マーケティングオートメーション(MA)の効果的なシナリオを設計したい
効果的なシナリオとは
何をもって効果的なシナリオが実現したと言えるでしょうか?
一番わかりやすいのは、システムに投資した以上に「売上が伸びる」、「利益がでる」、または「認知度が広まる」などが挙げられます。それらの指標がシナリオを運用した前と後で、どのように変わったか・影響を受けたかをまず抑えておく必要があります。
目標とする指標を設定します。
まず毎月の想定CV売上金額(想定売上金額 × 想定売上数)を定義します。
既にMAを運用していれば、現シナリオでの実績(CV売上金額、CV売上数)を控えておきましょう。MAを今まで運用した事がないのであれば、何かしらキャンペーン(広告)を行った際のコンバージョン売上金額を確認しておきましょう。季節性に影響される要素がある場合は対前年月比で比較し、曜日(平日・休日)に影響される場合は、曜日別に指標を比較する事が重要です。
MAのシナリオを設計する際に、どのKPIを重視・改善するかを目標に掲げます。
その後、効果に影響が与えそうな要件をシナリオ設計に落としていきます。
KPIを意識する
・CV売上金額
・CV売上数
・CV売上金額 (一人当たり)
・CV売上数(一人当たり)
・メール開封率
・クリック率
・CV購入率
・加入者数
・会員継続率
・退会率
KPIを意識した設計
例えば、会員継続率を例にとって施策を考えてみましょう。
会員を維持するのに意識するタイミングは以下3つがあります。これらのタイミングでお客様が必要としている情報を届けることが重要です。
・入会タイミング (新規入会、再入会)
会員になった理由があります。何かしらの広告やイベント情報を見て、会員になった事を
意識し、それらに関連する情報をお届けします。
・入会後のフォロー
利用していない期間が長い場合は、入会時に情報が行き届いていない可能性が
あります。入会時では届けられなかった新規の情報であったり、クーポンや値引き
のお知らせをする事でお客様に興味をもってもらいます。件名・配信時間帯にも原因が
あるかもしれませんので、気を配りましょう。
・退会タイミング
退会の予兆を捉えましょう。XX日以上利用しなかった場合は、退会になる可能性がある
という傾向は予め抑えておく必要があります。またお客様の行動履歴より、お客様と接点
がある情報を用意しておきましょう。退会しそうなタイミングでそれらの情報をお届け
します。
上記は、入会キャンペーンを例に取った設計のポイントですが、会員維持率を向上させるには適切なタイミングで適切な情報をお届けるすることが必要です。
各シナリオの制約条件を決める
さらに効果的なシナリオを設計するには、制約条件を決めておく事が重要です。
・訴求アイテムをフィルターする
既に購入済み商品はおすすめしない。過去XX日内に購入した商品を除外する。
訴求アイテムの条件を決める。画像URLがないものはおすすめしない等。
・タイミングを考慮する
商品のライフサイクルを意識する。商品の価格変動、在庫状況(入荷など)、季節性を考慮 する。クーポン・ポイントの失効期限や会員属性(誕生日など)を注意する。
・対象者を絞る
対象者の性別・年代・地域性・会員のセグメントを考慮する。
最後にですが、施策作成だけに集中するのでなく、KPIの結果を確認する事で施策を改善していきましょう。例えば、前年比と比較し、開封率が落ちているようであれば、件名や配信タイミングに改善ポイントがあり、クリック率が下がっているようであれば、コンテンツに課題があるかもしれません。効果的なシナリオを継続するには、シナリオを改善していく事が重要です。