レコメンドメールとは、顧客一人ひとりのニーズに沿った情報を提供できるメールマーケティング手法です。うまく活用することで、Webサイトの流入増加や売り上げの向上が期待できます。この記事では企業のマーケティング担当者に向け、レコメンドメールの特長や効果的な活用方法などを解説します。自社のマーケティングや売上拡大に役立ててください。
レコメンドとは?について知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
レコメンドとは?マーケティングで活用できるレコメンドシステムを徹底解説
レコメンドメールとは?
レコメンドメールとは、レコメンドエンジンに蓄積されたWebサイト内での閲覧履歴や購入履歴などの行動データを利用して、顧客一人ひとりに合わせた内容のメールを送るマーケティング手法です。、ハウスリスト内の顧客に対して同一内容のメールを一斉配信するメールマガジンとは違い、レコメンドメールは顧客それぞれのニーズや行動に合わせたコンテンツを発信できるのが特長です。
レコメンドメールの種類
レコメンドメールには、主に3つの種類があります。それぞれの種類について詳しく解説します。
協調フィルタリング
協調フィルタリングとは、顧客の閲覧履歴や行動履歴をベースにレコメンドメールを送る手法です。チェック・購入したデータとほかの顧客の同様のデータからパターン化し、関連した商品を提示します。ECサイトで表示される「購入した人はこちらの商品も一緒に見ています」「過去にこの商品を見ました」などが該当します。
コンテンツフィルタリング
コンテンツフィルタリングとは、商品のカテゴリー、色、価格などのコンテンツの属性情報をベースにおすすめの商品を紹介するレコメンドメールです。顧客の閲覧・行動履歴にあわせるのではなく、商品データ同士を関連づけて提案します。例えば、「こちらの商品もおすすめ」「こちらのサービスもおすすめ」などが該当します。
ハイブリッド
ハイブリッドとは、強調フィルタリングやコンテンツフィルタリングなど、他のレコメンド機能を組み合わせたレコメンドメールの種類です。複数のルールに基づいて、顧客に最適な商品やサービスを紹介できます。ハイブリッドには明確な定義がなく、レコメンドエンジンによってフィルタリング・提案方法が異なります。
日本でレコメンドメールが求められている背景
レコメンドメールはECサイトやコンテンツ配信サービスなどの運営に効果的と言われ、手段として用いる企業が増えています。なぜレコメンドメールが求められているのでしょうか。
顧客側のニーズ
レコメンドやパーソナライゼーションが、海外発の大手ECサイトや動画配信サービスなどを中心に実装されているケースが増えています。、そのため、顧客側がレコメンドやパーソナライゼーションについてを理解し始めており、心理的抵抗感を持つ顧客が減っているようです。米国企業の調査では「顧客側は自分に関連するメールを役立つと思っており、希望するようになっている」という調査結果もあります。
企業側のニーズ
先述したとおり、顧客側は自分のニーズに合ったメール内容を求める傾向にあります。企業側が顧客一人ひとりのニーズに合ったメールマーケティングをおこなうためには、顧客ごとの配慮や訴求力が高いコンテンツの作成が求められます。。しかし顧客数が膨大な場合、一人ひとりに個別化した訴求メールを手動作成することは現実的ではありません。そのためツールを導入し、効率的にレコメンドメールを作成・配信しようというニーズが増えています。
レコメンドメールのメリット
レコメンドメールを導入することで、サイト運営者に多くのメリットがあります。ここではレコメンドメールのメリットを詳しく紹介します。
接客の自動化
レコメンドメールは、顧客に最適化されたメールコンテンツの作成・配信の自動化が可能です。レコメンドエンジンにてルールベースを作成しておくと、蓄積された顧客の行動データを用いて顧客に最適な内容のメールを最適なタイミングで送信できます。
追客の自動化
追客とは、Webサイト訪問したが購入まで結びつかなかった人や会員登録しただけした人に、再度Webサイトへの訪問や商品の購入を呼びかけることです。レコメンドメールを発信すると、効率的に追客ができます。発信されるレコメンドメールは、顧客の行動データに合わせた内容のため、顧客がより反応しやすくなる傾向があります。カゴ落ちメールと呼ばれる、商品カゴに商品を入れたが購入しなかった顧客へメールで追客するのがわかりやすい例でしょう。
開封率のアップ
レコメンドメールは同一内容が一斉に配信されるメルマガと比較して、開封率が高いと言われています。一斉配信とわかるメールマガジンは、顧客一人ひとりに最適化されていない件名やメール内容であることが多いため、機械的に送っていることがすぐにわかり「開封されにくい」という傾向があります。
一方、レコメンドメールは顧客一人ひとりのニーズに合った件名や内容、タイミングで配信できるため、個別最適化されていない一斉配信メールに比べ開封率アップが期待できます。
業務改善の効率化
レコメンドメールで導入するツールの中には、導入後の結果をレポートする機能を持つものもあります。レポートで得られた情報によりPDCAサイクルを回しやすくなり、コンテンツの改善も行いやすいです。またA/Bテストを行い、顧客の反応を実験的に調べる手法も導入できます。
レコメンドメールのパターン例
レコメンドメールは表示させられる内容がいくつかあり、目的に合わせで活用する必要があります。ここでは、レコメンドメールのパターン例を紹介します。
トップセラー商品の表示
Webサイト全体で売上の高い商品をランキング形式で表示するパターンです。売れ筋商品が一目でわかり、Webサイトを現在進行形で閲覧している顧客に対する施策として有効です。Webサイト全体の売り上げだけではなく、一ヶ月や一週間など期限を決めてランキングにしている場合もあります。
おすすめ商品の表示
顧客が閲覧したカテゴリーの範囲で、売れている商品をおすすめで表示するパターンです。商品のカテゴリーを決めているものの、具体的に購入する商品を決めていない顧客に対して有効なアプローチです。
サイト離脱者向け表示
購入にまで結びつかなかった顧客への追客を目的として、メールを配信します。Webサイトを見ているものの、購入まで至らなかった人に対しては、カートに入っている商品やカテゴリーに関するおすすめ商品を表示するパターンが有効です。
かご落ちした顧客に対する施策として高い効果があります。商品によっては上位クラスの商品を紹介するアップセルや、セット販売をするクロスセルに誘導することも可能です。
効果的なレコメンドメールの配信方法
レコメンドメールを効果的に配信するにはどうすればよいのでしょうか。ここでは、効果的なレコメンドメールの配信方法について解説します。
多種多様なデータ活用プラットフォームとの連携
レコメンドメールはレコメンドエンジンに蓄積されたデータ以外にも外部データやアナリティクスツールなどと連携により、効果を高められます。レコメンドメールの効果をより活用するために、GoogleアナリティクスやAdobe AnalyticsなどのようなWebサイト解析ツールと連携すると詳細なユーザー行動データ収集が可能です。
「Rtoaster action+」では豊富なテンプレートを組み合わせて施策できます。1つのツールで多くのプラットフォームの役割を果たせるため、サイト運営側のニーズと顧客のニーズの2つを同時に最大化できます。
レコメンドメールとサイト内レコメンド機能との連携
レコメンドメールとWebサイト内レコメンド機能を連携し、レコメンドメールから訪問した顧客にとって最適な情報を提示することで、コンバージョンにつながりやすくなります。レコメンドメールの作成では、Webサイト内で購入するなど、顧客の具体的なアクションにつながる設計が重要です。サイト訪問後の顧客の動線まで考えなければ、せっかく訪問させてもその後の購買行動などにつながりません。
レコメンドメール導入の注意点
レコメンドメールの導入は、サイト運営において大きなメリットがありますが、注意点もあります。ここでは、レコメンドメール導入での注意点について解説します。
コスト
ツールの導入で成果を出すためには、コストとWebサイトの利益を天秤にかけて検討する必要があります。レコメンドメールの効果がすぐに出るとは限らないため、中長期的な見方で考えることが大切です。目標に対するコストとWebサイトの利益を照らし合わせて検討するようにしましょう。
データ量
レコメンド機能を活かすためには、一定量の顧客の行動データ量が必要です。立ち上げたばかりのWebサイトやアクセスが少ないWebサイトの場合、データが少なく、適切な分析ができないため、レコメンド機能の精度が落ちる可能性があります。データ不足による問題がある場合は、まずWebサイトの流入を増やす施策が優先と言えるでしょう。
カートシステムの種類
ECサイトのカートシステムの種類によっては、レコメンドが正常に機能しない可能性があります。将来的にレコメンド機能を利用したくても、カートシステムが対応していなければ、非対応です。レコメンド機能が活用できるか、あらかじめカートシステムの状態を確認する必要があります。
費用効果
扱う商品やサービスによって、費用対効果があわない場合もあります。一般的にはレコメンドエンジンを導入しレコメンドメールを活用すると、CV率は上がると言われていますが、自社では費用対効果がどれだけあるのかは、ある程度シミュレーションしておくべきでしょう。試算方法は、サービスの提供者に相談してみることもおすすめです。
モバイルへの最適化
扱う商品やサービス、BtoBかBtoCかにもよりますが、近年ではデスクトップパソコンからだけではなく、スマートフォン(モバイル)やタブレットからのWebアクセスも考慮する必要があります。そのため、レコメンドメールがあらゆるデバイスに最適化した内容・見栄えで配信できるのかを確認することも大切です。最適化しているツールであれば、より自然な流れでWebサイト流入につなげられます。
まとめ
レコメンドメールは、ニーズの多様化に対応して売り上げを上げるために欠かせない方法のひとつです。レコメンドメールを効果的に利用するには、目的に合わせたツールを選ぶことが大切です。
ブレインパッドのRtoasterは、あらゆる顧客データを統合・分析し、精度の高いパーソナライズを実現するCDP/プライベートDMPです。データの収集から分析・可視化、あらゆるツールへの連携までワンストップで提供しています。連携先も豊富なため、現在活用されているツールやシステムとの組み合わせも可能です。
レコメンドメールの導入検討される際は、ぜひ一度ご相談ください。
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