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スポーツ・アナリティクス座談会-勝つための分析とデータによる選手評価の現在地

公開日
2024.12.27
更新日
2025.01.10
スポーツ・アナリティクス座談会-勝つための分析とデータによる選手評価の現在地<SPORTLIGHT×SportMame×ブレインパッド>

ブレインパッドは2004年の創立以来、ビジネスにおけるデータ活用分野で独自のサービスを展開してきました。その間、顧客企業が抱える課題の本質に向き合い、真摯(しんし)に解決策を生み出してきたと自負しております。

しかしデータ活用はビジネス分野だけにとどまるものではありません。スポーツの世界では、米メジャーリーグが2002年からセイバーメトリクスという手法を取り入れ、本格的にデータを活用し始めました。それから20年以上がたち、テクノロジーは格段の進歩を遂げ、今やデータを活用していないスポーツ種目は見当たらないといっても過言ではありません。とはいえ、選手の能力を数値で評価しやすい野球と、攻守の流れに区切りがなく数値に表れない貢献が多いラグビーやサッカーとは選手の評価の仕方も大きく違ってきます。もちろん戦術の評価の仕方もまったく違うことになります。

そこでラグビーチームの分析に携わっているSPORTLIGHT株式会社の木下氏、主にチーム強化などスポーツチームの大きな意思決定を支援しているSportMeme株式会社の長野氏と中村氏を迎え、ラグビーにおける分析や選手評価の現在地について伺いました。

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本記事の登場人物
  • KINOSHITA KOICHI
    木下 倖一
    KOICHI KINOSHITA
    会社
    SPORTLIGHT株式会社
    役職
    代表取締役
    2016-18 NECグリーンロケッツ| 2017-20 サンウルブズ| 2019 Bay of Plenty(New Zealand)| 2020-22 シャイニングアークス東京ベイ浦安| 2022-現在 浦安D-Rocks| 2022 SPORTLIGHT(株)を設立。| 2024-現在 慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパス 「スポーツのデータサイエンス」講師
  • NAGANO RYOTA
    長野 遼太
    RYOTA NAGANO
    会社
    SportMeme株式会社
    役職
    代表
    北海道大学卒業後、フューチャー株式会社にてITコンサルタントとして勤務。 そのかたわら、元々興味のあったスポーツに関する最先端技術の研究論文をリサーチし、友人らと共に研究開発活動を進める。 研究成果が2020年人工知能学会で優秀賞を受賞し、同年SportMeme株式会社を設立。
  • NAKAMURA SYOYU
    中村 祥有
    SYOYU NAKAMURA
    会社
    SportMeme株式会社
    役職
    CTO
    東京工業大学大学院修了後、フューチャー株式会社にてITコンサルタントとして勤務。全国新聞社の基幹システム刷新プロジェクトにて移行チームリーダーを務めるなど、技術領域で様々な案件を担当。 その後、ブロックチェーン関連のJV、EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社を経て、2023年SportMeme株式会社にて取締役CTOとして参画。
  • コンサルタント
    東 建志
    TAKESHI HIGASHI
    会社
    株式会社ブレインパッド
    所属
    アナリティクスコンサルティングユニット
    役職
    シニアマネジャー
    大学院にて博士課程を修了後、2008年に日系コンサルティング会社に入社。製造業を中心とした様々な企業の事業や組織改革の構想立案から実行までを支援。 2019年にブレインパッドに参画し、AI活用やデータ分析を起点としたサービス企画、データ活用構想、業務・オペレーション改善・高度化を支援。特にSCM領域での取り組みに経験を有する。
  • JUNHYEONG KIM
    データサイエンティスト
    金 俊亨
    JUNHYEONG KIM
    会社
    株式会社ブレインパッド
    所属
    アナリティクスコンサルティングユニット
    大学院博士課程を修了後、2020年に新卒で株式会社ブレインパッドにデータサイエンティストとして入社しました。これまでに、機械学習を活用した需要予測に基づく在庫最適化のプロジェクトに携わったほか、データ分析組織におけるデータ利活用を推進するための伴走支援を行ってきました。現在は、生成AIに関する業務に取り組んでいます。
  • SHIORI SAKIYAMA
    コンサルタント
    崎山 栞里
    SHIORI SAKIYAMA
    会社
    株式会社ブレインパッド
    所属
    アナリティクスコンサルティングユニット
    2021年新卒入社。コンサルタントとして、商社のBPR支援や金融業界の新規事業構想策定を実施。現在は生成AIの活用に向けた研究・開発プロジェクトに従事。

ラグビーの分析と選手採用・強化支援の専門家を招いてパネルディスカッションを実施

株式会社ブレインパッド・崎山(以下、崎山) まず、自己紹介をお願いいたします。

SPORTLIGHT株式会社・木下倖一氏

SPORTLIGHT株式会社・木下倖一氏(以下、木下氏) 木下です。浦安D-Rocksというラグビーチームで分析をやっております。チームとしては、5チーム目になります。また2年ほど前からSPORTLIGHTという会社を立ち上げて、そちらで後進アナリストの育成など教育事業をしています。本日同席のSportMemeさんとは、ラグビー選手のデータによる評価に関して連携しています。

SportMeme株式会社・長野遼太氏

SportMeme株式会社・長野遼太氏(以下、長野氏) 長野です。以前、フューチャーという会社で、システム開発やコンサルティングをしていました。その当時に、テクノロジーを活用して、好きな分野に何か変化をもたらせられないかと思っていたら、週末にスポーツ分析のミートアップがあったので参加しました。その主催者が木下さんだったのです。

それをきっかけに、スポーツ関連のデータ分析領域に足を踏み入れました。そして選手の採用や強化など、大きな金額が動く意思決定でデジタルを活用するサービスを作ろうとSportMemeを立ち上げました。

SportMeme株式会社・中村祥有氏

SportMeme株式会社・中村祥有氏(以下、中村氏) SportMemeのCTOの中村です。長野とは、フューチャー時代の同期で、彼が起業したあと私がジョインした形です。

崎山 ブレインパッドのモデレーターからも一言ずつお願いします。

株式会社ブレインパッド・東建志

株式会社ブレインパッド・東建志(以下、東) 東です。AC(アナリティクスコンサルティングユニット)に所属しています。中高でサッカー部に所属し、ブレインパッドのフットサルチームに入っています。

株式会社ブレインパッド・金俊亨(キム・ジュンヒョン)

株式会社ブレインパッド・金俊亨(キム・ジュンヒョン)(以下、金) 同じくAC所属で新卒5年目の金です。中高でサッカーとバスケットボールをやり、社内のバスケットボール部に所属しています。何年かぶりにプレーしたら、5分ぐらいで疲れてしまい、ジムに通って体力を付け直しているところです。サッカーに関しては、現在では自分でプレーするよりも、マネジメントや選手の価値評価に興味があるので、そのあたりの質問をさせていただければと思っています。

株式会社ブレインパッド・崎山

崎山 最後になりますが、同じくACの崎山です。学生時代にフィールドホッケーの分析官と審判をやっていて、それをきっかけにブレインパッドに入社した経緯があります。今日は楽しい機会を設けることができて、とても楽しみにしていました。


ラグビーでは練習中・試合後・試合前の3局面で分析を実施

崎山 では、早速パネルディスカッションに参ります。最初は、木下さんから、所属チームにおけるラグビー・アナリストの取り組みを伺いたく、お願いいたします。まずは、大ざっぱな質問ですが、ラグビーでは、どんな場面でどんな分析をするのでしょうか。

木下氏 基本的には、練習中と試合後、試合前の3つに分かれます。試合中の分析は、映像が中心になります。さまざまな角度から試合の映像を撮影して、それを見やすく編集するのが1つの軸です。試合後に関しては、映像ももちろん出すのですが、各選手のキャリー長、タックル数、良いパスの数、悪いキックの数などを集計し、簡単なレポートを出します。試合前ですと、対戦相手の映像を1週間ぐらいかけて分析するのが、大きな要素になります。過去1カ月、だいたい4試合の試合映像を見て、相手の守備と攻撃のそれぞれのフォーメーション、キープレーヤーの動き、1カ月での戦術的な遷移を見ていきます。

もちろん、それぞれデータも見ますが、現状ではデータサプライヤーから届くデータはカウントデータにとどまっていることが多いのです。それでは、多い/少ないはわかっても、良い/悪いはあまりわからないので、試合単位では映像中心の分析が現時点ではメインとなっています。

GPSに関してよく質問を受けますが、これはフィジカルコーチが管理していて、アナリストはなかなか触らないものです。ただGPSで何をしているかざっくりお話しすることはできます。1つは練習の密度を高めるために、どのような強度で練習ができていたか確認する使い方。もう1つは、過剰に走らせると選手が壊れるので、1週間単位でトレーニングをモニタリングして、トレーニング上限量を管理する使い方です。

 今GPSの話が出ましたが、ドローンも使われているというニュースを見ました。どういう使い方をするのですか。

木下氏 ドローンは、上空から俯瞰(ふかん)できるので、スペースやフォーメーションを確認するのに使います。ラグビーは密集して人がぶつかりあうので、その映像からは選手個人が特定しづらい。ドローンの映像をもとに選手個人の位置データがわかるような動画解析の技術が開発・実装されれば最高だと思っています。

 どのような映像が撮れるかはわかるのですが、その映像からどのようなことを読み取るのでしょうか。

木下氏 動きの規則性を読み取ったり、チームがどこに強みを持たせたいのかを考える材料にしたりします。コーチが目指すラグビーと、選手の長所・短所や特徴がマッチしていることもあれば、乖離していることもあるので、まず一致しているのか、いないのか。一致していたら、どこに強みを出すのか。一致していなかったら、どこが違っていて、どこを修正していくのか。抽象的ですが、そのようなことを読み取っています。

 撮影した生の画像から何を取り出して、何を報告するのかは、チームとすり合わせて行うということでよろしいですか。

木下氏 チームによりけりですが、アナリストの中でもタックルやパスの数をカウントするだけの人もいれば、コーチングにまで踏み込む人もいます。私の場合は対戦相手分析に関しては、私の方である程度映像を作って、どれを見せるかをコーチと相談して絞っていき、最終的に選手に見せる段取りになります。データは必要に応じて使います。

一方で自チーム分析、例えば選手のスキルがしっかり伸びているか、スキルが試合で発揮できているか、戦術上の間違いをしていないかなどフィードバックに使う映像は、コーチが自ら、ソフトウェアで映像を編集します。

 分析内容はまずコーチの判断材料として使われ、どれを選手に見せるかは、コーチが決めるということですか。

木下氏 はい。ラグビーの場合は、野球の投球のようにピンポイントで見せられるものではないので、そのまま見せても、選手の意思決定や成長に役立つか若干疑問があります。そこで、まずコーチが選手に見せるかどうかの判断材料になるように、まずは見やすい形にすることが大事です。それとは別に、もっと深く分析すべきところは、SportMemeさんのような専門家にきっちり分析してもらい、結果を意思決定者に渡すというように切り分けています。


分析官の意見を取り入れてもらうために最も大切なこと

崎山 今のお話は、次のディスカッションのテーマ、「スポーツとアナリティクスの融合について工夫していること」にも少し関連していました。そこで次のテーマに入っていきますが、コーチからのフィードバックに対して、木下さんが分析内容にどう反映させるのでしょうか。

木下氏 自分の意見を100%、監督やコーチに投げた時に「意見が違うね」で終わればよいのですが、いきなりそんなことをしたら「おまえは何もわかってないね」と反感を買うことも少なくありません。そこで初期の数カ月は、コーチの考えとのすり合わせが大切です。それから、「ここはこうだと思いますが、ここに関してはこう思います」と言えるところを、本当に少しずつ増やしていきます。そうやって信頼関係が築けてくれば、「こいつは、何も知らなくてわけのわからない意見を出しているのではなく、わかった上で意見を出してくれているのだ」と受け取ってもらえるようになります。違う角度から具申しているのだと認めてもらえるような信頼関係を、徐々に徐々に作っていくことが大切です。

 受託分析では、これまでまったく無縁だったビジネスドメインを担当することがあります。その場合、最初は分析結果や提出データが先方に役立つものだという納得感を醸成することが大切です。要するに、どうやって信頼関係を作るかということで、今のお話にはとても共感しました。

 我々のお客様もそうですが、監督やコーチのデータ分析に対するセンスやリテラシーに差があると思います。それぞれのレベルに合わせなければならないと思うのですが、実際どれぐらいの差や、データ分析に対するスタンスの違いがあるのでしょうか。

木下氏 データ分析自体にレベルがあり、基礎統計から始まり、検定など徐々に難しい概念が出てきて、機械学習で最高潮に難しくなります。しかし、意思決定者に必要なレベル感はこれとは違っていて、対象期間の長さによりけりと思います。たとえば試合に関しては、1試合単位という短いスパンで意思決定をするので、機械学習モデルを作って、それに当て込んでも相性が良くありません。選手起用に関しては、たとえば最近子どもができたばかりで睡眠不足だといった情報まで加味して考える必要があるからです。

ですから、コーチまでに関しては、少なくともパーセンテージやパス数の集計など簡単な数字が出てきたときに、拒否反応がなければ個人的には十分だと思っています。一方、監督が来年1年間を考えるときには、ある程度高度な分析の説明もします。長いスパンだと上ぶれと下ぶれが絶対にあるので、1年だとこういう範囲に収まっていればよいといった少し専門的な話もします。そのあたり、どうすれば効果的かを日々模索しながら進めています。

日本ラグビー界が抱える構造的問題

崎山 では、ここまでのディスカッションに関する質疑応答に移りたいと思います。オンラインの質問が1点届いていますので、読み上げます。質問というより、コメントだそうです。

「私は野球部でスコアラーをしていたのですが、次はこの球が来るよと選手にフィードバックしても、選手によっては、その情報が必要なく、迷ってしまって逆に悪い結果になることもしばしばありました。分析で何かわかっても、それがどう使えるかは、難しい話だと思います」

質問が1つ届きました。

「スポーツは素人です。対戦相手の映像を監督に見せると、どのような議論になるのか教えてください」

木下氏 私の経験上、自チームのシステムを相手によって毎回大きく変えることは、ラグビーではあまりありません。ですので、自分たちが今持っている手札の中で、どれが相手に効きそうかを議論します。一定の信頼関係が築けてくると、「こういう相手ですので、こんな手はどうでしょうか」と、私からの意見も含めた議論を始められるようになります。

崎山 会場から、質問はありませんか。

会場のブレインパッド社員1(以下、社員n) 新しいシーズンに向けて選手の編成を考える際に、昨年は出ていなかったが今年は出したい選手について、どういう特徴を重視して考えるのでしょうか。またその特徴がチームに及ぼす影響を監督やコーチに伝えないといけないと思うのですが、どういう伝え方をするのでしょうか。

木下氏 編成については、外部に言えない部分が多いので、お茶を濁す言い方になりますが、試合に出ていない選手の評価がラグビーでは難しいです。野球なら2軍リーグ、Jリーグもサテライトリーグがある中で、ラグビーはプロ以外の社員選手もまだまだ多くて、移籍の流動性があまりありません。たとえばニュージーランドだと、日雇いの仕事をしている選手が、「けが人が出たから3日だけ来てくれ」と言われて、仕事を休んで試合に出ることがあります。日本ではそういうことが出来ないので、1チームに60人ぐらいの選手を抱えることになります。そのうち試合に出るのは40人、しかも出場時間の8割を25人ぐらいで占めています。試合に出ていない選手の評価材料がほとんどありません。ラグビー界は、そういう構造的な問題を抱えています。

社員1 ラグビー日本代表の試合を見ていても、全然交代せず、控えの選手の活躍・成長の場がないのが問題と言われているようです。選手を替えてチャンスを広げることよりも、選手を使い続けることによる安定性を優先しているのでしょうか。

木下氏 具体的な研究があるわけではないのですが、日本代表だけでなく他国のチームも、強かった時期はメンバーを固定して、その中でコンビネーションを高めていました。しかしその一方で、選手層を厚くしていくことも必要です。両輪のバランスを取ることが大切だと思います。

社員2 1年ぐらいの長いスパンで見ると、選手のデータが上ぶれしたり、下ぶれしたりするというお話がありました。そうはいっても伸び盛りの選手はどんどん成長するし、年齢が上がるにつれてパフォーマンスが下がる選手もいます。そういう傾向が、上ぶれ・下ぶれのノイズの中に埋もれてしまうことはないのでしょうか。

木下氏 ラグビーの場合は、天候要因のノイズがあります。たとえば雨だとボールが滑るので、パスが近距離になり、タックル数が増えます。しかし年間を通すと、かなり雨が強い日とか、快晴だが風が強いといった日はそれほど多くないので、最終的には右肩上りあるいは右肩下がりの傾向がわかります。あと前年対比で、選手の成長を測る試みもしています。

崎山 オンラインの質問が届いたので、読み上げます。

「サッカーワールドカップで、イングランド代表がセットプレーのスクリーンなど、バスケットボールの戦術を利用したことが話題になりました。データ活用について海外と日本の差、あるいは競技による差があるのでしょうか」

木下氏 ビジネスも同じでしょうが、データ分析はお金があるところが一番発展しています。売上が1兆円のビジネスがあれば100億円を使っても、わずか1%です。それが売上規模が100億円になると、1%だと1億円にしかなりません。それを前提に考えると、野球、バスケットボール、サッカーに関しては論文の数もデータ活用の進み具合も、他のスポーツとは全然レベルが違います。そういったお金のあるスポーツのチームは、専任のデータサイエンティストを雇っていて、MLBだと監督よりも年俸が高いこともあるそうです。監督の採用も試合の戦術も、決めるのはデータサイエンティストだからだそうです。

メジャーリーグでは電子機器の持ち込みが禁止なので、BSO(ボール・ストライク・アウト)のカウントと走者の組み合わせでどういう指示を出すかをアナリストが用意しておいて、試合前に監督に渡すのだそうです。野球は競技的な特徴と潤沢なお金が重なり、本当にデータドリブンなスポーツと言えると思います。

一方でサッカーとラグビーに関しては競技の特性上、試合中の意思決定にデータ分析を使うことは、ほとんど聞きません。特にラグビーは、お金が集まらないので、試合外のデータ分析もまだまだ進んでいないのが実情だと感じています。

崎山 世界より日本が遅れているとしたら、お金の話もあるのかもしれませんね。

もう1つ、お願いします。

「選手の身体能力を計測していると思うのですが、どのくらい厳密に計測してポジション決定などをしていますか。たとえば走力だったら、前半10mの加速、トップスピード、30m以降のスピード維持という感じで、細かく分けて測定したり、評価に使ったりしますか」

木下氏 これらはGPSのデータになりますが、それらを選手の評価に直接的に使うことは正直ありません。コーチ陣がその日の練習が良かったかどうかを判断する際に、練習の強度を測る目的でGPSデータを使うことはありますが、「こいつは足が速いからウイングにしよう」ということは、あまりないです。

なおGPS以外にも、光電管式タイム測定器で走力を測ったり、シャトルランで持久力測定をしたりするチームもあります。私のチームでは、今年、MRIで体脂肪測定ができる機械を導入しました。これで選手のより正確なデータを取得できるようになります。

SportMemeの目指すところ

崎山 では、パネルディスカッションの2つ目のテーマに移ります。ここからは、スポーツビジネス/スポーツテックというテーマで、まずはSportMemeのお二人を中心に、選手評価のお話をしていただきます。その前にSportMemeがどういう取り組みをしているのかについて改めて教えてください。

長野氏 アナリティクスでは、データを収集して、分析して、活用するという大きく3つのステップがあると思います。生データから意思決定につがるインサイトを導き出して、意思決定の材料を出し、それを実際の意思決定に活用してもらえるよう業務に実装する――すなわち、スポーツ領域における分析・活用の2ステップを担っている会社です。

ユーザーとしては、現場層とマネジメント層があると思います。木下さんが主に見ている部分は、どちらかというと監督やコーチ、選手といった現場の人たちがユーザーになります。一方、私たちは、マネジメント層が長期的な目線、あるいは高額の投資に関わる意思決定をするための分析データを作り、それを実際に活用してもらうためのサービスを提供しています。

さまざまな取り組みを考えていますが、現時点で主に取り組んでいるのは、高額投資、特にチームの編成や選手への投資に対して、より効率的な意思決定を支援していく活動になります。

『マネーボール』という映画が、2011年に公開されました。元になった実話は、今から20年ほど前の話です。ブラッド・ピットが演じる主人公の隣にいたピーター・ブランド――主人公をサポートしていた「セイバーメトリクス」の開発者――をプロダクトにしようとしているとたとえると、映画を見た人にはわかりやすいかなと思います。

意思決定者に対しては複雑な指標よりもシンプルで強力な指標で

崎山 今「チームの編成や選手への投資」という話が出ました。そのためには選手への評価が必要になりますが、差し支えない範囲で教えていただけますか。

長野氏 逆質問になりますが、もしみなさんがゼネラルマネジャーだったとしたら、選手に払うお金をどうやって決めるか、選手編成どうやって評価するか、などを聞かせてもらえませんか? もちろん私たちは答えを持っていて、それに向けて取り組んでいるのですが、先にみなさんのお考えをいろいろ聞きたいのです。

 ぱっと思いつくことをいえば、この人がいると試合に勝つことが多いとか、チームが何だかうまく回り出すなどがわかる指標があることですね。そして、その指標と市場価値の結びつきに妥当性があれば、その指標には価値があると思います。

長野氏 ありがとうございます。ほかにありますか。

社員3 それこそ思いつきですが、ポジションごとに指標を決めることはあるのかなと思います。サッカーだと攻めの選手は得点に関する貢献で、キーパーならばどれぐらい捕球したかなど、ポジションごとに指標を設けて、活躍度合いを測るのかと思います。

長野氏 ありがとうございます。事前に打ち合わせしていたかのような、とても的確な回答をいただきました。考え方はシンプルだと思っていて、またシンプルな評価をするべきだと思っています。「プロは勝利を目指す存在」だと思うので、勝利に対してどれぐらい貢献したかが定量化できれば、それがすなわち選手に対する評価になるはずです。

実は、「勝利」は意外と簡単に説明ができて、少なくとも球技においては、「ピタゴラス勝率」というマニアックですが、簡単な指標があります。チームの得点と失点の総量から勝率を予測する、ピタゴラスの定理に似た数式です。これにデータを代入すると、どの球技でも、相関係数で0.9を超える、高い妥当性で勝利を説明できるのです。簡単にいえば、得点の総量をなるべく増やして、失点の総量をなるべく減らせれば、勝率を上げることにつながるということです。

だとすれば、ある選手がどれぐらいチームの得点を増やし、失点を減らすことに貢献したかを測れる指標があれば、それはすなわち勝利への貢献を説明できる評価指標になり得るわけです。ポジションごとに分解して、重みを付けるチューニングは必要ですが、基本的な考え方のベースとしては、この指標を見つけて、測定することが大きなポイントになります。

現場で大量のデータを取っている上に、今ですと映像から自動的にデータが取れたり、あるいは人が映像からクリッピングしてデータ化したりしています。サッカーだと、どの選手がどれだけシュートを打ったか、どれぐらいパスを出したかを今までは重視してきたのですが、それらは得点や失点にあまり影響がない可能性があるかもしれません。

野球でいうと、『マネーボール』より前の時代は、打点・打率・本塁打といった、クラシックでわかりやすい指標がありました。それらが高い選手ほど価値があると考えられていて、どうすればそれらが高い選手を取れるかがチーム編成戦略のベースでした。『マネーボール』の功績は、打点・打率・本塁打は得点を伸ばす指標として一定の価値があるが、本来の目的は得点を伸ばすことだから、ほかにも重要な指標があると示したことです。

野球は、ベースを1周したら1点が入るルールですから、できるだけ塁を人で埋めて、次の打者に回したいわけです。得点の期待値は、ノーアウト・ランナーなしからノーアウト・ランナー1塁になり、さらにノーアート・ランナー1、2塁になれば伸びていきます。ノーアウト・ランナーなしからヒットを打って出塁しても、フォアボールで出塁しても、期待値を伸ばしたという意味では、まったく同じ価値です。しかし『マネーボール』以前は、出塁率は価値がないと思われていました。打率が低いのに出塁率が高い選手は地味だが、実は得点期待値に関しては大きな貢献していると評価し直したのが、『マネーボール』で語られている内容なのです。

ただ野球の得点や得点期待値などの指標活用が進んでいるのは、1プレーごとに区切りがあるからです。バスケットボールやラグビー、サッカーなど、タイムアウトがない限り、休みなく全員で攻めて、守るスポーツでは、そこまでわかりやすくありません。誰が得点の盤面を伸ばすことに実は貢献していたのかがわかりにくい。また、データに残らないリーダーシップや、スペースをつぶすのが巧みでディフェンスをする前にディフェンスが終わっている選手の評価も難しい。これらは明らかに得点や失点に影響しているにも関わらず、数値指標に落とし込むのは難しい。それが他のスポーツでは野球ほど、選手評価の指標が進歩していない理由であり、分析上の課題だと思います。

とはいうものの、さまざまな新しい技術が生まれ、かなり細かいデータも取れるようになってきました。ようやく得点や失点への影響度を出せる技術やノウハウ、アイデアが出始めてきていて、私たちもそれを実現するための研究開発をしているところです。

 データや分析結果を提供される意思決定者の立場で考えると、「たくさんの数字を見て判断してください」と言われるよりも、「これだけ見れば選手の価値がわかります」というごくシンプルで強力な指標が欲しいと思います。たしかにサッカーにでも、最近では期待得点だとか、もしくはフィールドでどういう貢献をしたかという指標は、海外では提供されています。逆にオフ・ザ・ボールのような直接関与はしていないけれども、その選手がいたからこそ得点できたのをどう考慮するかは、いまだ悩みとして残っていると思います。先ほどの指標だと、行動はいったん置いておいて、結局起用されたかどうかを指標として算出すると理解したのですが、あっていますか。

長野氏 そうですね。たとえばシュート1本でも質が違うという発想があります。ゴールエリアのど真ん中からなら80%ぐらい入るので得点期待値0.8、端に追い込まれてから打ったシュートはほぼ入らないので得点期待値0.1といった算出方法はわかりやすい。しかしシュートを打たないポジションの人たちには、そもそも得点期待値が付かないので、得点にどれぐらい貢献しているのかわかりませんし。そこをどう公平に評価するかがポイントになります。

そこで私たちはまず、敵も味方も含めて誰が試合に出ていて、そのときにどれぐらい得点や失点の期待値の移動があったのかをずっと追っていきます。すると理由はわかりませんが、ある人がフィールド上にいるときには、得点の期待値が高まっているとか、失点のピンチを防げているらしいという傾向が見えてきます。つまり、結果からトップダウンに推論するのです。

個々のプロセスを積み上げるボトムアップ型では、測れない指標が多くて評価に限界があります。なので、データを取るのが難しいプロセスはいったん無視して、結果から誰が悪い結果や良い結果をもたらしていそうかを推論できるトップダウン型を採用しているわけです。

競技の性質・特徴によってトップダウンとボトムアップのバランスが変わってくる

 意思決定者が求めているのはシンプルな答えと思いますが、データサイエンティストの立場からすると、具体的な算出方法、計算式、あるいは定義までも含めて、どういう背景や考え方でそうなったか、とても気になります。具体的な指標の計算方法や、参考になった他の領域の指標がありますでしょうか。

長野氏 元々、バスケットボールやアイスホッケーからトップダウン的なアプローチの研究が始まっています。この2つの競技に共通するのは、野球のような区切りがないことと、出場人数があまり多くないこと、得点がそれなりに入ること、そして交代が頻繁ということです。バスケットボールはイメージできる方が多いでしょうが、アイスホッケーはもっと交代が頻繁で、そもそも申請が必要ないのです。フィールド内に5人いれば自由に出入りができます。こういう特徴を持つスポーツで分析官が何をできるかといえば、誰がいるときに、得点が伸びたり、失点が増えていたりする傾向を捉えることです。我々のオリジナルではなく、元々そういう研究があったのですね。

 サッカーは、区切りが少ない点は同じですが、選手の人数は多いですし、得点もあまり入りません。交代も制約があります。ラグビーも選手の人数が多く、交代に至ってはほとんどありません。そうすると指標の妥当性や信頼性が変わってくると思うのですが、そういう場合には、何か補足になる指標があったりするのでしょうか。

長野氏 それに関しては、ボトムアップな指標もある程度取り入れていく必要があるでしょう。実は今まさにラグビーでそれを進めていこうとしています。木下さんからラグビーのドメイン知識をいただきながら、このプレーは何のためにやっているのか、どのプレーとどのプレーがつながっていて、どれぐらい得点に寄与しているのかを、単純に回数だけではなくて質的なものも取り入れて分析しています。少なくとも集計できるものに対しては取り入れるようにしています。しかし、そもそも集計できないリーダーシップや巧みなスペースつぶしなどがあるので、基本はトップダウン的なアプローチで進めます。あとは、競技の性格や特徴からトップダウンとボトムアップのバランスが変わってくるのではないかと考えています。

 単純に指標が高い選手だけを集めた場合、そのチームは本当に強いのか? 巨人でいえば松井のような選手を打線に並べたら一番強いのかという話で、組み合わせという制約があるはずです。その点は、どうお考えですか。

長野氏 すごく難しい問題です。『スラムダンク』でいえば、得点力の高いゴリばかりで勝てるかというと、ボールを運ぶ人も、パスをする人も必要なわけです。ゴリばかりでは勝てません。

チーム編成において次のテーマになりそうなのは、選手の特徴、ポジション、役割や貢献度をどう組み合わせてケミストリーを生むかです。これが今後非常に大きなテーマになると考えていて、私たちもまず個人をしっかり評価するところから始めつつ、編成についても考えます。その際、2人や3人だとどうなのか、あるいは5人、10人だったらどうなのかを、選手のタイプを数値化・定量化して、組み合わせ問題を解いていくことが必要になるでしょう。

 実際には、ポジションごとに数値の高い選手を取ろうとすることになるのですか。

長野氏 現状では、組み合わせについては、現場の主観的な判断に任せています。主観的にどういう選手が欲しいのかを聞いた上で、その中で評価が高かったり、そういう特徴を持っていたりする選手をリストアップしているだけ。その選手が本当に取るべき選手なのかを判断する分析はできていません。

チーム編成の命運をエージェントに左右されないためには

崎山 ありがとうございました。パネルディスカッションは以上です。2度目の質疑応答に移りたいと思います。

社員4 個々の試合だけではなく、シーズン全体を通しての稼働率が重要ではないかと思っています。野球だと規定投球回数や規定打席数といった一般的な指標がありますが、サッカー、ラグビーなどのスポーツで、けがで出場できていないとき、シーズンを通してどれぐらい貢献しているか測りづらいと思うのですが。

長野氏 総合的な評価を考える上で、すごく重要な観点だと思います。得点と失点に対する貢献度も、今私たちが出している指標は1試合単位でどれぐらい得点や失点をもたらしたか、つまり効率に着目しています。仮に、ある選手が1試合あたり5点分のプラスの得点をもたらしてくれるように見えても、この選手が1試合しかプレーしていなかったら、トータルとして1シーズで5点しかチームにもたらしていません。その選手と比べると1試合あたり3点しかもたらしていないけれども、60試合フル出場していた場合は、180点もたらしたことになるので、1試合あたりの効率では低いけれども、トータル得点で考えると圧倒的に多くなります。

したがって得点への影響に関しては、横軸に効率、縦軸に試合数を取って、面積が大きい人がチームに勝利をもたらしている選手と評価すべきという観点が重要になってきます。

社員4 実際に「面積」が意思決定に使われているケースはあるのですか。

長野氏 今からやろうとしています。「面積」以外にも、最終的な評価に使える総合評価のための指標を考案している段階です。

崎山 ほかに質問はありますか。

社員5 私自身がバスケットボールをやってきて、数字に表れないプレーが勝利に貢献していると体感していたので、それをどうやって分析するのか、興味深く伺っていました。これまでのお話をまとめると、まずは誰が出場していると期待値が動いているかを追うトップダウンのアプローチがある。それに個人のプレー等を評価するボトムアップのアプローチを組み合わせる。そのために今まで数字になっていなかった部分を新しく数値化している――という理解であっていますか。

中村氏 そうですね。トップダウンの選手評価で、ある程度評価指標が決まります。では、その選手がフィールドにいると、どうして高い得点期待値が出るのかの説明を求められることがあって、その根拠付けとしてボトムアップな指標を使うことがあります。世界的なアナリティクスを見てみても、そのための新しい指標を作ろうとしている人が数多くいます。ただ、それはボトムアップな指標であり、私たちとしては、あくまでトップダウンの指標を大事にしたい気持ちもあります。

社員5 トップダウンの考え方を大事にしつつ、仮説的に、こういうプレーが影響しているのではないかというところを、実際に数字で説明するということですね。

中村氏 そうです。

 組織編成や年俸に関わる選手評価の指標は、まず意思決定者に提供するとおっしゃっていました。提供した指標を意思決定者にどう使ってほしいか、具体的な考えはありますか。

長野氏 明確な回答になっているかわかりませんが、そもそもは移籍マーケットに関する話だと思っています。GMの課題の奥を見ると、移籍マーケットの構造的な問題があります。基本的に選手とチームがいて、そこをつなぐ存在としてエージェントがいるという構造ですね。エージェントから売り込みを受けてチームは、獲得可能な候補選手をとりあえず手元に置いて、そこから評価を始めます。まず、そもそもエージェントが送ってくる情報自体が、世界中の選手の母数に比べるとかなり限定的になるので、その時点で選手の獲得機会を失っています。

またエージェントから送られてくる情報の質も良くない。まずフォーマットがバラバラで、テキストメール、Excel、PDFなどさまざまです。PDFで見栄えのいいレポートを作ってくるが、中身を見るとすごく簡単なプロフィールに、要約すると「俺はこいつは、いけてると思うぜ」というコメントを書いているだけのこともあります。これでどうやって数千万とか億単位の投資の意思決定ができるでしょうか。そこで、エージェントから送られてくる情報が適正で、それによって適切な意思決定ができる環境をまず作ろうとしています。

そもそも、エージェントから送られてくる情報でチーム編成の命運を左右されるのもおかしな話です。エージェントから売り込みがないけれども獲得可能な選手が世界中にどれぐらいいて、その中で自分たちが取りたいと思う選手がどこにいるのかという情報を、チームが知る機能を提供したいと思っています。

獲得可能な選手の見える化、アナログな意思決定の削減が最初の目標で、最終的には選手もチームも損失を被ることが減るようなデータの使われ方がされるとうれしいですね。

 まさに「データの民主化」であり、とてもすてきな取り組みだと感じました。すごい才能があるのに、エージェント関連のトラブルで、もっといいキャリアを歩めたはずなのにそうならなかった選手もいますので、貴社の取り組みは意義が高いと感じます。ところでデータに基づく評価指標を出しているのに、移籍市場で過小評価あるいは過大評価されるケースは、実際にあるのでしょうか。

木下氏 代表に選出はされていませんが、データによる評価がかなり高い選手が何名かいます。ただ私の経験上、1年から2年後には結局代表に選ばれるので、この微妙な空白期を捉えられれば、オールブラックスやイングランド代表になるような選手を早期に獲得できるのではないかと思います。先日も、あるチームに推薦している選手の中で、急に代表に選ばれた選手が出てきて、「おいおい。まだちょっと早いよ」と思いました。

長野氏 お金が高くなるからですか(笑)。

木下氏 リーグワンでは代表経験あるかないかで、外国人枠の扱いが変わります。組み合わせ問題がややこしくなるので、嬉しいやら悲しいやらです(笑)。

崎山 最後にオンラインの質問に答えてください。

「ある選手が移籍したら、目立った活躍ができなくなったということがあります。もし選手同士の組み合わせの指標ができたら、このようなケースは減るのでしょうか」

中村氏 我々はそこをまだ加味せず、あくまで選手単体でどのぐらいの貢献をしているかという指標を作っているので、逆に、組み合わせの上手な評価の仕方があれば教えていただきたいと思っています。実際に、チームが変わったときにどうなるかは肝だと思っていて、それをうまく予測することは、今後の我々の課題です。

木下氏 ラグビーに限った話でいうと、選手の組み合わせに関するデータサイエンス的な答えはまだ模索中ですが、「こういうタイプの選手が欲しい」というリクエストに応える機能は、中村さんが最近実装してくれました。欲しい選手像が明確であれば、一定の情報はもう出せるようになっています。エージェントが、いいタックルシーンだけ集めたハイライト動画を送ってきたけれど、ふたを開けたら全然タックルができないということはよくある話です。しかし、中村さんが実装してくれた機能を使えば、たとえば「激しくプレーできる選手」を世界中から探し出せます!

崎山 質疑応答は以上とさせていただきます。1時間という短い時間でしたが、ご堪能いただけと存じます。今日はお集まりいただきまして、本当にありがとうございました。


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