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ブレインパッドが提唱。今の日本企業が目指すべきDX内製化の理想形「DX内製化3.0」とは?

公開日
2023.06.28
更新日
2024.03.06

DXの「内製化」とは? ビジネス価値の創造をもたらす真の内製化」を公開して半年以上が経ち、企業の内製化の取り組み状況も変化してきたと感じる。半年前は、内製化と言ってもシステム開発や保守運用のテーマが中心的だったが、ここにきてDXやデータ活用に関わる内製化が注目され、実際に取り組む企業からの問い合わせが増えている現状だ。

しかし、内製化が完了したとして、その先に何があるのかという問いに答えられる企業は少ない。それによってブレインパッドのようなソリューションプロバイダーに求められる内容も変わってくるはずなのだが、「その先」に言及するプロバイダーもまた少ない。

そこで、前掲記事を執筆したブレインパッド執行役員で内製化支援担当の神野雅彦が、現在の内製化の位置づけとその先に目指す世界を改めて整理した。

DX内製化とは、データを使うことではなく、データを使いこなすこと

DXの「内製化」とは? ビジネス価値の創造をもたらす真の内製化」という公開記事の中で、内製化を「人や物、そして技術を外部に委託せず、社内のリソースでまかなうこと」、「言い換えると、自社の事業や様々な取り組みを自分たちだけで実行できる状態にすること」と定義しました。その上でDXの内製化を「デジタル/データを使いこなすための人材/組織および仕組みが自社で具備できていて、恩恵を享受できている状態」を指すとしました。

流行りのChatGPTに「DXの内製化とは何か」を聞いてみたところ、「企業が自社でデジタル技術を開発・導入することを指します。これにより、企業はより柔軟かつ効率的にデジタル化を進めることができ、競争力を高めることができます」とした上で、「戦略の策定」、「人材の確保と育成」、「アジャイル開発手法の導入」、「オープンイノベーションの活用」、「データの活用」という5つのポイントを示して、それぞれ回答してくれました。

また「DXの内製化には、データを活用することが欠かせません」とし、データ活用の内製化についても、「データ戦略の策定」、「データプラットフォームの構築」、「データ分析ツールの導入」、「データ分析人材の確保と育成」、「データの可視化と共有」、「データセキュリティの確保」の6つのポイントを示し、それぞれ解説してくれました。

別の機会にデータガバナンスとデータマネジメントについて尋ねたときは、今一つの回答だったのですが、内製化に関してはなかなか的を射た解説だと思います。

ChatGPTがある程度まともな回答をするということは、実際に内製化の取り組みが進んだことで理解が進み、きちっとしたことを言う人が増えてきたということだと思いました。それは喜ばしいことですが、では内製化のその先のステージを描いているお客様はどれぐらいいるのでしょうか。

お客様からも内製化に係る取り組みについて、話を聞く機会が最近多いのですが、「内製化のその先」については聞いたことがありません。新しい事業を創出するとか、新しいビジネスモデルを見つけていくといった抱負は伺うものの、具体的な話となるとまだまだ少ない印象です。

ブレインパッドでは、内製化の実現がクリエティブエコノミーの実現につながり、その結果企業のステージが変革することを伝えつつ、それをリードしていくと表明しています。その概念が下の図、「DXの「内製化」とは? ビジネス価値の創造をもたらす真の内製化」で述べたものです。

表題に書いてある通り、内製化の本質は、データを使うことではなく、使いこなし続けることです。その際にはビジネスとITをわけるのではなく、それらを統合したものとしての「デジタル」を意識する必要があります。ブレインパッドの持つ価値で企業のDXやデータ活用における重点課題を解決し、データドリブン組織化・新たな事業基盤の創出・新たなビジネス展開(=クリエイティブエコノミー化)を実現して、企業価値向上に貢献することが、内製化の目的――というのが図に描いてあることです。

今日は、この図の内容をもう少しスマートに伝えていきたいと考えています。たとえば「データドリブンでビジネスを高速化」と言ってもピンとこない人はまだまだ多いでしょうし、「クリエイティブエコノミーって何?」と聞かれて即答できる人も少ないでしょう。またデータドリブンの話をすると、今度はデータ活用の話があまりされなくなる傾向があるのですが、それも変な話です。噛み砕いて整理することが必要だと感じる次第です。


内製化のステージを定義してみよう

内製化について、改めて整理するに当たって役立つのが、「内製化ステージ定義」の図です。

これは、内製化という取り組みが単発の施策で完結するということではなく、中長期的に企業成長に寄与していくことのステージの変化を表しています。いわゆる成長における階段の登り方のようなものです。

内製化1.0は、システム/ITの内製化であり、システム開発・保守運用をインソーシングしていくステージです。

内製化2.0は、DX/データ活用の内製化で、デジタルおよびデータを使いこなすための人材・組織・仕組みを完備し、DX/データ活用に関して自走できる状態になることです。昨年末ぐらいから取り組みが進んできて、日本企業の多くが、この現在地にいると思われます。

内製化3.0は、DX/データ活用の内製化が実現した結果、ビジネスのパラダイムシフトが発生している状態です。企業がデータドリブンによる意思決定を実現し、ビジネスを高速で回すことが出来るようになり、生まれた余力から次々と新しいフィールドに挑戦していきます。

私たちブレインパッドのミッションは、内製化2.0を推進し、内製化3.0へと企業をリードしていくことではないかと考えています。


内製化1.0:システム開発や保守運用のインソーシング化

では、それぞれのステージをもう少し深掘りしていきたいと思います。

内製化1.0の定義は、「システム開発や保守・運用を自社の社員や設備などで対応できるように取り組んでいる状態」になります。キーワードとしては、オープン化、クラウド化、ローコード開発、RPA、XaaS活用などが挙げられます。お客様にとっては、開発コストの削減、保守対応の迅速化、それらによる既存ビジネスの効率化が大きなねらいです。またもう1つ、ビジネス環境の変化への迅速な対応も大きなねらいです。ソリューションプロバイダーは、自社の知識やノウハウを提供することで企業のデジタル化をサポートします。

このステージは日本企業の多くが元々取り組んで来たことになります。インターネットで「内製化」を検索しても、この内製化1.0のITアウトソーシングからのインソーシング化の話がほとんどです。ちなみに「DX内製化」で検索すると、ブレインパッドが上位にヒットします。大変ありがたいことです。

日本企業の立ち位置は内製化2.0にあると言っても、おそらく市場の内製化の認識はまだまだ1.0が中心なのでしょう。ブレインパッドとしては、まずはその認識を改めていくことが重要な使命ではないかと考えます。

内製化2.0:企業のデータドリブン組織化

内製化2.0の定義は、「デジタルおよびデータを使いこなすための人材・組織・仕組みを自社のリソースと必要に応じて外部のビジネスパートナーと協力しながら具備し、自走化してビジネス価値を創出する準備が整っている状態」を指します。つまり、「企業全体がデジタルおよびデータを使いこなすことをITとビジネスの両輪で進めていく概念が組織に根付いている状態」です。

お客様の目標は、人材育成や文化醸成に企業全体で取り組むことでITとビジネスを融合させ、データに基づいた意思決定ができるデータドリブン組織に生まれ変わることです。データドリブン組織になることで、デジタルおよびデータを使いこなしてビジネス価値を生み出せるようになり、既存ビジネスの付加価値を高め企業全体の価値向上を実現できるようになります。

ソリューションプロバイダーは、DX推進に必要なソリューションやノウハウを提供することで、企業がデータを活用してビジネス価値を生み出すことをサポートし、企業の継続的な成長に貢献するビジネスパートナーになることが目標となります。

そうありたいと考えていたり、目指し始めていたり、既に取り組んでいたりと進捗には差がありますが、多くの日本企業が現在2.0の状態だと考えられます。デジタル化が一段落して、データの価値に気づき、データを使いこなそうとし始めている状態です。ただ現時点ではまだツールなどのテクノロジーに振り回されている企業が多く、使いこなせていないのではないでしょうか?使いこなすためには、戦略・人材・組織・プロセス・データ・テクノロジーの観点で整備することが肝要です。こちらは、以前お話したデータガバナンスの5つの観点と同じなのです。

【関連】【シリーズ】データガバナンスがもたらすもの-第1回 「データガバナンス」とは何か?

特に、人材・組織における取り組みとして、リスキリングに取り組むお客様が非常に多くなってきている印象です。

人材育成やテクノロジーなど、取り組みはまだ限定的ですが、データの価値に気づいている企業の取り組みは積極的であり、「データ活用格差」が生じてくることを懸念しています。データ活用が進んでいる企業とそうでない企業とではビジネスのスピードが異なってくるため、格差が生じてしまうおそれがあるのです。私たちブレインパッドは、この格差を取り除くことを考え、取り組んでいかなければならないと思います。

いずれにしても、お客様の現状に合わせた内製化の取り組みが重要で、その中でも戦略や目的に見合った取り組みを実行することが最も重要です。

内製化3.0:ビジネスのパラダイムシフトを実現

内製化3.0の定義は、ビジネスのパラダイムシフトが実現できている段階です。内製化2.0を通じてデータドリブン化、すなわちデータに基づいた意思決定ならびにビジネスの高速化が実現することで、社員一人ひとりがクリエイティブで付加価値を生む仕事に時間を使えるようになります。そうなると従来とは異なるビジネス展開ができるようになります。

お客様が目指すところは、「デジタルおよびデータを使いこなしてビジネス価値を生む文化」を企業全体に浸透させ、ビジネスの高速化を実現することです。その結果、付加価値の高い新たなサービスや商品を生む時間が生まれ、新たな事業基盤の創造が可能になります。自社の内製化ノウハウを他企業に展開するなどのプレイヤーチェンジも発生するでしょう。

一方、ソリューションプロバイダーは、企業の新規事業立ち上げや事業転換の方向性に対するアドバイザリーを提供することで、企業のビジネス変革をサポートするビジネスパートナーになります。お客様とソリューションプロバイダーの両方が新たなビジネス展開を実現することで、日本経済の活性化に大きく貢献していくことになるでしょう。

内製化3.0の状態はまだまだ未知数であり、描き切れていません。現時点では、方向性が示されているに過ぎません。しかしながら、具体的に見えていないからこそ、企業がこの流れに進むことを期待し、その方向性を示すことにしました。

内製化3.0は、大きな可能性を秘めています。そもそもまったく異なる事業に挑戦するのはリスクを取る勇気が必要ですが、推進する立場からするとやりがいがあることです。銀行法改正により、銀行が金融以外のデジタル関連のコンサルティングに取り組むなど、全く異なる形のビジネスに進出する機会は、今後増えてくるものと考えます。これを踏まえると、日本経済の活性化にもつなげることができます。まさに勇気とやりがいのある取り組みではないでしょうか?

経営が右肩下がりだから新しい取り組みをしようというのではなく、付加価値を追求するために新しいことに挑戦することが肝要です。その結果、企業の経営に大きな恩恵をもたらすことが、内製化3.0の大きなゴールになるのではないでしょうか。

ただ内製化2.0の次のステージが3.0に進まなくても、データドリブンな意思決定をより高度化し、ビジネスをさらに高速化するような方向性、つまりデータドリブンの高度化を極めていく――「内製化2.5」への取り組みがあっても、良いと思います。

データ活用によって企業変革を実現するだけではなく、事業全体を変革させて、社内外へもたらす企業の恩恵を最大化させるのが内製化2.0の先というイメージを持っていただけると良いのではないかと思います。

内製化3.0を掲げて日本経済の活性化に貢献することを、ブレインパッドとしては、ぜひ取り組んでいきたい。内製化に係る方向性や、ビジネス価値を創出するビジョンを示していくことも含めて、支援を展開していきたいと考えています。

内製化支援ビジネスの今後の展望/日本経済活性化への想い

ここまでで、内製化のステージをわかりやすく定義できたと思います。企業は内製化3.0を目指すことで、日本経済および地域経済の活性化に貢献できると考えられるということですね。内製化2.0でも触れましたが、内製化の実現にはリスキリングが不可欠ですので、これはリスキリングがもたらす大きな付加価値とも言えます。

▼リスキリングの意義などをより深く知りたい方はこちらもご覧ください。

なぜ今「リスキリング」が必要なのか?DX時代に生き残るための、人材育成の考え方と3つのステップ

もう少し内製化3.0によるビジネスのパラダイムシフトについて、内製化支援ビジネスの今後の展望ということで話を進めたいと思います。

そもそもですが、日本の市場成長率を見ると、米国と比較して情報産業しか伸びていないのです。

当社中期経営計画より抜粋

これは、まさにビジネスとITを融合させた姿がうまく描けていないことと、IT産業側の支援の仕方も変革が求められているということではないでしょうか?

DX内製化を推進するに当たって、日本企業が超えなければならない壁があります。

当社中期経営計画より抜粋

以前から、内製化支援の記事を中心として、少子高齢化/SDGsの観点で、日本企業が陥る状況を述べてきましたが、その内容を人的資源に限ってまとめたものとなっています。

こうしてみると、内製化の重要性が改めて求められるとともに、私たちブレインパッドの支援の仕方も、変化していかねばならないと考えています。

内製化支援オファリングモデルというのは、ブレインパッドがお客様に提供するサービスで、7項目あります。それぞれの説明は、今日は割愛します。支援ビジネスの目指すところは、端的な事業やキャンペーン推進ではなく、企業そのものの変革です。日本企業の変革を似合う真のビジネスパートナーが私たちブレインパッドの将来像です。

【関連】ブレインパッドが提供する内製化支援オファリング「BrainPad DAY」とは

展望としては、お客様がビジネスパラダイムシフトを自走できる状態にすることで、お客様が継続的にビジネスを遂行する基盤を作ることと、次の付加価値の高いビジネスを考える余裕を作り出すことです。私たちが培ってきたデータサイエンスの知見をフル活用して、お客様のネクストを定量と定性の両面から考察し、新しいビジネスを導き出して、支援する。

さらに言えば、「デジタル後進国」である日本をデジタル先進国に生まれ変わらせて、「Japan Reboot」を実現することまでを視野に入れています。「いつまでもプロタイプを作っているのではなくて、早く花開かせて、日本を変えていこう!」と言いたいわけです。

当社中期経営計画より抜粋

当社中期経営計画においても、日本のデジタル競争力の弱さを課題視しています。この内容を見て、悲観的になるというよりも、伸びしろが非常に大きい、日本はまだまだ成長できるという考えを持ちたいと思います。

先ほど「大変だと思うと同時にワクワク感もある」という発言がありましたが、このようなビジネスを推進するにはいわゆる「馬力」が必要なのです。

クリエイティブエコノミーの創出

内製化2.0のゴールであるデータドリブンの実現が、内製化3.0の目指すビジネスのパラダイムシフトにどのようにつながっていくかを考えみましょう。

まずデータドリブンの実現で、組織が高度化され、意思決定が迅速になり、ビジネスがより高速に回転し始めます。つまり、ビジネスが高速回転し始めることで、収益も最大化させることができるということです。

その結果、これまで従事していた業務に関わる時間が短縮され、余裕が生まれます。その余裕を新しいことを考える時間として使うことで、新規事業などが生まれてきます。それがまさしく「クリエイティブエコノミー」ということです。クリエイティブエコノミーと言うと芸術や文化で収益を上げる企業(による経済圏)という印象が強いのですが、実はITやソフトウェア産業も含まれています。したがってデジタルやデータ活用による恩恵として目指す方向を、クリエイティブエコノミーと考えることもできるわけです。

さてクリエイティブエコノミーが実現できると、何が良いのでしょうか。

【関連】Google Cloud と考えるデータ活用の内製化

クリエイティブエコノミーを実現することで新しいことを考えるための時間が生まれると言いました。個人単位では小さい時間かもしれませんが、企業という集合体になると、非常に大きな時間となります。その大きな時間から行動と思考に余裕が生まれ、クリエイティブ力が高まり、新しいビジネスやフィールドの開拓など、新規事業による生産性の高まりが期待できます。

この取り組みをリードする役割が重要になりますが、企業は組織力が肝要、つまりチームになってこそ力を発揮できます。たとえばスーパープログラマーやスーパーデータサイエンティストがいても、その人が課題を解く力しか持っていなくて、課題を見つける力や分析結果を使わせる力を持っていなければ組織に大きな貢献はできません。しかし同じチームに見つける力や使わせる力を持っている人がいれば、組織に大きな貢献ができます。これがチームワークの力です。

ということは、クリエイティブエコノミーによって時間が生まれて、チーム力によって新しい取り組みに挑戦できるのであれば、結果としてビジネスのパラダイムシフトも実現できるようになるかもしれないということです。

だからこそ内製化3.0の目指すべき姿というのは、内製化が完了するだけでなく、自走できる状態が維持できていることになるのです。そうなって初めて新しいビジネスへ向けて自社を変革させていく、すなわちビジネスのパラダイムシフトが内製化3.0のゴールとなり得るということです。

時間が増えるだけでなく、内製化2.0によって個々のスキルも組織力も高まるので、何かを生み出すこと自体も速くなる。それによって多くのものを生み出て、付加価値も増えていくと考えるとわかりやすいかと思います。

時間が増えるだけでなく、人材の質も高まり、それがビジネスのパラダイムシフトに結びついていくという理解で十分かと思います。

ビジネスのパラダイムシフト自体は既に前例があります。富士フイルム様がヘルスケア事業に、デジタル企業のDeNA様が介護事業に、SMFG様がソリューションプロバイダー事業に進出した等がそれです。同様のことがデータドリブン化の実現で、多くの企業で可能になっていくことでしょう。

内製化4.0で日本経済がさらに活性化する?

ところで内製化4.0というのはあるのでしょうか。3.0が描き切れていない段階なので、4.0も定義できませんが、おそらくビジネスのパラダイムシフトがより高速化しているような状態でしょう。

実は同じようなことがITバブルの時代にもありました。プロバイダーサービスをしていた会社が広告業に変わり、モバイルアプリを作るようになり、ソーシャルゲームで稼いで――とビジネストレンドの最先端に最優先で取り組む企業がいくつもあったのです。ただし、それは小回りの利くベンチャーや中小企業だから可能だったことです。それが内製化4.0の時代になれば大企業にも可能になると私は予想しており、そうなれば日本経済の活性化にさらに拍車がかかるでしょう。

“Key Success Factor”の図にもあったように、日本経済の活性化は地域の活性化によってもたらされるので、日本全体として大きな経済効果が得られると考えています。

ただ先ほども述べたように、企業によって目指す姿は異なります。内製化2.0から3.0を目指す前に2.5を極めて目指すのもいいでしょう。しかしながら、中心にあるのはDXやデータ活用であり、その恩恵から生み出された結果であると考えます。このような理解が日本中に浸透して、日本全体が盛り上がり、内製化3.0、4.0へと進んでいくことを望んでいます。

「データは21世紀の石油である」、「データは第4の資源である」などと言われて久しい。データはまさに資源なのです。それほど重要なものであり、データ活用の進化が「内製化3.0」という言葉で理解され、進んでいけばと願っています。

内製化3.0で大企業ではまず事業部単位で新しいモノやサービスが出てくるのでしょうが、いずれに部門単位でも生み出されるようになるのだと思います。そうなると世の中に出るものが増えて、ヒットする商品やサービスも増えるはず。数が増えるだけでなく、データ活用で成功する確率も高まるわけですから、ヒット商品・サービスの創造にさらに拍車がかかっていく。そうなると働いている人も面白くなる、という良いサイクルが回りだし、新事業がさらに高速に生み出されていく。

ただ、今でも新規事業のコンサルティングサービスは多いです。ブレインパッドは、どう差別化していけばいいのでしょうか。

データの専門家だからこそ、「データ活用で成功する確率が高まる」のだとしたら、一般のコンサルティングサービスよりもデータ活用に長けているブレインパッドが有利になるはずです。先ほど「定量と定性の両面」という言葉を忘れないでほしいとお願いしましたが、まさにこの両方で分析できることにブレインパッドの大きな強みがあるのです。

意義が大きい取り組みだというのはもちろん、お客様と一緒にビジネスを考えていくようになることで、私たちもお客様の視点を通して社会が見えるようになる――それって魅力的なことだなと思います。

データドリブンがあたりまえになる中で、データを通して生活者の先を読むこともあたりまえになります。この2つを掛け合わせると、「あ。こういうのが欲しかった!」という気づきを生活者にもたらすことが、どの企業にも可能になる。ここに内製化3.0の価値があると思います。それをお客様と一緒にやっていくことで、クールジャパンじゃないですが、日本はもっとクールなことができるようになるのではないでしょうか。

データ活用の民主化という言葉がありますが、どうもデジタルツール導入やダッシュボード構築などの「見える化」の話が中心になっていると思います。しかし本来は意思決定の民主化、すなわちデータドリブンの民主化を目指すべきであり、その民主化を自分たちの力だけで得られるようになる状態が内製化3.0だと言えるのかもしれません。お客様がそのような状態になることを前提に私たちプロバイダーは次のことを考える必要があると思います。それが経済効果を生み、日本経済の活性化につながるのです。

まとめ

今回は、DX内製化3.0に向けてということで、内製化のステージ定義をした上で、日本企業が目指すべき方向性をお伝えしてきました。

今後多くの企業が内製化に対応しなければならない状況に迫られてくると考えています。これを踏まえて、改めて内製化の必要性とゴールを考えていただき、取り組んでいただければ幸いです。

ブレインパッドとしては、引き続きDX内製化およびデータガバナンスに係る記事の連載および情報発信をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

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株式会社ブレインパッドについて

2004年の創業以来、「データ活用の促進を通じて持続可能な未来をつくる」をミッションに掲げ、データの可能性をまっすぐに信じてきたブレインパッドは、データ活用を核としたDX実践経験により、あらゆる社会課題や業界、企業の課題解決に貢献してきました。 そのため、「DXの核心はデータ活用」にあり、日々蓄積されるデータをうまく活用し、データドリブン経営に舵を切ることであると私達は考えています。

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