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データドリブンを強化する「ANAショッピングA-style」
「せっかく貯めたANAのマイルもいっぱい持っていないと使えない・・・」お客様にそんな想いをさせないために全日空商事が運営しているのが、1マイルから使えるECサイト「ANAショッピングA-style」。2010年から「Rtoaster」をご導入いただいていましたが、2018年にデータ活用の取り組みを更に強化。様々な切り口での分析レポートからファクトベースで改善を重ね、売上が落ち込んだ商品カテゴリの売上補填などにも成功されています。これまでのデータ活用やECサイトの取り組みについて、全日空商事株式会社 デジタルマーケティングカンパニー ECビジネス事業部のマネージャー二川様・鶴田様にお話を伺いました。
施策・導入のイメージ
導入後の成果・ポイント
- データ活用基盤の早期構築がファクトベースで考えるきっかけに
- 蓄積されてきた緻密な顧客データは、売上に困った時にこそ効果を発揮する
1.事業内容と特徴
Rtoasterを導入されているECサイト「ANAショッピングA-style」について教えてください。
- <二川様>
- ANAのマイルが、「1マイル1円から使えるECサイト」です。搭乗でマイルを貯めてみたけれども特典航空券に交換するだけのマイルは貯められずに失効させてしまったという方は結構多いと思います。特典航空券への交換に満たないマイルであっても「A-style」であればマイルでの決済に加えて現金の併用も可能であるため、1マイルも無駄にしてしまうことはありません。
デジタルマーケティングカンパニー
ECビジネス事業部 マーケティングチーム マネージャー
二川 健作 様
A-styleにはどのような商品があるのでしょうか?また人気商品は?
- <鶴田様>
- 商品は幅広く取り扱っています。ワインやグルメ商品、バッグやトラベルグッズの人気が高いです。また、「ANAオリジナル」の商品もおかげさまで人気が高いです。特にANAらしい商品ということで言いますと「機内カート」(機内で客室乗務員が押している、あれです)やラウンジや機内で使っているアロマ、機内でお出ししているコンソメスープなども非常に人気が高いです。
ECビジネス事業部 マーケティングチーム
鶴田 祐貴 様
ANAショッピング A-style
(https://www.astyle.jp/)
2.データ活用基盤の早期構築がファクトベースで考えるきっかけに
「A-style」ではRtoasterをどのように活用しているのでしょうか?
- <二川様>
- お客様のサイト内の動きから興味・関心をスコア化し、加えてお客様でご使用いただけるマイル数などを加味したレコメンドを行っています。当社でRtoasterを導入したのは2010年頃となりますが、時間の経過とともに膨大なお客様の興味・関心データが蓄積されてきました。もちろん手動で意図したレコメンドを行うことはありますが、基本的には蓄積された膨大なデータを基に、自動でのレコメンド機能を活用しています。
ECサイトで蓄積されたその他のデータは活用していますか?
- <二川様>
- 基幹システム内のデータ(売上/商品/顧客データ等)は、データ分析/活用基盤を構築し、レポート化して活用しています。但し、時間経過と共に事業環境は刻々と変化しますので、確認したいデータも変わります。そのような時はブレインパッドさんにご支援いただいております。いずれにしてもデータ活用基盤を早期に構築できていたことで確認できることは多く、ファクトベースで、データドリブンに考えることに繋がっています。
3.蓄積された顧客の興味関心データを活用し苦戦カテゴリの売上補填
最近、特に力を入れている運用などあれば教えてください。
- <鶴田様>
- 鶴田様:お客様の特徴などから様々なセグメントを作り、各種条件を掛け合わせることでポップアップの出し分けを行っています。例えばワインが好きなお客様のセグメントに、マイル数やANAカードのステータス情報などを掛け合わせて異なるワインを提案するなどの施策です。元々のきっかけはワインの売り上げが少し下がった時期にトライアル施策として実施したことだったのですが、効果的に働いてくれました。以降、色々と試しています。
運用型広告の強化にも取り組まれていると伺いました。具体的に教えてください。
- <鶴田様>
- AdNoteの導入により成果の可視化が以前よりも行えるようになりました。このキーワードは本当に意味があるのか、どうしてこのタイミングでこの施策をやったのかなど以前よりも深く考えられるようになり、PDCAの質が強化されたと思います。
データ活用を促進する秘訣はありますか?
- <二川様>
- 私自身は全くもってデータのプロではありません。そのため、データのプロに相談しやすい環境を作っておくということが非常に大切なのではないでしょうか。また相談相手となるデータのプロの方には、如何に事業目的や事業の本質を理解していただけるかが大きなポイントかと思います。システム都合の話だけではない、事業目的や利益の観点も含めた相談ができると、お互いがお互いの数字に耳を傾けやすくなると思います。
4.今後の展望
最後に、A-styleでお客様とどのようにコミュニケーションを取っていきたいかについて伺います。
- <鶴田様>
- 鶴田様:ANAの飛行機に乗っている時だけハッピーになっていただくのではなく、もっと日常的なつながりも含めて、ご利用いただいた方々を少しでもハッピーにできればと思っています。
それには、もう少しタイムリーなアクションを起こすことが必要だと思っています。例えばANAで航空券を予約していただいたタイミングで、旅先やシーンに合わせた商品をおすすめするなど、飛行機に乗っている時以外での接点を増やしていき、よりハッピーになってもらえるようなコミュニケーションをしていきたいです。