お客様と共鳴できるブランドの実現に向けて
会員継続率UPと業務効率化を
実行するダイレクトマーケティング
年間数万種類に及ぶ自社企画商品を販売する株式会社フェリシモは、ブレインパッドのレコメンドエンジン搭載プライベートDMP「Rtoaster」を導入しました。基幹システム内部のデータをレコメンド施策に活用することで、キャンペーン利用率、会員サービス継続率が大幅に向上。また、Rtoasterをチャネル横断のCMSとして利用することで、お客様への情報発信業務を効率化するユニークな取り組みも行っています。Rtoaster導入経緯と活用方法について、株式会社フェリシモ Webプロモーション / CRMグループ リーダー 西本様にお話をうかがいました。
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売り上げ向上や顧客維持に必要な
「すべてのお客様への個別接客」を
効率的に自動化する。
製 品 資 料 ダ ウ ン ロ ー ド
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施策・導入のイメージ
導入後の成果・ポイント
- 内部に眠る膨大なデータの活用がカギ
- 基幹システムのデータを“そのまま”活用
- 複数チャネルへの情報発信を効率化・省力化するユニークな取り組み
1.事業内容
年間数万種類に及ぶ自社企画商品を販売する「フェリシモ」
クラスター戦略でお客様に選ばれる・愛されるブランドを目指す
フェリシモ様の事業内容を教えてください。
- <西本様>
- 自社企画商品を中心に、独自の視点でセレクトした商品やサービスを、カタログやECサイトを通じて販売するダイレクトマーケティング事業を行っています。ファッションから生活雑貨、手作りキットやおうちレッスンなど、国内外の幅広い商品を扱っており、取扱点数は年間数万種類に及びます。
- 特徴は、「定期便」というユニークな商品提供のスタイルです。お客様の気に入った商品やブランドがあれば、それを毎月1回、色・柄・デザイン違いのものをひとつずつお届けしていきます。箱を開けるたびに、「今月はどんなデザインが届いたのかな?」とワクワクする気持ちをお楽しみいただけます。
FELISSIMO フェリシモ
(https://www.felissimo.co.jp/)
フェリシモ様の事業戦略を教えてください。
- <西本様>
- 近年は「クラスター戦略」というものを打ち出しています。年齢・性別というより、趣味・嗜好やライフスタイルが共通するお客様でクラスターを築き、商品販売だけでなく、一緒に商品を企画するなどの体験も共有するイメージです。
- 代表的なクラスターに「フェリシモ猫部」があります。こちらは、猫をこよなく愛するみなさまに向けたグッズ展開をしていますが、売上の一部を猫の殺処分を減らすための活動に寄付するなど、猫と人が幸せに暮らせる社会を目指して活動しています。
フェリシモ猫部
(https://www.nekobu.com/)
- <西本様>
- 趣味・嗜好だけでなく、「こういう社会にしたい」といったところでも共鳴できるブランドを作ることで、競合他社との差別化を推進していこうというのがクラスター戦略です。こうしたクラスターを数多く作り上げることで、お客様の幸せや持続的発展的な社会の創造に貢献していきたいと考えています。
2.顧客育成や関係作りに向けた取り組み
内部に眠る膨大なデータの活用がカギ
顧客育成や関係作りに向けた取り組みについて教えてください。
- <西本様>
- 当社の基幹システムはフルスクラッチで開発された独自のシステムです。ECサイトとも連携しているので、内部にはお客様の情報をはじめ商品などの膨大なデータがあります。しかし、その大半がシステムの奥深くに眠っている状態で有効活用されていませんでした。こうしたデータをお客様への接客の質の向上や顧客育成に活かしたいというのがありました。
- 当社はカタログ販売からスタートした会社なので、以前はお客様とのコミュニケーションのほとんどをカタログやチラシなど、紙をベースにしたアナログな方法に頼っていました。
その結果何が起きるかというと、紙をご覧にならなかったお客様は、お得な情報に触れることができずにいたのです。
- そこで、基幹システム内にあるお客様の属性情報をはじめとする膨大なデータをECサイト上で活用できれば「お客様はこの特典に該当しています」という情報をしっかりとお届けできるなと考えていました。
しかし、自社で情報発信を実行できるシステムの開発を検討しましたが、手間やコストから実現の難しさを抱えていました。
Rtoaster導入のきっかけを教えてください。
- <西本様>
- 当初は奥深くに眠っているデータを出して一旦貯めておくという目的のためにツールの導入を検討していました。そんな時Rtoasterが基幹システムにあるデータを貯める以外にもECサイト、メール、アプリ等のマルチチャネルで活用ができる事を知って導入しました。
3.活用施策-1
お客様にとってお得な情報をお知らせしたい
基幹システムのデータを“そのまま”活用
お客様にとってお得な情報をお知らせする為に実行された事を教えてください。
- <西本様>
- 紙をご覧になられずお得な情報に触れることができずにいたお客様に、「お客様はこの特典に該当しています」という情報をしっかりとお届けするため、ECサイト上でも同じ内容をお伝えすることを徹底しました。
- 当社の基幹システムでは、購入履歴や累計ポイントに応じてお客様をいくつかのセグメントに分けて管理しています。従ってこの基幹システムにある情報をRtoasterに“そのまま”渡すことで、セグメントに応じて“お客様にとってお得な情報”である、クーポンの配布やキャンペーンのご案内をECサイト上で行えています。
- また、大事な情報はECサイトの商品ページ、会員ページ、注文完了ページなど、複数のページを横断してお伝えしていく必要があると思っています。そこで、会員様向けのマイページにある情報を、クーポンやバナーを使い、他のページでお知らせする取り組みも行っています。
4.活用施策-2
ECサイト以外にも複数チャネルへの情報発信を
効率化・省力化するために
複数チャネルへの情報発信の効率化の取り組みを教えてください。
- <西本様>
- フェリシモでは、商品や特集コンテンツ、お知らせ・ニュースなど様々な情報を、カタログやWebページ、メール、バナーなどの形に即して編集する作業を日々行っています。そこでこれらのデータの基となる情報をRtoasterに集約し、出力先の形にあわせて柔軟に発信できれば、大幅な業務効率化になると考えたのです。
- フェリシモでは、アイテムマスタに登録されている商品以外にも特集記事などのコンテンツ、バナー、ニュース、デジタルカタログなどの情報もRtoasterに投入し、そこから様々なチャネルに発信する使い方を目指しています。
- <西本様>
- すでに実現している仕組みもいくつかあります。例えば、アイテムマスタに新しいバナーを登録して更新をかけると、それがTOPページに反映されるのと同時に、お客様に配信されるHTMLメールのコンテンツにも反映されます。これによって、今までメール作成にかけていた工数を削減することができました。
- Rtoasterにあらゆる情報を集約し、そこから様々なチャネルに向けてアウトプットする。こうした使い方をもっと広げていければ、工数の削減効果が大きくなり、捻出された時間を別の取り組みに投入することも可能になるはずです。
- 基幹システムのお客様情報を活用した「レコメンドツール」としての役割と同時に、様々な情報を効率的に発信する「チャネル横断のCMS」としての役割としてもRtoasterを活用しています。
5.活用施策-3
ステップメールに新たな価値を加えるために
「Rtoaster」と「Salesforce Marketing Cloud」を連携
お客様に配信するメールの具体的な施策を教えてください
- <西本様>
- 当社では、毎月1回商品を発送する「定期便」をご利用のお客様に、お申込み締切日の7日前、3日前、1日前にステップメールを配信しています。基本的にメールの構成は毎回同じなので、メールに目新しさや情報としての価値を出せないかと考えていました。
- そこでECサイト内で蓄積された「お気に入りに追加された商品」「最近チェックした商品」「人気商品ランキング」の情報をメールで必ず掲載するようにしています。意外に思われるかもしれませんが、こうした定番のレコメンドをステップメール内に挿し込むだけでも、コンバージョンには大きな影響があります。
- 「お客様が一番興味のある商品」というのは、やはり自分がお気に入りに登録した商品だったり、1度チェックした商品です。閲覧履歴に基づくレコメンドの成果が高いのは、ある意味当たり前のことですが、実施していないECサイトは意外に多いと感じています。セミナーなどで話しても驚かれることが多いです。
- 新しい施策にトライすることも大事ですが、ECサイトにすでに蓄積されている定番データをしっかり活用することも大事なことだと考えています。
- メール通数あたりの効果を上げていくためにMAツールとして「Salesforce Marketing Cloud」(セールスフォース・ドットコム社)を導入しました。その後、メール内容に目新しさや情報としての価値の向上のためにRtoasterを利用しています。
6.導入効果
基幹システムの情報を“そのまま”Rtoasterに投入し施策を実施
キャンペーン利用率、会員サービス継続率が大幅に向上
Rtoasterを活用した施策の効果を教えてください。
- <西本様>
- レコメンド施策に関しては、キャンペーン利用率や、有料会員サービス継続率の向上に効果がありました。
どちらの施策も、元々基幹システムが持っていた情報をそのままRtoasterに渡して実施したシンプルなものです。基幹システムに眠っている情報の活用という点においては、当初の目的をうまく果たせているのではないかと思います。
「チャネル横断のCMS」としては、どのような効果が得られていますか。
- <西本様>
- ブレインパッドさんにもご協力頂きながら当社でも仕組みの構築を進めているところなので具体的な成果はこれからですが、メールの作成業務については、作業工数をこれまでの1/5程度にできると考えています。
- Rtoasterに特集記事、バナー、ニュース、挨拶文などの情報が蓄積されれば、Rtoasterの情報を参照するパラメータを差し込むだけで、お客様向けメールを完成させることが可能になるからです。
- あまり一般的な活用方法ではないと思いますが、業務効率化の効果は大きいと思いますので、こうした取り組みも引き続き進めていきたいです。
7.今後の展望
データ分析により顧客構造を深く理解し
Rtoasterのアクションに活かしていきたい
最後に、今後の展望を教えてください。
- <西本様>
- これまで当社でも分析を行ってきましたが、データ分析にも強みがあるブレインパッドさんと一緒に、当社の顧客構造を深く理解するためのより高度なデータ分析プロジェクトを進めています。この取り組みから得られた仮説やヒントを、今後の施策やクラスター戦略を推進するために活かしていきたいと考えています。
顧客構造分析の取り組みについて教えてください。
- <西本様>
- これまで顧客育成に向けて様々な施策を実施してきましたが、マネタイズに結びついた最終行動や最終指標に着目していました。しかし、この状態では、仮に施策がうまくいかなった時に、何をどのように改善すればよいのか仮説が立てづらかったのです。
- 顧客構造の分析によって、何が結果の良し悪しに影響を与えているのかを把握し、また、施策に有効な中間指標を設定することで、施策の効果をさらに向上させていきたいと考えています。ブレインパッドさんには引き続き、当社の様々な取り組みをサポートいただきたいと思います。