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Google Cloudと考えるデータ活用の内製化では、DX推進において「内製化」が求められる背景と「内製化」の定義などについて議論しました。本記事では、ブレインパッドが提供する、データ活用の内製化支援オファリング「BrainPad DAY」の概要や活用事例などについて詳しく触れていきます。
※本記事は、2022年12月19日にオンライン配信された「Google Cloud と考える「データ活用の内製化」」のレポート記事です。
【関連】DXの「内製化」とは?ビジネス価値の創造をもたらす真の内製化
■登壇者紹介
独立系SIerにて、オンプレ、プライベート、パブリッククラウドのインフラ全般の技術知識から、お客様へクラウドシフト、クラウド活用、クラウド推進のコンサルティングを経験。ブレインパッドに参画後 企業におけるデータ活用のためのシステム企画から、活用を推進する組織醸成や人材育成のコンサルティングをプロジェクトマネージャとして対応。
大手IT企業、外資系企業、海外駐在、日系コンサルティング会社および外資系コンサルティングファームを経て、ブレインパッドに参画。戦略コンサルタントとしての経験を活かし、顧客企業のデータドリブン企業への変革、DX推進体制の強化、データ組織・人材開発の伴走支援、金融領域の活性化、デジタル基盤を含むトランスフォーメーションを実現するためのビジネス開発、プランニング等を担う。2022年10月より現職。一般社団法人金融データ活用推進協会(FDUA)標準化委員会委員長代行。
※所属部署・役職は取材当時のものです。
株式会社ブレインパッド・神野雅彦(以下、神野) みなさんこんにちは。ブレインパッドの神野です。このセッションでは、ブレインパッドの櫻井と共に、ブレインパッドが提供する内製化支援について具体的にお話ししていきます。
先日、データ活用の内製化支援オファリング「BrainPad DAY(ディー・エー・ワイ)」を発表させていただきました。では、「BrainPad DAY」の概要について、櫻井さんからお話を伺いたいと思います。
【関連】データ活用の内製化支援オファリング 「BrainPad DAY」
株式会社ブレインパッド・櫻井洸平(以下、櫻井) ブレインパッドでは、これまでに様々なお客さまに対して内製化支援を行ってきました。
そういった背景もふまえて、「BrainPad DAY」では、「お客さまご自身で、データ分析、データサイエンスに取り組んでみましょう(Let’s Do Analyses Yourself)」といったテーマを掲げています。
内製化の定義においては、ブレインパッドとして「企業が自社のリソースに対して、外部委託することなく、事業も含めて自走できる状態を目指す」ことを掲げております。データを使うだけではなく、使いこなしていくという点がポイントです。
多くの企業は、データ活用を行っていても、継続的な企業成長と価値向上を両立できない・環境変化への対応が上手くできない・人材育成の目標を描き切れていないといった課題をもっています。
そうした実状をふまえて、「BrainPad DAY」はシステムや分析を代用できればいいという使い方ではなく、次の3つの指標を企業価値への貢献として定めて運用していきます。
この3点を指標とすることで、企業価値向上や維持に向けて、クリエイティブエコノミーを実現し、ハイブリッド人材の創出・変化へ対応することが可能となり、内製化を維持していくことにつながるといえます。
神野 「BrainPad DAY」はブレインパッドが支援してきたサービスをアセットとしてまとめ、顧客のデータ活用の自走及びクリエイティブエコノミーを実現するための取り組みということですね。
では、6つのコンテンツに分かれている「BrainPad DAY」の内容について教えてください。
櫻井 「BrainPad DAY」は6つのオファリング(コンサルティングサービス)を組んでいます。企業におけるデータ活用促進に向けて、これらのオファリングによって自走できるようにすることが目的です。
1つ目はデータドリブンアセスメントです。データドリブンな文化を醸成するために何をすればいいのか、データを活用するためには何をすればいいのかといった課題に対して、今後打つべき施策・取り組みの検討を促します。
2つ目は、人材育成・分析伴走です。次のような課題に対して、ブレインパッドのデータサイエンティストがハンズオンやコーチングによって分析を伴走しながら支援するオファリングです。
データサイエンティストとしての育成戦略の策定も支援可能です。
3つ目はデータドリブン組織組成・組織変革です。DXを戦略と抱えながらも組織としての在り方に迷っていたり、取り組みの期待を最大化させるためにはどのような組織組成が必要なのかといった悩みに対して、次のような支援を行います。
4つ目はデータガバナンス整備です。組織もでき、人も育ったものの、どのようにデータを活用・整備したらいいのかわからないといった課題に対して、データガバナンスの成熟度評価や施策実行の支援を実施します。
【関連】【シリーズ】データガバナンスがもたらすもの-第1回 「データガバナンス」とは何か?
5つ目は、データ活用に関わるプロダクト導入です。ブレインパッドが保有しているプロダクトの導入支援や運用や活用を行うための施策の検討も実施します。
6つ目は、分析基盤の整備です。データ活用を行うための基盤の整備の進め方がわからない、データを集めるためのデータレイクを整備できないといった課題に対して、データベースであるDWHや情報分析基盤の要件定義から構築、導入まで対応可能です。
開発担当者と運用担当者が連携して協力するDevOpsや、最高レベルのセキュリティを担保しながら、高品質なソフトウェアを高速に開発するDevSecOpsの活用支援も範囲となっています。
神野 「BrainPad DAY」は私も共に作りましたが、改めて聞くと非常に多くのコンテンツで構成されていますね。
お客さまから、ブレインパッドは上流から下流まで全方位を支援するといわれており、サービスとしてもそういった内容のパッケージを作れたと思います。
データ活用やデータドリブンといった話題になると、データの内容や下流のシステムの話になるケースも多いものの、全工程のデータドリブンを支援していく姿勢が伺えました。また、お客さまの状況に合わせて、コンテンツを取捨選択し進めていくことが可能です。
では、実際のお客さまの取り組み状況について、櫻井さんからお話を伺いたいと思います。
櫻井 お声がけいただく課題は、「BrainPad DAY」の6つのオファリングのうち、データドリブンアセスメントからデータガバナンス整備、図表で言うと1から4までに該当するものが多くなっています。
「データ活用を推進しているものの、本当にこれでいいのか」といった場合はデータアセスメント、「人が育って来ているのかわからない、育てているが成果に結びついていない」といった場合は人材育成や伴走支援を行っていますね。
「育成を行ったものの、組織としての方針を定められていない」などといったケースでは、データドリブン組織組成や組織変革を行い、人材をどう活かしていくのかという観点からも支援を行いました。
では、2の人材育成・分析伴走、3のデータドリブン組織組成・組織変革、4のデータガバナンス整備の事例についてより細かく解説していきます。
過去の事例だと、データ分析は必要だと理解されており、自分たちも何かやらなければならないと思い、人材育成や教育からスタートした企業がありました。そのため、人材として、学ぶことができた・学ぶための知識も得られたという状態になっています。
しかし、業務内でデータをどのように活かすのか・効果が出るのかを明確にできていなかったことから、人材育成・分析伴走として現状を把握し、データサイエンティストとしてはどこまで成長すればいいのかといった成長戦略の策定を実施しています。
見つける力・解く力・使わせる力の定義を行い、初級であれば、データを活用するためには何をするべきなのか、上級であれば、データを活用できるようになったらどのようにビジネスに活かせるのか、といった指標を定めています。
【関連】【シリーズ】データガバナンスがもたらすもの-第4回 組織組成・人材育成とデータガバナンス(前編)
そして、人材が育つことによって組織をどのように大きくしていくべきなのか、といった課題にシフトしていきますね。そこで、データ分析チームからデータ分析部門への拡大の方法、人や企業としての優位性、周りの部との関係性の構築などのデータドリブン組織組成を支援しました。
こうなってくると、チームや部内だけではデータ活用の文化が進まなくなるため、社内の様々な場所で使用してもらえるようにデータガバナンスを整備する必要があります。データの品質やデータを抽出するためのプロセスの策定なども支援しています。
神野 文化醸成の大切さがわかる事例ですね。人だけ育てればいい、組織だけ出来ればいい、分析の環境があればいい、ということではないという点が大切なポイントだといえます。
ブレインパッドの施策も端からみると、枠組みのみに見えるものの、実際はお客さまに寄り添いながら組織を作ったり、人材を育成したりしてデータ活用・データドリブンに価値があるのかを経営層から一気通貫で文化として浸透させることが成功の鍵だと感じています。
櫻井 経営層の方々にアプローチを行い、様々な所から意識を変えていくことで内製化につながっていくというメッセージを、ブレインパッドとして伝えていきたいですね。
神野 「BrainPad DAY」の展開状況や支援状況を詳しく知ることができました。内製化によってデータドリブンが実現し、クリエイティブエコノミーによって新たなサービスや商品に対する価値を生む時間を創出できるようになっていきます。これが内製化の最も重要なポイントです。
例えば、ある業界のお客さまが、新事業領域への進出を検討していたとしましょう。そのお客さまが内製化に成功した場合、内製化のサービスプロバイダーとして、他業界に対して内製化を支援するといった動きも考えられます。これも新規事業領域のひとつの選択肢として考えることができます。ここが内製化支援のおもしろいところで、自分たちが体験し成功したものを、他の企業に水平展開することができるのです。お客さま自ら、変革の先端を担っていただくという興味深いチャレンジであると考えています。
内製化を軸にして、様々なビジネス展開も可能になると考えています。どこまでテクノロジーが進んだとしても事業展開を考えるのは人です。人が考えるための時間を作ることが今後より大切になっていくと想定されます。そのためには、全社員がリスキリングを行い、内製化を担える人材になることが大切です。
リスキリングの意義などをより深く知りたい方はこちらもご覧ください。
なぜ今「リスキリング」が必要なのか?DX時代に生き残るための、人材育成の考え方と3つのステップ
そして、ブレインパッドとして、その先になる「日本経済の活性化」に「BrainPad DAY」を用いて貢献していきたいと考えています。櫻井さん、本日はありがとうございました。
櫻井 ありがとうございました。
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