データ統合とは、形式が異なるデータをそろえて活用しやすくすることです。データ統合を行うと、組織にとってさまざまなメリットがあります。この記事では、データ統合の概要とともに、データ統合を進めるうえでのポイントを解説します。組織内で蓄積しているデータを有効活用するために、ぜひ参考にしてください。
そもそもデータ統合とは?
データ統合とは、別々の種類のデータやデータベースを統合して幅広く活用できるようにする方法です。
部門ごとに異なるシステムやソフトウェアを利用しているなど、データが分散して存在しているケースがあります。その場合、データのフォーマットやラベル名も部門ごとに違うため、スムーズに連携させられません。データを活用するためには、組織内に分散しているデータを統合することが重要です。
データ統合の主な目的
データ統合の目的は企業によってもさまざまです。ここでは、具体的な目的について解説します。
データの分析
データ統合を行うことで、データの質が上がりより深いデータ分析が可能となります。別々に管理されているデータを単体で分析しても、求める情報が得られるとは限りません。自社が保有しているデータを可能な限り統合し分析すると、それまで把握できなかった詳細な状況を確認できる可能性があります。
マーケティングにおいて重要な顧客理解にはより多くの情報をベースとしたデータ分析が欠かせません。また、自社分析、市場分析、競合分析の3C分析を進めるうえでも、幅広い情報を集めて統合する必要があります。
重要な情報の可視化
データ統合は、自社にとって重要な情報を可視化するうえでも必要不可欠です。ビジネスを取り巻く環境は激しく変化しているため、企業は経営状況を正確に把握したうえで方針を定めなければなりません。その場合、自社に関するデータをなるべく細かく確認する必要があります。
役立つ情報が蓄積されていても、バラバラに管理されていれば状況を正しく理解できないでしょう。データ統合を行ったうえで分析を進めれば、重要な情報を正確に捉えられます。
業務効率化
それぞれの部門が独自にデータを管理している場合、必要なデータへアクセスするためには多くの手間がかかります。複数のシステムにログインしてデータを集め、フォーマットをそろえなければなりません。
しかし、組織内のデータをまとめて管理していれば、複数のデータを取得したい場合も簡単な作業だけで済むため、業務効率化につながります。データをまとめて管理できるツールを活用すれば、よりスムーズです。
情報漏えい対策
複数のシステムでデータを管理していると、手動でデータを抽出して受け渡す場面が多くなります。人間がミスを起こす可能性はゼロにできないため、日常的に手動でデータを扱っていると情報漏えいにつながるリスクがあります。機密情報が漏えいすれば大きな問題に発展するため、要注意です。
一方、組織内のデータを統合すると、データの抽出や受け渡しの自動化が可能です。人間が介在しないため、情報漏えいにつながるミスが起きるリスクを抑えられます。
コスト削減
部門や業務のプロセスごとに別のシステムでデータを管理している場合、それぞれのデータをまとめて活用するためには間接作業が多くなります。間接作業が多ければ多いほど、コストも高くなるのが一般的です。
あらかじめデータを一元管理しておけば、それぞれのデータをまとめて活用する際の間接作業は必要なくなります。余計なコストがかからないうえに、よりスピーディにデータを利用できるようになります。
データ統合のメリット
データ統合にはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、具体的なメリットについて解説します。
情報サイロ化を解決できる
サイロ化とは、各部門が情報共有せず独自に業務を進めており、それぞれが孤立している状態です。各部門が別々にデータを管理していると、情報サイロ化に陥りやすくなります。
システムを統一してデータをまとめて管理できる体制を構築すれば、情報のサイロ化を解決できます。貴重なデータを有効活用できるようになり、ビジネスの発展にもつながる可能性が高いです。
データ分析を自動化できる
組織内のデータを集約すれば幅広い情報を集められ、分析によりビジネスに役立つさまざまな結果を得られます。データを統合して管理する場合、システムで分析を自動化させられます。人間がいちいち分析作業を行わなくてもさまざまな結果を確認でき、効率的にビジネスを発展させるための取り組みが可能です。
AIによる分析ができる
自社が保有するデータの分析をAIに任せている企業も増えています。AIの分析で正確な結果を得るためにはビッグデータが必要です。データ統合を行えば組織内の幅広いデータを集約できるため、ビッグデータを簡単に得られます。AIによる分析を取り入れたいと考えているなら、同時にデータ統合も進めましょう。
データ統合のデメリット
データ統合にはデメリットもあります。たとえば、さまざまな部署が扱っているデータをまとめて管理すると、システムが複雑化して使いにくくなる恐れもあります。スムーズにデータを管理するためには、ほかのデータと統合するのが困難なデータは引き続き個別で管理するのもひとつの方法です。別のデータ統合の方法も検討してみましょう。
また、データ統合を進めるうえではコストもかかります。どの程度の予算を割けるか考慮しながら、データ統合の方法を決めましょう。
データ統合の活用事例
データ統合はさまざまな業界で活用されています。小売業では、売上や顧客に関するデータを統合して分析しているケースがあります。パターン別に顧客をわけ、セグメントにあわせた最適なマーケティングを実現しました。
また、製造業では、設備にセンサーを搭載してIoT化し、取得した膨大なデータをAIで分析しているところもあります。設備のエラーの兆候を事前に察知し、視覚化して確認できるようにしています。
データ統合に活用できるプラットフォーム(基盤)
データ統合を進めるうえでは、ツールが必要不可欠です。ただし、データ統合に活用できるツールとしては複数の種類があり、選ぶツールによって特徴は異なります。自社の目的や扱うデータにあわせて最適なものを選びましょう。
たとえば、顧客の氏名、住所、メールアドレスなどの個人情報を統合して管理するためには、CDPが有効です。一方、CookieやIPアドレスなど匿名の情報を扱う場合は、DMPを活用できます。それぞれできることや役割が違うため、注意が必要です。選ぶ前に自社の状況を確認し、有効活用できるプラットフォームを選んでください。
データ統合を行う際のポイント
データ統合を行う際は、さまざまなポイントを意識する必要があります。具体的に解説します。
データを統合して何を実現したいか決める
データ統合はあくまでも手段であるため、単にシステムを導入するだけでは意味がありません。自社の目的を明確にしておき、データ統合により得られるビッグデータをどのように利用するのか決めておきましょう。目的や活用方法を明らかにしておけば、自社に最適なツールを選んだうえで有効活用しやすくなります。
データ統合をどのように進めるか検討する
扱うデータの種類によっても、最適な統合方法は変化します。データの種類を考慮し、組織内でのデータ統合をどのように進めるか考えましょう。
また、データを統合するには、専門的な知識や技術をもつ人材も確保しなければなりません。組織内で人材を確保するのが難しい場合は、他社へ外注するのもひとつの方法です。
データ統合を継続的に行う
統合のための設備を整えるだけでは、データを有効活用できません。システムを導入したら、継続的に状況を確認して適宜改善を加えましょう。データの分析や活用の様子をこまめにチェックし、問題点や改善点がないか確認してください。よりよい方法を検討して実践を繰り返していけば、自社にとって最適な状況に近づけます。
まとめ
データ統合を進めれば、自社が保有するさまざまなデータを有効活用できます。自社の課題を踏まえ、目的にあわせてデータ統合を進めましょう。
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記事公開日:2021年7月28日
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