、データ活用人材の供給などでブレインパッドが貢献することも、“Data-driven as Usual”というビジョンに含まれているのではないでしょうか。
【関連記事】データドリブンとは?データドリブンマーケティングを行う方法や支援ツールの紹介
鵜飼 確かに私生活でもデータが使われているという実感は、最近になってより強くなってきたように思います。
藤掛 データによって自分たちが制御されていると人々が認知するようになったのは、ここ10年ぐらいのことではないでしょうか。それ以前はデータは後ろに隠れていて、生活者はそれを意識していませんでした。マイコン炊飯器でおいしいご飯が炊けることだって、データの力なのです。しかし、データの力を意識するようになったのは、やはりインターネット後です。データ自体はそもそも記録や情報なので、実際には大昔からあるのですが。
鵜飼 スマートフォンのGPSで実際に人が動いたとか、天気予報で何時間後に雨が降るというので出かけるのをやめたとか、人の行動変容にデータが直接関与しているということですよね。つまり今までもデータは根付いていたが裏側にいた。それが今では表に出てきて、意思決定に直接関与しつつあると。
藤掛 そうですね。データがおびただしく日常にあふれ出てきて、データによって人間が動かされたり、動いたりしているという事実があり、それをみんなが認識するようになったということです。
【「データ活用術」解説記事】
デジタルビジネスの成否を分ける顧客データの資産化への取り組みステップ
鵜飼 今の話を踏まえて、企業がデータドリブンで何かをするとなると、具体的にどういうイメージになるのでしょうか。
藤掛 まず「記録」ありきだと思うのです。サービス活動の記録だったり、周辺から得られた情報であったり。デジタルのデータとして保管される時代になりました。
保管するだけならただの記録ですが、そこから1歩進めて、今実際に何が起きているのか、顧客が商品・サービスをどのように使っているのかなどを、経験や勘のみではなくて、データに基づいて客観的に捉えて・考えていくのがデータドリブンだと思います。
具体的には、集めたデータを統計化するとか、時系列で解釈するとか、もしくは高度な数学のモデルで理解したりするといった、ファクトを通じて実際のビジネス活動を良くしていったり、新しい商品を作っていったりというようなことが挙げられます。
鵜飼 勘と経験も何かしらの実績を経て得られたものだと思うのですが、漠然としていたり、抽象的だったり、個人的なバイアスがかかっていたりもします。そうではなく「揺るぎない情報」、すなわちファクトとして蓄積されているものを加味して意思決定や判断をしているということですね。
藤掛 そうですね。「客観性のある情報」を持っているかどうかが大きいです。データドリブンを実践するうえでは、データが信頼できることが大前提にあるはずです。
信頼できるデータが取得されている状況では、客観性のある情報で判断ができ、それに基づいて再現性のある業務を行えます。さらに進めれば、人間に成り代わってデータによって意思決定が行えるようになるでしょう。そういったことが企業におけるデータドリブンなのだと考えます。
あと他者に正しく伝達できることも重要です。経験を伝達するのだと、ストーリーになったり、そのときの感覚に基づいた話になったりしてしまい、誤解なく伝えることは難しい。しかしデータであればロジカルに伝えられるので、正しく共有できます。これもデータの特長です。
データドリブンで考えるとは、ビジネス活動は常に目標があります。その目標に対して達成の確率を高め再現性を念頭に「データで意思決定するにはどうしたらいいのだろう」と考えることだと思うのです。
ビジネス活動におけるデータドリブンの余地はまだまだあります。ただそこまで考える企業はまだまだ少なくて、そこに至るように支援することが我々の役割だし、他社とは違う価値の出し方だと感じています。
鵜飼 「息を吸うようにデータが活用される」状態とは、信頼できるデータが当たり前のように保管されていて、それがいつでも抽出できる状態にあるというのが、「息をする」という言葉のニュアンスなのかなと。さらにデータドリブンで意思決定をするというのは、曖昧さが許されないからこそノウハウやケイパビリティが必要になると思いました。
ただ、こうしたリテラシーが日本ではまだ浸透していない。だからこそ我々ブレインパッドが、意思決定においてデータを使いやすくするリテラシーを持つ存在として、様々な企業の支援に貢献していかないといけないということなのでしょうか。
藤掛 そうですね。
鵜飼 まとめると、“Data-driven as Usual”とは、信頼できるデータが保管され、蓄積され、取り出せる状態にあることと、それを意思決定に使うので曖昧さも排除されているということ。データの信頼性を担保することと曖昧さを排除するにはリテラシーが必要で、そのリテラシーが浸透していない日本だからこそ底上げが必要であり、そこにブレインパッドの使命と価値があるということですね。
鵜飼 ここまでは背景的な話として、“Data-driven as Usual”について考えてきました。続いてブレインパッドは、なぜそれに貢献できるのか。「データアナリティクスファーム」であるブレインパッドであるからこそ、できることについてご意見をいただきたいです。
藤掛 「アナリティクスファーム」という視点が大事ですね。「アナリティクス」は、ビジネスを理解し、イシューを引き出し、さらに一番大事なこととして分析結果をどう使うかまでも含んだ概念です。
つまりアナリティクスは、ただの分析作業ではなく、分析によって意思決定を変える、行動を変える、不明瞭なものを右か左かはっきりさせるなど、何らかの目的に沿って分析をすることなのです。
だからこそ、アナリティクスファーム自体が、まずデータドリブンで思考し、記録としてのデータからビジネスを読み解いて意思決定していくことに取り組まなければいけません。そこが他社とは違う、我々の独自なスタンスにつながるのではないでしょうか。
鵜飼 データサイエンスはあくまで意味合いを見つけるイメージですが、アナリティクスは何に使うかという目的から考えるという違いがあるということでしょうか。
藤掛 はい。サイエンスとアナリティクスは似てはいると思うのですが、アナリティクスは根源的な人間の欲求な気がします。サイエンスは、真理の探究やメカニズムの解析というアナリティクスとはまた違う知的欲求に近いものを感じるのです。分析の方法の一つとして、サイエンスという方法論が選択されると捉えています。
アナリティクスはより良く生きるための手段、思考と考えられます。そこが「我々は、アナリティクスファームである」という意味です。何をどうはっきりさせるともっと良く生きられるか、もっと役に立つかということを探求する。それがブレインパッドの立ち位置だと思っています。
鵜飼 まずビジネスの読み解きがあり、その中で課題が何なのかという解釈をし、その課題を解くためにサイエンスの手法によるデータの読み解きをして、さらにその先でビジネスに使うのかを考える――という一貫した流れが、ブレインパッドならではのものである、ということですね。
藤掛 そこが我々の持ち味ではないかなと思うのです。そして、そのためのナレッジは、なかなか得がたいのではないかと。
鵜飼 ブレインパッドは、なぜそれができるのでしょうか。
藤掛 歴史的なものでしょうか。2004年の創業以来、社員が10~20名の頃から、データ分析でお客様の意思決定に貢献して、その対価を得るという営みをずっと続けてきました。それによって培われたDNAが脈々と続いていて、その歴史と積み重ねによってできているのが今のブレインバットです。
トライブ(種族)的な組織感があるとも思っていて、採用にしてもそのDNAに惹かれるかどうかが決め手となる傾向があります。昔風に言うと「理学」的な人が多いのです。「工学」で技術的に適応して効率化しようとするよりも、何が起きているのかをしっかり理解したうえで解決をしていく志向の人が集まりやすい企業と言えます。そのような集合体としてブレインパッドがあるから、結果としてお客様に価値を提供できているのではないでしょうか。
鵜飼 仮に自社をブレインパッドのような会社にしたいとなったら、採用や教育のやり方を真似すればいいと考えるのではないかと思います。しかし実態としては、「会社としてのDNA」あるいは「アイデンティティ」が根幹にあって、それに基づいて採用をしているからそういう人たちが集まるという好循環が生まれている。つまり採用や教育のやり方を真似しても同じような会社は作れない。だからこそデータドリブンを実現するためのアナリティクスができる集団という地点に我々はリーチできているということですね。
まさに結果として、ブレインパッドは、データサイエンスの人、コンサルティング/ビジネスの人、エンジニアリングの人という3つの人材が折り重なって、今の組織になっています。アナリティクスができることと、この3つの人材がすべて揃っていることにどんな関係があるのでしょうか。
藤掛 コンサルタントは、お客様の業務やその周辺の状況を分析して、何が課題かを言語化して明確にする人たちだと思っています。そのときにブレインパッドがユニークだと思うのは、そのイシューに対してデータサイエンティストがデータドリブンで考えられるということです。
これが1つ大きなポイントで、コンサルタントとデータサイエンティストが協力することで、イシューをデータによってどうやって明らかにしていくかとか、データを用いて客観的に意思決定するにはどうしたらいいのかを提言できるわけです。これこそがまさに「アナリティクス」です。
ただ、アナリティクスまでだと仕組みや運用に載せられないという話になるので、そこにエンジニアリングという技術が必要になってきます。したがって、コンサルタント、データサイエンティスト、エンジニアの3者を組み合わせてはじめて、ブレインパッドの価値をお客様に提供できるということになります。
鵜飼 データを使って意思決定をするには、この3つが揃わないと難しいということでしょうか。
藤掛 意思決定までであれば、コンサルティングとデータサイエンスがあれば、データドリブンでできると思います。しかし意思決定しただけでは企業は変わらないのです。その先でしっかり業務に取り込んで、運用に載せなければ変わりませんが、それはエンジニアリングがないとできません。それこそ“Data-driven as Usuall”にするためには、エンジニアの力が必要なのです。
鵜飼 私たちCONユニットは、BtoC企業をターゲットにしています。顧客データを活用しようとする方々がどういったことで苦労しているのか、またどうすればデータドリブンに生まれ変われるのかという観点で話を聞かせてください。
藤掛 ここ1年ほど、数多くのBtoC企業のマーケティング関係者から相談を受けた中で、大きく2つのことを感じました。
1つ目は、コロナ禍という大きな社会の変化があって、顧客の動き方や考え方も大きく変わったということ。2つ目は、社会の流れは非線形的なのに売上目標は線形に伸びていくままで、違和感を抱えている。
こうした矛盾した状況の中で、実際に何をしたらいいのかわからずに悩んでいる方が多いのです。
鵜飼 非線形という言葉が出てきましたが、非連続と読み替えてもいいのかもしれません。要は今までは過去の延長で推移してきたのが、突発的に急激な変化をするようになっている。しかも変化のサイクルも速くなっている可能性もある。よって、企業がこれまでの企業活動の延長で顧客を捉えるのでは不十分になっているというのが課題ということですね。
コロナ禍という大きな社会変動があり、一方でコロナ禍も1つの原因としてDXが進んだことで、今の連続・非連続、ないしは線形・非線形という観点が明確になり、それに対してのアプローチが必要だという問題意識がより顕著に出てきたのでしょうね。
藤掛 そもそも(売上)目標が線形で設定されていること自体に懐疑的です。我々としてはデータを使って売上が伸びない原因とそこに対する対策は何かを一緒に考えることが本当の支援になります。データからファクトを明らかにして、そこから問題を見つけることが多いです。
鵜飼 要するに何らかのジャンプが起こっているわけです。そのジャンプがどういう要素で起こったのかを、「おそらくこうだ」という勘で見つけるのではなく、その要因をきちっとファクトに基づいて分解することで見つける。そうすれば非線形を線形につなぐことができるので、施策も考えられる。
不確実性が増す世の中において非線形を線形にしっかりつなぐことは、再現性のある仕組みを構築できるということでもありますね。
藤掛 それができるのが、データの力ですね。
鵜飼 ファクトに基づいて要因分解することで問題解決ができ、そうできるようにするための支援が我々の仕事だということでした。ではCONユニットという新しい組織は、それを実現していく上で、具体的にどういうサービスやケイパビリティを備えていくのでしょうか。
藤掛 CONユニットが考える具体的なサービスが“Data-driven X”サービスです。「データドリブン」と聞くと、「データドリブン経営」や「データドリブンマーケティング」といった言葉がまず思い浮かびますが、データドリブンマネジメントやデータドリブンセールス、データドリブン製造など、データドリブンのあとに様々な言葉を入れても成り立ちます。その様々な言葉を“X”で総称しています。
その中でも我々が得意とするのは、データドリブンマーケティングですし、実際に企業においてもマーケティングの課題が大きいので、まずはそこから説明します。
データドリブンマーケティングのケイパビリティとは、まず目標を定め、その目標に到達するためにはどういうデータ分析をするかを定め、そのためのデータをどうやって獲得すればいいかが考えられる――というように、データ駆動型で目標を達成するためには何をすればいいかを考えられる力だと思っています。
あとは顧客データ=顧客IDを中心にどういうデータが取れているか、そして今後は取っていくかを考えることがマーケティングでは重要です。何を買ったか、どんな問い合わせがあったか、どこの店舗に行った、どういう属性かなどはすべてファクトです。そこからどういうアクションが取れるか、どうすればお客様が喜んでくれるのかを考えることが、データドリブンマーケティングではないでしょうか。
鵜飼 今までは、たとえばPOSデータや売上データを分析することがメインでしたが、非連続のものを連続にしていくためには、その周辺データを顧客IDによってまとめ上げていって、それをマーケティングに組み込んでいくことが必要になってきますね。
藤掛 そう思います。データと言っても様々なものがあり、SNSのデータもあれば、会員データもあるし、スマートフォンのデータもあるのですが、我々が注力しているのは顧客IDをベースに統合していって、個々のお客様のファクトを明らかにすることです。それができれば予測や状態の推定ができ、類似のお客様がわかるなど、データ活用シーンが広がっていきます。
鵜飼 顧客IDを中心にデータをまとめ上げるからこそ、我々は再現性のある形でお客様の解像度を高められるということですね。そうなると、CONユニットは、「顧客IDに関わるデータのプロフェッショナル集団」なのでしょうか。
藤掛 顧客IDというより「人」というものをどのように捉えるか、たとえば行動のログからどのようにお客様というものを捉え直すかが、CONユニットとして注力するポイントになると思います。
「データドリブンセールス」であれば、営業活動における人の捉え方になるし、データドリブンR&Dであれば、お客様がどう変わっていくかをどうやって推察するかがポイントになります。データドリブンマネジメントでは、人の集まりである組織や人の配置という話をデータから考えていくことになります。
Data-driven Xのどれもが、データから「人」を見つめ直すサービスだと言えます。したがってCONユニットとして注力すべきことは、「人のデータ」あるいは「人そのもの」だと考えています。
鵜飼 “Data-Driven Xサービス”は、ブレインパッドならではの取り組みとして我々もお客様もイメージしやすい領域だと思います。一方で、お客様自体が変革することを支援する「Transformationサポートサービス」では、ブレインパッドが伴走しながら、最終的にはお客様が自走できる状態を目指すことになります。
藤掛 “Data-driven X”は、ビジネスをデータドリブンに変えていこうという話ですが、それだけだと「手足」の問題が出てきます。先ほどなぜエンジニアリングが必要かという話をしました。実際に企業がTransformationするには、データを扱う人がいて、運用ができる人がいて、保守ができる人が必要になります。「手足」という言い方は少し語弊があるかもしれませんが、なくてはならないものという意味合いです。実際問題として、1つ1つのオペレーションをしっかりやっていくことや、日々のオペレーションを回すのはとても難しいことです。
なぜなら事業活動であるミスや間違い、システム停止は許されないからです。企業としての損失もありますし、エンドユーザーにも迷惑がかかります。そうならないように支えるサービスとして、単純なアウトソーシングではなて、我々が横にいながらお客様自身がディレクションできたり、自分たちで進められるようにしたりするサービスは重要だと言えます。
お客様の内部資源を強化することと適切なアウトソーシングを実施することの両方が必要ですので、その両方をお客様の状況やニーズに合わせて提供していくというのが、先ほどの図全体の意味だと捉えています。
鵜飼 考え方を変えることや、意思決定のための仕組みづくりが“Data-driven Xサービス”。一方で継続的に経営活動を進めるためには、内部の資源の強化と、安定的に運用するための基盤を作ることが必要。それに該当するのが、“Transformation for DX/Analytics Organization”と”Transformation to the Digital Operation”ということですね。
先ほど藤掛さんがおっしゃった通り、意思決定だけではなく、使わせる・運用するという部分がないと行動変容にはつながらない。だから“Data-driven X”と“Transformationサポート”の両方が必要になってくる。CONユニットが目指す真のデータドリブン、当ユニットもケイパビリティを伝えられたのではと思います。ありがとうございました。
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