ブレインパッド、セガゲームスの深層強化学習を用いたAIシステムの実用化を支援し、
ゲーム開発プロセスの効率化と品質の向上に貢献
- 業界内でも先進的な取り組みとして、AIによるゲーム検証作業の自動化に貢献 -
株式会社ブレインパッドは、株式会社セガゲームスがスマートデバイス向けゲーム開発において検証作業を自動化するために構築したAIシステムについて、深層強化学習(*1)を用いた改良システムの開発を支援し、ゲーム開発の効率化と品質の向上に貢献したことを発表いたします。
ブレインパッドは、セガゲームスのゲーム開発を支援するため、業界の中でも先進的な取り組みとして、深層強化学習を用いたAIシステムを開発しました。ブレインパッドは、従来より製造機器や空調設備などの動的な最適化・機械制御への適用が期待される深層強化学習に注目し、ビジネスでの実用化を見据えて調査・研究を行っていました。本プロジェクトにおいては、これまでの研究で得られた知見をゲーム開発に応用した結果、リリース前のテスト作業やゲームバランスの調整などの多様な検証作業が高速に行えるようになり、ゲーム開発へリソースを集中できる環境構築とゲーム品質の向上に貢献しました。
■スマートデバイス向けゲームの検証作業を自動化するためのAIシステムを開発
セガゲームスは、特に更新のサイクルが早いスマートデバイス向けのゲームの開発において、ゲームのリリース前に不具合がないかを確認するテスト作業や、適切な難易度になっているかゲームバランスの確認を行う作業に多大な時間とコストがかかっていることを課題としていました。そこで、ゲームをテストプレイするAIシステムを独自開発し、一定の成果をあげていましたが、テストプレイの時間をより短縮するさらなる改善を検討していました。そこでブレインパッドは、深層強化学習技術を用いたAIシステムをセガゲームスに提案し、その開発を支援しました。
■多彩なプロフェッショナルメンバーによるプロジェクトの推進
ブレインパッドとセガゲームスは深層強化学習を用いてゲームの攻略法を自ら編み出すAIシステムの実現を目指し、プロジェクトを開始しました。このシステムの核となる強化学習エンジンは、シミュレーターと呼ばれる疑似装置を通してAIにゲームを学習させますが、シミュレーターと強化学習エンジンは異なるプログラム言語を使用しているため、両者を連携させるインターフェースの開発が必要でした。そのため、プロジェクトは、それぞれに専門性を有するデータサイエンティスト、機械学習エンジニア、システム開発を得意とするエンジニアがチームを組成し、AIシステムの開発を行いました。
■深層強化学習の応用により、AIによるテストプレイのレスポンスを向上
これまでのシステムは、ゲームバランスの調整作業において、ゲームの前提条件を変えると再学習に時間を要する点が課題でした。今回のAIシステムは、ゲームの前提条件を変更しても再学習が不要で、ゲームバランスの調整が短時間で行えるようになりました。これにより、本来の開発スタッフ業務が、AIシステムの再学習によって中断されることがなくなり、さらに高いクオリティのゲームを開発する環境が整いました。
■株式会社セガゲームス エンタテインメントコンテンツ事業本部 松田 剛氏のコメント
ブレインパッドには、セガゲームスの社内メンバー向けに機械学習の一般的な知識や、標準的な導入プロセスについて教えていただきました。これはAIの活用定着に向けて、大きな糧になりました。持っている知識を惜しみなく提供してくれたことが嬉しかったです。
■株式会社セガゲームス 研究開発ソリューション統括部 開発技術部 上田 展生氏のコメント
ブレインパッドの報告レポートはとても丁寧で、誰にでも内容が理解できるものでした。レポートはそのまま社内に展開できるレベルでしたので、私たちの取り組みを上司に把握してもらうのに役立ちました。
■より詳細な株式会社セガゲームスの事例インタビューは、ウェブサイト「+AI」に掲載されています。ぜひご覧ください。
URL: https://ai.brainpad.co.jp/people/story4/
(*1)深層強化学習とは、ゲームなど結果が出るまでに時間がかかるタスクや多数の繰り返しが必要になるタスクに対して、コンピュータが試行錯誤を繰り返しながら最適な戦略を学習する手法。強化学習には環境、行動、報酬の3つの概念があり、ある時点(環境)での行動によって得られたスコアや勝利といった結果(報酬)をもとに学習を進める。
2016年に囲碁の世界チャンピオンであるイ・セドル氏を破ったことで注目を浴びた、イギリスのDeepMind社の「AlphaGO(アルファ碁)」にも用いられている手法。
■ご参考情報
●株式会社セガゲームスについて https://sega-games.co.jp/
本社所在地:東京都品川区西品川一丁目1-1 住友不動産大崎ガーデンタワー
設立:1960年6月3日
代表者:代表取締役社長COO 松原 健二
資本金:1億円
従業員数:1,980名(2019年3月31日現在)
事業内容:家庭用ゲーム機、PC、およびスマートデバイスに向けたゲームやデジタルサービスの企画・開発・販売・運営
●株式会社ブレインパッドについて http://www.brainpad.co.jp/
(東京証券取引所 市場第一部:証券コード 3655)
本社所在地:東京都港区白金台3-2-10 白金台ビル
設立:2004年3月
代表者:代表取締役社長 佐藤 清之輔
資本金:332百万円(2019年3月31日現在)
従業員数:283名(連結、2019年3月31日現在)
事業内容:企業の経営改善を支援するビッグデータ活用サービス、デジタルマーケティングサービス
*本ニュースリリースに記載されている会社名・商品名は、それぞれ各社の商標または登録商標です。
*本ニュースリリースに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
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以上