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Microsoft Fabric利用の第一歩:必要な準備について

公開日
2024.12.26
更新日
2024.12.26
Microsoft Fabric利用の第一歩:必要な準備について

Microsoft Fabric」の技術検証を基に、Microsoft Fabricの魅力や各種ポイントを解説していきます。

Microsoft Fabricとは、データレイク、データ分析、データ統合などのサービスが包括的なサービススイートとしてすべて1箇所で提供されるSaaSサービスです。データ収集、データ加工、データ分析、レポート作成等、データ基盤に必要とされる機能をシームレスに連携できるオールインワン分析ソリューションと言えます。

弊社においても、Microsoft Fabricをデータ活用民主化推進の有力なツールと位置づけています。

(以前の記事“データ活用の民主化を推し進めるための一つの解 -Microsoft Fabric-”にビジネス的視点から見たMicrosoft Fabricの良さを紹介しているので、こちらもぜひご覧ください!)

「Microsoft Fabric気になるな、使ってみようかな」というお客様も増えてきています。

Microsoft Fabricを迅速に導入するためには、いくつかの準備が必要です。
今回は「Microsoft Fabricはじめの一歩」として、Microsoft Fabricを導入する際に必要となるものを解説します。

何が必要?

結論から言いますと、Microsoft Fabricを導入する前に、次のものを準備する必要があります。

  • Azureサブスクリプション
  • 各種権限
  • ユーザーライセンス

こちらを順を追って解説していきます。

Azureサブスクリプション

Microsoft Fabricを導入するためには、「容量(SKU)」と呼ばれる個別のリソース プール(=コンピューティングと同義)を作成する必要があります。容量のサイズによって、Microsoft Fabricで使える処理能力が決まります。

参考:Microsoft Fabric の概念とライセンス

現在、容量はAzureサブスクリプション、または、Power BIサブスクリプションから作成できますが、Azureサブスクリプションから作成することを強くお勧めします。
理由としては、Azureサブスクリプションから作成する容量である「Azure SKU」はMicrosoft Fabricに推奨される容量であり、他にも以下の点で機能が強化されているためです。
主に、運用面において有用な機能が強化されています。

参考:Microsoft Fabric サブスクリプションを購入する

各種権限

Azureサブスクリプションから容量を作成するためには、容量を作成できる権限が必要となります。また、Azureサブスクリプションから容量を作成した後に、Microsoft Fabricポータル(Azureポータルとは異なる画面です)からMicrosoft Fabricの設定・管理を行う必要があります。その際にも、Microsoft Fabricの設定・管理ができる権限が必要となります。

Azure権限

Azureサブスクリプションから容量を作成するために必要な権限は、“Azureの権限”である以下のいずれかが必要になります。

  • Azureサブスクリプションの所有者権限
  • Azureサブスクリプションの共同作成者権限
  • 以下を実装したカスタムロール
    Microsoft.Microsoft Fabric/capacities/read
    Microsoft.Microsoft Fabric/capacities/write
    Microsoft.Microsoft Fabric/capacities/suspend/action
    Microsoft.Microsoft Fabric/capacities/resume/action

管理者にあらかじめ権限を付与してもらうか、管理者に依頼して容量を作成してもらうことになるかと思います。

参考:Azure SKU を購入する

Microsoft 365 管理者権限

Microsoft FabricポータルからMicrosoft Fabricの設定・管理を行うために必要な権限は、“Microsoft 365の権限(≒Entraの管理者権限)”である以下のいずれかが必要になります。

  • グローバル管理者
  • Power Platform管理者
  • Microsoft Fabric管理者

こちらも管理者にあらかじめ権限を付与してもらうか、管理者に依頼して容量を作成してもらうことになるかと思います。権限付与の場合は「最小権限の原則」に従い、“Microsoft Fabric管理者”を付与してもらうことを強くお勧めします。

参考:Microsoft Fabric の管理者とは?

ユーザーライセンス

ここで言う「ユーザーライセンス」とは、「Power BIのライセンス」のことです。ユーザーライセンスは、Free、Pro、Premium Per User (PPU)が存在します。
ユーザーライセンスは、主にMicrosoft Fabricに組み込まれているPower BIを使う際に影響します。

参考:ユーザーごとのライセンス

「Power BIは使う予定が無いから、ユーザーライセンスは不要かな?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、Microsoft Fabricポータルを使う以上、最低でもFreeのユーザーライセンスは必須となります。

参考:ユーザー ライセンス

以前検証したところ、Azureの容量作成の権限を満たしている、且つ、ユーザーライセンスを何も付与していない状態でAzureの容量を作成しようとすると、リージョンを選択する部分に下図のようなエラーメッセージが表示され、Azureの容量が作成できない状態になりました。

上記の事象は、Power BI Proのライセンスを付与してもらったことで無事解消できております。ドキュメントを読み込むって大事ですね。


まとめ

今回は「Microsoft Fabric利用の第一歩:必要な準備について」として、Microsoft Fabricを導入する際に必要となるものを解説しました。

<Microsoft Fabric導入に必要となるもの>

  • Azureサブスクリプション
  • 各種権限
  • ユーザーライセンス

「Microsoft Fabric導入ってどうするんだろう?」という方も、「早くMicrosoft Fabricを触ってみたい!」という方も、上記を準備しておくとスムーズに導入できるかと思います。


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2004年の創業以来、「データ活用の促進を通じて持続可能な未来をつくる」をミッションに掲げ、データの可能性をまっすぐに信じてきたブレインパッドは、データ活用を核としたDX実践経験により、あらゆる社会課題や業界、企業の課題解決に貢献してきました。 そのため、「DXの核心はデータ活用」にあり、日々蓄積されるデータをうまく活用し、データドリブン経営に舵を切ることであると私達は考えています。

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