メルマガ登録
DX(デジタルトランスフォーメーション)を実現するためには、新たなテクノロジーを使いこなしビジネスモデルの変革まで結びつけるまでの道筋を描ける人材が必要不可欠です。しかしながら、労働人口の減少に伴って日本ではIT人材の不足が深刻化しつつあります。
今回の記事では、DX推進に取り組む人材の役割を整理するとともに、IT人材の不足について紹介し、人材の調達方法を育成・外部調達の2種類に分けてご説明します。
▼リスキリングの意義などをより深く知りたい方はこちらもご覧ください。
なぜ今「リスキリング」が必要なのか?DX時代に生き残るための、人材育成の考え方と3つのステップ
IPA(情報処理推進機構)のレポートでは、DXを進めるのに必要な人材を6種類に分けて定義しています。ここでは、その6種類の役割を「ビジネスモデル変革に結びつける役割」「詳細をデザインする役割」「分析・実装に取り組む役割」の3つに分けて紹介します。
まず、プロジェクトをマネジメントする立場として、プロデューサーやビジネスデザイナーといった役割が挙げられています。DXを主導し、テクノロジーをビジネスモデルなり製品・サービスの変革に結びつけることが期待されます。
プロデューサーは、別名プログラムマネージャーとなっており、DXを進めるプロジェクトを統括します。現状に対する問題意識を持っており、柔軟なプロジェクトマネジメント能力と人材・予算のリソースマネジメント能力を備える必要があります。プロデューサーがいないと、先端テクノロジーを持っていてもうまくDXへ結びつけることが難しいでしょう。その意味で、プロデューサーは必要不可欠です。
次のビジネスデザイナーは、プロデューサーの描いた絵を具体化する役割を担います。ビジネス企画力と推進力を持ち、多様な関係者の意向を調整しながらプロジェクトを前に進めていきます。
要件を具体化し、デザインを設計する役割としてアーキテクトとUXデザイナーが記載されています。
アーキテクトはシステムを設計する担当者、UXデザイナーはその名の通りUX(ユーザー向けデザイン)を担当する人材です。どちらもプロデューサーやビジネスデザイナーの下で、技術的な側面からDXの詳細部分をデザインして実装担当者へ引き渡すポジションとなっています。
設計されたシステムを実装するためのポジションとして、データサイエンティストないしAIエンジニアや、エンジニアないしプログラマの2つが挙げられています。
データサイエンティストないしAIエンジニアは、AIやIoT、ビッグデータといったテクノロジーの発達に伴い、データ分析が高度化したことで需要が増加してきたと考えられます。収集したデータを分析し、DXの設計や分析へ結びつけることが期待されます。
エンジニアないしプログラマは、システムの実装やインフラ構築など、実際に作る部分を担う人材です。要件定義や設計だけでDXは進みませんから、やはり重要なポジションと言えます。
前述の通り、DXを実現するためには多様な人材を集めることが求められます。プロデューサーだけ、エンジニアだけをたくさん集めてもDXは実現できないでしょう。
しかし、このような多様な人材を集めるのは今後ますます困難になっていくことが予想されます。ここでは、IT人材の不足する現状と将来予測についてご紹介します。
2010年代後半の時点で、既にIT人材の不足が明確になっています。2019年に公表された経済産業省の資料によると、2018年の需給ギャップは22万人にものぼり、2020年には30万人に達します。その後も需要の伸びや労働生産性の上昇度によって予測に差はありますが、需要の伸びが高い状態が継続する仮定を置くと、2030年には最大約79万人ものIT人材不足が発生するとされています。
少子高齢化によって労働力人口は減少するものの、IT人材自体は2020年以降も緩やかに上昇すると考えられています。しかし、それだけでIT人材の需要を埋めるには至らないために、人材不足が深刻化し続けると予測されているのです。
前述の説明は、IT人材全体の不足についての説明でした。最初に説明した通り、DXを推進する人材にはプロデューサーやビジネスデザイナーのような上流工程を担う人材、データサイエンティストのようにテクノロジーを使いこなしてデータ分析を行う人材など、さまざまな役割があります。
経済産業省のレポートでは、従来のシステムの受託開発や保守を行う人材を「従来型IT人材」、IoTおよびAIを活用する人材を「先端IT人材」と呼び、それぞれの需給ギャップを調査しています。それによると、先端IT人材の需要が伸びて従来型IT市場が縮小に向かうため、従来型IT人材を育成して先端IT人材に転換しない限り、先端IT人材の不足が顕著になると考えられています。
先端IT人材はDX推進に重要な位置づけを担うため、その不足はとても深刻な課題です。また、こうした人材の取り合いも激化することが予想されます。
そう考えると、外部に依頼したり外部から採用したりするやり方に加え、社内のIT人材を育成するやり方が考えられます。外部に依頼する場合であっても、ベンダーに丸投げすると社内に経験が蓄積されないため、問題があると考えられます。この点は、経済産業省のレポートでも日本企業の問題点として指摘されているところです。
DX人材を育成すると言っても、役割は多様であるうえに求められるスキルも高度であるため、決して容易ではありません。そうかと言って、外部のベンダーに丸投げするのもおすすめできません。
そこで考えられるのが、システム開発の内製化とDX推進に向けて、外部からノウハウ提供してもらいつつ社内の人材が中心となってプロジェクトを進めるやり方です。ブレインパッドでは、これまでのノウハウを生かしてデータ活用人材育成サービスを提供しています。
例えば、データ分析の入門編として「データサイエンティスト入門研修(公開講座)」を実施しています。データサイエンスよってどのようにビジネス課題を解決していくのか、 データの可視化から分析で使用するデータのハンドリング、統計学や機械学習・ディープラーニングを駆使しながら実践的なスキルを身につけることができます。従来型IT人材をDX推進人材へ転換するための学び直しはもちろん、データサイエンティストになったばかりの初心者にも適した講座です。
「データサイエンスとは何か」のような概念的な知識であれば、インターネット上で検索することで理解できるかもしれません。しかし、それによって具体的にどのようなかたちで分析を行い、ビジネス課題の解決に結び付けるのかは、実践を通じて身につけるしかありません。データ分析の豊富なノウハウを持つブレインパッドだからこそ、提供できる人材育成サービスと言えます。各業界や企業向けのデータ活用プログラムも設計可能です。
今後経営層向けの講座や高度データ活用人材向けの講座も企画中で、多様なIT人材の育成に役立てることができます。
DX人材の育成については、下記記事もぜひご覧ください。
DXを推進するためには、マネジメントを担当するプロデューサーのような役割、設計を担当するアーキテクトのような役割、データを分析するデータサイエンティストないしAIデザイナーのような役割など、多様な人材が求められます。
しかしながら、社会全体のIT人材不足は顕著であり、今後ますます企業同士で人材の取り合いが激化すると予想されます。社内人材を育成し、DXを推進できる能力を持つIT担当を増やすことが必要でしょう。
その際、求められるスキルが高度であるため、社内のOJTだけで人材育成をまかなうのは難しいでしょう。ノウハウを持つ外部企業と連携して育成プログラムを設け、必要な人材育成に活かすことが大切です。
▼DXの定義や意味をより深く知りたい方はこちらもご覧ください
「DX=IT活用」ではない!正しく理解したいDX(デジタル・トランスフォーメーション)とは?意義と推進のポイント
この記事の続きはこちら
DX人材とは?必要な役割やスキル・適正、育成事例を解説
あなたにオススメの記事
2023.12.01
生成AI(ジェネレーティブAI)とは?ChatGPTとの違いや仕組み・種類・活用事例
2023.09.21
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?今さら聞けない意味・定義を分かりやすく解説【2024年最新】
2023.11.24
【現役社員が解説】データサイエンティストとは?仕事内容やAI・DX時代に必要なスキル
2023.09.08
DX事例26選:6つの業界別に紹介~有名企業はどんなDXをやっている?~【2024年最新版】
2023.08.23
LLM(大規模言語モデル)とは?生成AIとの違いや活用事例・課題
2024.03.22
生成AIの評価指標・ベンチマークとそれらに関連する問題点や限界を解説